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2021年12月14日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0754370 2021年12月15日更新公聴広報課
会見写真

令和3年度11月補正予算案・経済対策分の概要について

 本日は、令和3年度11月補正予算案・経済対策分の概要についてお話をさせていただきます。
 お手元配付の資料をご覧ください。
 「1 予算編成のねらい」についてであります。
 先月閣議決定された「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」に呼応し、ワクチン・検査パッケージ等への対応やワクチンの3回目接種体制の確保、防災・減災、国土強靱化をさらに推進するための補助公共事業、臨時交付金を活用した米価下落対策や地域公共交通事業者への支援などについて、補正予算案を取りまとめたところであります。
 「2 補正予算額」でありますが、336億9,467万円となっております。
 「3 項目ごとの事業概要」でありますが、国の経済対策の柱に沿ってご説明させていただきます。
 まず、新型コロナウイルス感染症の拡大防止であります。
 ワクチンの3回目接種を進めるため、県営接種会場の設置期間の延長や一定回数以上の個別接種を行う医療機関への支援の継続など、引き続き接種体制を確保してまいります。また、収入減少世帯のための特例貸付の受付期間を延長するほか、県立学校における消毒等の感染症対策にも引き続き取り組んでまいります。
 次に、「ウィズコロナ」下での社会経済活動の再開と次なる危機への備えであります。
 健康上の理由等によりワクチンを接種できない方が、ワクチン・検査パッケージを利用する場合などのPCR等検査を無料で実施いたします。また、バスやタクシーなどの地域公共交通事業者や岡山桃太郎空港において国内定期路線を運航する航空会社等に対し、運行継続のための支援をさせていただきます。さらに、米価の下落により影響を受けた農家を支援するため、県産米の販売拡大キャンペーンや融資資金に対する利子補給を実施いたします。このほか、県内宿泊を促進するキャンペーンも実施いたします。
 次に、「新しい資本主義」に関連するものであります。
 看護、介護、児童福祉、障害福祉の現場で働く職員の方々の収入を引き上げるための支援をいたします。また、デジタル化による生産性向上に取り組む県内中小企業を支援させていただきます。
 最後に、防災・減災、国土強靭化の推進など、安全・安心の確保であります。
 「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」による気候変動を見据えた流域治水の推進等を図ってまいります。
 補正予算案の概要は以上でございますが、引き続き、感染拡大防止と地域経済の維持、回復に向けて全力で取り組んでまいりたいと存じます。
 私からは、以上でございます。

