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2022年2月1日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0761763 2022年2月2日更新公聴広報課
会見写真

令和4年度当初予算の概要について

 私からは、令和4年度当初予算の概要についてお話をさせていただきます。
 各部局からの要求状況を先月14日にご説明させていただいたところであります。今月15日に当初予算案として取りまとめますが、それに先立ち、現時点での歳入見込みなどの概況をご説明いたします。
 資料1ページ「1 予算要求額」をご覧ください。
 令和4年度当初要求額については先月14日に発表したものであり、一般会計の総額は、7,634億円と前年度比0.5%、36億円の増となっております。
 次に、「2 歳入見込み」であります。
 今回見積もった歳入の主な内容についてであります。
 まず、県税については、前年度比7.2%、163億円増の2,435億円を見込んでおります。これは、企業収益の改善がみられることから、法人関係税が増となることが主な要因であります。これに地方消費税清算金と地方譲与税を合わせた税収は、前年度比7.7%、259億円増の3,626億円を見込んでおります。
 地方交付税と臨時財政対策債を合わせた地方交付税等については、来年度の地方財政対策や県税をはじめとした歳入の状況などを踏まえた結果、前年度比10.7%、235億円の減を見込んでおります。
 その他の一般財源のうち財政調整基金については、令和3年度の税収増に伴う交付税精算に対応するため、2月補正で積み立てる予定のものから57億円を活用するものであります。
 特定財源については、コロナ対応に係る経費の増加に伴い、国庫支出金が増加する一方、県債や繰入金の減により、全体で前年度比1.2%、22億円の減を見込んでおります。
 以上により、歳入全体では前年度比0.8%、58億円増の7,567億円となっております。
 資料2ページ「3 一般会計予算の状況」をご覧ください。
 歳出要求額と歳入見込みとの差額が67億円となっており、この差額については、通常分の財政調整基金の取崩しにより対応する予定としております。
 次の「4 主な増減要因」及び資料3ページについては、後ほどご参照ください。
 資料の説明は以上でございます。
 税収の回復が見込まれ、財政調整基金の取崩額が減少してはおりますが、コロナ前からの課題である社会保障関係費の累増等により、県財政は厳しい状況が続くと認識しております。そうした中でも、コロナ対応はもとより、「生き活き岡山」の実現や豪雨災害からの復旧・復興に向け、必要な事業は最大限予算化し、全力で取り組んでまいりたいと存じます。
 私からは、以上でございます。

質疑応答

記者)
 予算でお伺いしますけれども、今回でたぶん8年連続のマイナスになると思うんですけれども、県財政の現状について詳しい受け止めをお願いします。

知事)
 実際に毎年(予算を)立ててみて思いますのが、自由度が毎年毎年狭まっているということであります。一部の自治体のように、なんか見てきたような話ですけれども、借入金を増やしていくということであれば、その増やした分をあたかも自分自身の自由度のように使っていろいろなことができるのかもしれませんけれども、借入金総額を増やさないという、少しでも財政再建を進めていくという方針で(予算を)立てようとすると、実際先ほど申し上げましたように、社会保障関係費がもう常に増えていっている、それが年間3千万円ですとか、3億円でもずっと続いて増えていくというのは怖いことですけれども、それが30億円近く毎年で凸凹ではなくて常に増え続けている、これを吸収していかなければならない。これは、全部我々の自助努力で吸収しているわけではなくて交付税で見ていただいている部分もあるわけですけれども、ただ、全体の中で吸収していかなければいけない。これはもうなかなか辛いものでありまして、この傾向は私が知事になってすぐ始まったことではありません。その前から続いているわけでありますけれども、石井前知事時代は公共事業を少しずつ削っていく、これは長野知事の最後のときに1,500億円を超えていたものを、削りたくはなかったと思いますけれども少しずつ削っていってつじつまを合わせていった。私が引き継いだときには、大体500億円まで下がっていました。これはもう3分の1と思いますし、1,000億円そこで削ったとも言えます。ただ、道路橋梁の新しく作るものは減らすということはあるんでしょうけれども、その維持というものもその予算の中に入っています。維持費というのはこれから増えることはあっても減ることはないものですから、今のこの500億円の水準を割り込んでいくと、それこそトンネルの崩落ですとか、路肩の崩落ですとか、そういったことのリスクを増すことにもなりかねない。これ以上私は削れるような水準ではないと思っておりますけれども、(県庁職員の)人件費を削ってつじつまを合わせていた時期もありますし、岡山県は類似の県と比べても非常に県庁職員の数が少ないということで、よくいろんな県と比較して驚かれるわけなんです、よくその人数でやれますねということなんで、これはもうみんなで工夫しながらなんとか回しているんですけれども、なかなか厳しいなというのが正直なところです。もともとこの資料を見ていただければおわかりかもしれませんけれども、その社会保障関係費が去年(令和2年度当初予算)でしたっけ(一般財源ベースで)1,000億円を超えまして、以前それが700億円台だったり800億円台であったりしたわけですけれども、本当に小さなものからもう最大級の費目になってきている。これ、本当に