質疑応答

記者)
 今回の補正予算の狙いとか思いを詳しくお願いします。

知事)
 ご案内のとおり、これ、11月19日に閣議決定されました「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」に呼応したものでございます。かなり国庫を使った、国の方針に沿った内容ということになっているところでございます。これは、きちんと岡山県において国の方針に沿って必要なものを計上する。これは、粛々とやるということでございます。あと、県単独事業もいくつか今回発表させていただきました。申し上げますと、バス、タクシー等の地域公共交通への支援がありますし、先ほど申し上げました岡山桃太郎空港における航空事業者への支援、デジタル化の推進のための支援、それから米価下落対策、あと、申し上げませんでしたけれども、県内宿泊者向けの新たなキャンペーンということがございます。これ、当初予算とちょっとある意味対照的でありますけれども、当初予算についてはかなりの時間をかけてそれぞれの部局から上がってくるものをヒアリングしまして、最後、その過程において私の意見、考えもずいぶん言わせていただきますし、もう本当に私を含めた県庁職員、幹部の思いがかなり詰まったものになります。私自身気をつけてきたところでありますけれども、コロナに関する補正予算、コロナの予算が今回のものを入れると2,500億円を超えるわけですよね。大変な金額を入れているわけでありますけれども、これに関して私自身あまり自分の強い思いを入れないということをこの2年間気をつけてきたところでございます。例えば災害対応、水害の対応でいろいろな場所がひどい目に遭っている中で、私の思いが、私、ここの地域の被災者に非常に個人的に同情をしてここの地域はなんとかして欲しいということにすると、これは客観的に見れば思い入れが強すぎてバランスが悪くなるということになりますので、極力いろんな人の目から見てチェックをするということを心がけています。今回もそれぞれの担当から、いやもうここの業界、この分野、この地域の悲鳴はすごい、これはちょっとなんとかやはりしなければいけないという、それぞれの担当からのいろいろな意見を見まして、まあそうは言っても財源は限られているわけでありますので、ではこれとこれはやることにしようという、そういう取り上げ方になっています。私とすれば、地域ですとか業界を特定した支援というのは、どう客観的に採択したつもりでもなかなか客観性、公平性を担保するのが難しいと考えていますので、あまりそちらの方を重点的にはしたくないと思っています。例えばで言いますと、よく言われるようになりました、飲食店に対して時短をかける、これが飲食店に迷惑を掛けるのは明白であります。午後8時以降は営業してはいけませんとか、お酒を取り扱っていけませんというふうに言うわけですから、これはもう明白なんですけれども。じゃあその全ての被害が飲食店に限定されるのかというと、そうじゃないこともいろいろな議論で我々わかってきたというか、わかる人はすぐわかるわけなんですけれども。よく言われるのは、そこにお酒を卸している関係者大変ですよね、おしぼりだとか、もういろんな波及効果が及んでいますよねというときに、じゃあそれ全部追っかけるのかというと、最終的には全産業に影響が及んでいるわけで、じゃあ全産業をなんとかできるだけの税収があるのかというと、これはないのも明らかであります。ですから、結果的に売り上げが下がった、結果的に赤字になった、資金繰りが難しくなったところにご支援をするというのが公平公正、効率的ということで言えば、多分一番筋のいい対応策だと思っていますけども、ただ、被害が明らかでそこに集中している場合は、例外的に対応することもあると、そういう考え方で対応をしています。

記者)
 子どもへの10万円給付、これをめぐって各市町村の対応が分かれていて、対応に迷っているような市町村もあるんですけれども、そこに対して知事の受け止めといいますか、対応はいかがでしょうか。

知事)
 もうこれまでいろいろな給付を行うときの混乱ですとか、もしくは、役所は必死でやっているにも関わらず、給付を受ける側からするとなんでこんな単純なことに2か月も3か月もかかるんだという不満、この2年間でいろんな場面を目にしてきたわけであります。クーポンというのは思いとすれば理解できるわけなんですけれども、実際、実務のことを考えれば、これはもう現金の方が明らかに都合がいいわけでありますので、県内でも多くの首長がいやもうこれは現金でさせてもらいたい、できれば一括でさせてもらいたいというふうに言われているのも大変よくわかるところでございます。岸田総理もきちんといろんな意見を取り入れて、朝令暮改だ、ぶれる、混乱するという批判を承知の上で、柔軟に対応される答弁をされたというのは素晴らしいことだと思っています。私が言うこと、決めることではありませんけれども、非常にいい流れだと思っています。現金給付の方が早いですし、無駄な業務が出てこない、また無駄なコストが出ていかないという点で、私はかなりいいアイデアだと思っています。

記者)
 現金給付をしたくてもなかなか財政的に悩ましいところ(市町村)に対して、県として助言なり、なにか対応というのはあるのでしょうか。

知事)
 国の方で極力、例外的な対応ではなくて一つのオプションとして認める、特別な条件も付けないというふうに昨日答弁をされていましたので、年内に10万円が可能かどうか私は承知しておりませんけれども、市町村ができるだけ早く支給をしたいということが可能になるように国も対応していただければと考えています。

記者)
 ワクチン・検査パッケージに関して、狙いや期待される部分というのをお願いできますでしょうか。

知事)
 まず、ワクチン・検査パッケージの詳細はまだ示されていませんので、我々としてもわからない中でこれぐらいの検査があるとすればこれぐらいの費用が出るんだろうということで、かなりの仮定を置いて積んだ予算であります。このワクチン・検査パッケージには大変期待をいたしておりまして、そもそもワクチンがここまで早く開発されて接種が進まなければこういう可能性もなかったわけですけれども。もうはっきり言って、ワクチンを受けた人と受けていない人のリスクはずいぶん違うわけですので、ワクチンをちゃんと規定回数受けた人が経済を回してもらうということは、もう誰にとってもいいことであります。ぜひ、詳細が示されてそれをきちんと岡山でも実行されるように、岡山県庁としても対応していきたいと思っています。

記者)
 実際に適用する事業者の募集とかのスケジューリングはいかがでしょうか。隣県とかでも、年内にその募集を始めたりするケースあるとのことなんですが。

知事)
 事業者というのは、飲食店どうのこうのじゃなくて、その検査をする事業者でしょうか。

記者)
 飲食店の方です。

知事)
 それは認証を受けた飲食店ということですかね。これは、パッケージが示されるというか、開始する前から山梨県方式ですか、その飲食店の募集とそのチェックというのは進めてきているところでございます。岡山県も、少しずつ認証店、今の時点で1,444店舗が第三者認証を取得して、これ12月10日現在ということでありますけれども、そのほかまだ数百店が手続き中ということであります。ぜひ、できるだけ多くのお店に認証を取得していただきたいと思っています。

記者)
 PCR(等検査)に関することになると思うんですけれども、これはパッケージとは別で、感染拡大時に希望者がPCRを受けられるようにもなるということを含まれていると理解しているんですけれども、これまですごいいろんな論争があってPCRをどれだけ実施すべきかということが、今回拡大する方向の話になるかと思うんですけど、国の策、県の政策の拡大とかの背景とかはどのようにご理解されているんでしょうか。

知事)
 これ、国の方で詳細がまだ示されていないところでありまして、その質問に対する答えは、「具体的な数値基準が示されていないことから、感染状況や医療の逼迫具合、他県の状況等を総合的に勘案し、どういうタイミングで要請をし、検査をするのか、慎重に判断したい」という答えを用意してくれているわけでありますけれども、要するにまだわかっていないということを丁寧に話すとそういうことになるというわけでございます。実際、まず国がかなりのところを決めることになろうかと思いますし、私としても意味のある検査になるように、もしくは無駄な検査が出てこないように、それぞれ閾値を低くしすぎると起きる問題、今度高くしすぎると起きる問題、それぞれ別の問題がありますので、感染状況ですとか、流行っている株がどれだけ危険な株なのか、あまり重症化しない株なのでそこまで厳格にしなくていいのか、もしくはこれは本当に致死率が高いのでかなり無駄な検査が出ることを承知の上で広く厳しく適用するのか、そういったことも状況によって違ってこようかと思います。国から示される詳細を見ながら、その時々の感染状況等に即して判断していきたいと思っております。

記者)
 補正予算全体に関することで、オミクロン株の拡大なんかも懸念されている中、今回のこの補正予算での対策で期待される効果、意気込み、このあたりこうなっていればいいなという思いを一言聞かせてください。

知事)
 第5波、岡山県民のみんなで頑張って、当然それはもう全国の皆さんが協力をしてくださったおかげ、またこのワクチン接種が進んだということもありまして、諸外国の中でもかなり高いワクチン接種率を達成することができた。いろいろなことが相まって、今、日本の感染状況、世界の中でも非常にコントロールできている状態であります。また、このオミクロン株、大変心配でありますけれども、これまでの変異株の立ち上がりへの対応の中で、日本国政府、一番迅速に厳しい水際対策をとった。私、もう前々から、アルファ株のときから、簡単に国内に入れておいて、広めるだけ広めてから、みんなに三密対策だ、飲食店に行くなどうのこうのというのはもうおかしい、水際、国内に入れないようにするためにいろいろ不便を被る人はそれは数万人、数十万人いるかもしれないけれども、数十万人と言ったって国民の1%にならないわけであって、その方々にちょっと余分に我慢していただくだけでどれだけ残りの99%助かるのかということ、それから、都道府県間の長距離移動で東京、大阪主体だったものは全国に拡大するわけなので、その長距離移動をいかに抑えるかということが大事なんだということもずうっと申し上げてきました。今回本当に政府の対応はそういった考え方に沿った対応をしてくださっているということで、本当にありがたく思っています。ただ、いずれ入り込む、今でもこのオミクロン株、国内でも入ってきています。私はかなりの確率でコントロールできているんじゃないかと期待をしていますけれども、それでも逃れた感染者がいてもおかしくありません。そういう世界中でまた新たな感染の波が立ち上がっているときに、極力静かに抑え込んでいく、ワクチン3回目もきちんと打って、感染拡大防止、命を守るということと、経済を回すということを高いレベルで両立させるために必要なもの、対策をそれぞれの都道府県が打てるように補正予算を国の方で組んでいただいた。我々とすれば、その国の方針に従って粛々とすべきことをやっていく。一番大きいのは、この3回目のワクチン接種を進めていく。それから、病床の確保ですとか、必要な体制は引き続き維持をする。大変お金のかかることではありますけれども、国が予算をつけてくださいましたので、きちんとやっていく、そういうことでございます。

記者)
 無料PCR検査のことで、これは薬局などで実施するとは思うんですけれども、例えば規模感として、各市町村に少なくとも何か所ずつとか、もしくは年内でのスタートとか、そういったスケジューリングはいかがでしょうか。

知事)
 いくつか対応をしてくれる薬局が目星がついたですとか、私自身のところにも断片的に報告は上がってきておりますけれども、そもそも国の方で詳細が示されておりませんので、我々としてもきちんと話を固めて、内部ですら固めることができない状況であります。詳細が示されたときにそこから初めていろいろ段取りをしだすと、これはもう間に合いませんので、その下打合せ、こういうことになったらこういうことが必要なのでこんな感じで可能性ありますかみたいな、そういう打診ですとか、準備ですとか、そういうことは我々、いろいろしているわけですけれども、我々自身決められない、決まっていないということであります。詳細がわかり次第、我々とすればできるだけ急いで対応したいと思いますし、発表できることができましたら発表させていただきたいと思っています。

記者)
 今回の国の閣議決定を受けた補正予算の方、社会経済活動の再開と感染拡大の防止、これまで言われてきたものを如実に表しているものかなと思うんですけれども、県民の方、年末年始にかけて帰省をどうしようとか、忘年会、新年会、どうしようというところがあると思うんですが、知事としてはそのあたりの在り方というのは。

知事)
 これ、悩ましいところなんです。去年は、あれは第3波でしたか、年末年始に感染がずっと続きまして、なかなか東京、大阪でいろいろな宣言だとかをしても収まらない、GoTo(トラベル)を引っ張りすぎだったとか、いろいろな問題が指摘をされたわけですけれども、あのときもやはり帰省は勘弁してほしい、延期して欲しい、Webでやってほしいとか、そういうことを言って多くの方が控えていただいた。でも一部、まあ自分は大丈夫だからということで戻ってこられた方の中のほんの数%の方が、実はウイルスを持っていて、そこから、そこを起点に広がっていったというのは岡山県でも全国各地で見られたわけであります。そういったことですので、先ほど申し上げましたように、やはり普段会ってない人と会う、長距離移動をする、みんなで盛り上がる会食、飲食、飲酒、そういったことで盛り上がるのが大変危険だと、これはもう間違いありません。ですから、もし帰省しなくても大丈夫だと、ずいぶんいろんなオンラインでのやり方も慣れてきたので今回もオンライン帰省にしようかということであれば、もう大歓迎であります。ずいぶんいろんな薬が出てきた、コントロールのやり方も少しずつわかってきたとはいえ、いまだに新型コロナというのは人が死ぬ病気でありますので、もし避けられるのであれば、長距離移動ですとか、そういったことは避けていただきたい。移動しても、会食をしないとか、盛り上がらないという、気をつければまたリスクもずいぶん違ってきます。ということと、ここまで感染が抑えられたことはなかったわけですので、状況からすると、以前と比べるとそういったことがやりやすくなっているのも事実ではあります。もう常に気をつけろ、もう遠くに行っちゃいかん、人と会っちゃいかんというのは、これもなかなか辛いところですので、去年と比べるとやりやすくなっているのは事実なんですけれども、ただ、もう我々2年間学習をしてきましたので、どういう場面が危ないかというのはもうわかっているはずなんですよね。そのクリティカルな場面を、大抵は食事をして最初のうちは慎重にやっているのに、後半の30分とか1時間盛り上がって、もうなんか最初、慎重にやっていたのが嘘みたいなことになって、わいわいというときにお互いうつし合ってしまうみたいなことですので、これをするな、あれをするなということもあるんですけれども、しちゃいけないというよりも、とにかくその危ない、リスクの高い行動を控えていただきたい、そういったことの積み重ねが今の状況ですので。あともう一つは、もう正直言って、ワクチンを打った方と打っていない方のリスクは明らかに違います。ですから、ワクチンを2回打った人同士集まる、要するに4、5人で集まるんだけれども、全員2回ずつ打ったよという人の集まりと、その中にワクチン打ってない人が一人、もしくは二人入っている集まりというのはもうリスクが正直全然違います。ですから、それぞれリスクを勘案した行動をとっていただきたいというのが、私の願いであります。なにかこんなことしてるから悪いみたいな、俗に言うコロナ差別みたいなことはしていただきたくないですし、それぞれの方が適切にリスクを勘案した行動をとることで、私はその感染拡大防止と社会経済活動を回していくということは、ワクチンとそれから飲み薬とかいろんなことを組み合わせることで可能だと思っています。

記者)
 今後の県民の方含めて行動の在り方を考える上で、やはりワクチン・検査パッケージというのは大事なものだなと思うんですけれども、その実施の在り方とかスケジュール感みたいなもので国に求めたいこととかは。

知事)
 もう本当に、もうそろそろクリスマスだ、年末だということですので、いやぜひ詳細は早く教えていただきたいというところであります。ワクチンを打った人にとってはそのワクチンを打った証明をどう見せるかということだけなんですけれども、体質等の関係で打てない方が検査をする場合、検査が何日もつのかとかというのは、これ、ずいぶん大事なことですので、せっかく検査をしたんだけれども旅行に行ったときに、いやこれもう期限切れですというふうに言われて、なにか乗れなかった、断られた、これは結構大変なことになります。

記者)
 ワクチン3回目接種についてお尋ねですけれど、直近の感染者の状況を見ていると、ブレイクスルー感染とかが結構出てきて、やっぱり3回目接種というのもできるだけ早くたくさんの人に進めていくことが大事なのかなと思うんですけれども、それについての知事の思いというのをお聞かせください。

知事)
 これ、ファイザーなのか、モデルナなのか、またそれ以外のものなのかでちょっと違うそうでありますけれども、やはりある一定期間経ってくると、素晴らしいそれぞれのワクチンの効き目が薄れてくる。特に高齢の方の場合、もともと抗体価が上がりにくくて、しかも結構な勢いで下がっていってしまうということがありますので、3回目接種をきちんと進めていく。できれば、特に抗体価が低いことが予想をされている高齢者の方については、私の思いとすれば8か月待つよりも早め早めで打つことができればより安心だと思っています。ただ、これよく言われるブレイクスルー感染が起きているので、あまり私の言っていることも言うほど当てにならないんです。よく抗体価が3分の1になりましたとか、いろいろな発表が出てきます、抗体価は測りやすいので、そこでどういうふうに変化したかという情報がどんどん出てくるのはある種当たり前なんですけれども。非常に基礎的な話です、免疫の中に自然免疫があります、獲得免疫があります。自然免疫、すごく大事なんですけれども、コロナに関してはあまりあてにならない。獲得免疫に2種類ありまして、細胞性免疫とそれから液性免疫で、今、抗体価がどうのこうのというのは液性免疫の話をしています。それは下がるんですけれども、細胞性免疫、キラーT細胞とかそういうもの、ある種の白血球がウイルスを食べてくれるという、そういうことについてはあまり落ちていないらしいということですので、すべてのなにか守る力が3分の1になっているというんじゃなくて、2本立てのうちの1本、かなり頼りになる1本が半分になったり、3分の1になっているということは理解をした上で、でもそれでもブレイクスルー感染が起きているわけですので、きちんと3回目接種を打っていく。市町村、なかなか準備が大変ですし、あともう一つは、ファイザーを打った高齢者がもう大半であるわけなんですけれども、今、国が用意をしているワクチンについて、ボリュームはあるんですけれども、比率がファイザーではなくてモデルナが結構多いということですので、現状その交差接種、交互接種をかなりの割合で実行していただかないとつじつまが合わないという、いろいろな問題があります。幸い、実は交互接種の方が効果が高いということがいろいろな研究で示されていますので、ぜひ高齢者の方を中心に交互接種を積極的に考えていただきたい。特にファイザー、ファイザーで2回打った方が、次モデルナを打つと非常に効果が高いということがいろいろな研究所から結果が出ています。私はモデルナ、モデルナなんですけれども、モデルナ、モデルナでも交互接種の方がいい。私ファイザーの方がいいんですけれども、おそらくほんのちょっと上がるだけで大して変わらないんですけれども、ファイザー、ファイザーの人が、(3回目接種を)モデルナにするとぐっと上がる。ファイザー、ファイザー、ファイザーよりも、最後モデルナにすることでぐっとよくなるということですので、むしろ積極的にこのモデルナを選択していただきたいと思っています。それでちょうどあるものを使い切るというのが、社会全体にとっても理想的でありますし、なかなか簡単ではありませんけれども、国も県も市町村も、それぞれ努力、工夫、連携をして、この3回目接種、できるだけ早く、かつスムーズに進めていきたいと思っています。

記者)
 一方で、2回接種に関してもなかなか7割、8割から上がらないという、これからかだと思うんですけれども、これに関して底上げしていく工夫とか。

知事)
 岡山県の接種率、全国平均と比べて1ポイントぐらい遅れている状態が長く続いています。これ、ご案内のとおり、我々、早く進んでいた反動で、途中から国がワクチン供給量、早く進んでいるところの供給をぐっと絞った関係で、岡山市が1か月予約を止めた、倉敷市もそれぞれ年齢別に開始をしていくスケジュールをやはり1か月近く遅らせたということが大きく響いているわけです。打とうと思っていた人が予約が取れないのでちょっと宙ぶらりんになっているうちに、ほんの一部の方が面倒くさいと思われたのかなんなのか、打つ意欲をちょっと失われたということもあったのかもしれません。ちょうど盛り上がったときに打てなかったっていうことが、いまだに尾を引いているように見えます。今でも、1回目、2回目の接種率を上げる意欲は、我々失っておりません。県医師会にご協力をしていただいて行っている夜間接種会場も、今でもキャパシティを増やして対応をしていますし、そのほか、こういうことをもう少し便利にしてくれたら俺は打つよという、私打つわという方のためになにができるのか。夜間接種会場に来られている方の大多数、大多数というかかなりの部分は岡山市民なんだそうです。私、もう少し全県的な広がりがあるのかと思ったのが、岡山駅ですから。なんですけれども、やはり岡山市民に集中をしているということですので、なにか岡山市以外にお住まいの方に夜間接種ができないものかですとか、いろいろアイデアを出して、今、検討はしてもらっているところではあります。とにかく、1回目、2回目接種を決断した人でないと3回目接種にはならないわけですし、やはりそのベースを上げていくことが、オミクロン株をはじめ、これからいろいろな新たな変異株だったり、新たな波が来るときに、もうずいぶん対応が違ってきますので、ぜひこれはもうなんとか8割強を目指して、これもう世界各国でもそんな(高い接種)率を達成した国、私あまり聞いたことありませんけれども、できるだけ高くしていきたいと思っています。これは、子どもたちに接種できるようになるとまたこれ違います。我々、まず最初に1割外してから考えているわけですけれども、そこのところの半分は今、もうファイザーはもう打ってもいいというふうに言っているわけですから、ここについても我々とすれば積極的に対応していきたいと思っています。

記者)
 県民の過ごし方に関連してなんですけれども、観光振興の宿泊割引で、昨日広島県だと思うんですけれども、期限を年末までから3月に延長して、あと、鳥取、島根の県民も対象に加えるというふうな動きもあるかと思うんですけれども、岡山県としては、応援割、年末までの期限だと思うんですけれども、ここについて知事の方針を。

知事)
 どれぐらい前になりましたっけ、鳥取県と両県知事会議をしたときに、平井知事の方からお互い相互乗り入れで考えませんかということで、そこから検討を始めて、国の方もそれを容認していただけることになったということで、我々もこの隣県と相互乗り入れで頑張ろうという段取りを進めていたわけなんですけれども、このワクチン・検査パッケージとの絡みで、やはりそれぞれの現場のホテル、旅館の方々からすると、いやどうなんだろうかと、不十分な形で来られた方を断るべきなのか、それとも、もうそんなの関係ないと言って受け入れてしまっていいものなのかですとか、いろいろなご心配、ご懸念がありまして、我々ちょっとそこをどうクリアするかということを迷っているうちに、隣県でぱたぱたっともうやるよということになっています。いまだに実はそのワクチン・検査パッケージの詳細が決まっていませんので、その心配がクリアになったわけではないんですけれども、もう他県もここは当然クリアされるだろうということで、ある種、見切り発車的な段取りをしていますので、我々もちょっとそれにならって、今どういうことをするか交渉中でありまして、今申し上げられませんけれども、我々も同じ方向性で考えているところでございます。

記者)
 総社市の方で、性的少数者の方とかのファミリーシップ制度が導入されました。真庭市の方でもパートナーシップ制度が導入されたりとかあるんですけれども、三重県なんかは県の方でもう包括でそういった制度を整備されているところもあるんですけれども、岡山県としてはそのあたりのサポートの在り方というはどんなふうにお考えでしょうか。

知事)
 そういう家族の在り方については、もう本当になにか議論をしてみれば、あっそうかこっちが正しいことがわかったですとか、分析をすればこういうことがわかったとか、そういうことじゃないんですよね。もうなんか信念というかみたいなところがありまして、多くの方がまあそれはもう今の時代こうだよねとか、もしくは、いややはりここは大事なところであまり軽々しく変えてはいけないとか、そういった思いがあります。これについて、あまり首長がたまたまこう思っているからということでやってみて、そこの住民の皆さんが非常に居心地が悪いですとか、なんか違和感を持つというのはたぶんあまり望ましいことではなくて、それもそういう形で入れてしまって、本当に歓迎されているのかどうかよくわからない、歓迎されていることに形の上ではなっているんだけれども、なんかかえってひどいことになるみたいなことが、この話じゃなくていろんなこれまでも50年、100年で見ればあったかと思うんですけれども、ですから、国がどんとやるよりも、市町村の温まったところというか、ここは大丈夫なんじゃないか、我々の地域では大丈夫なんじゃないかということを判断してやってみる、様子を見てみると、心配してたほどそんなひどいことにはならなかったよねということがあって、それをこの周りの市町村が見ていて、これぐらいだったら我々がやっても大丈夫なんじゃないかということで広がっていく、これが私は理想なんだと思っています。先進的というか、先駆的なところがいろいろ試されて、これが必ず正しいということじゃなくて、それをやって皆さんの反応が悪くなければ、結果的に悪くなかったよねということですので、私、そういった状況をきちんと見ていきたいと思っています。そういう小さいところ、小さいというのは何百万とかというんじゃなくて、何万、何十万の規模の自治体がやっていくことが積み重なっていくというのがすごく大事だと思っていますので、私とすればそういうのを見守りたいと思っています。私が会社の社長とかだと、すごくたぶんやりやすいんだと思います、規模が小さいですから。大きくなればなるほど、ある程度慎重に見る必要があるのかなと思っています。

司会)
 それでは以上をもちまして、知事臨時記者会見を終了いたします。

知事)
 ありがとうございました。

2012年の記者会見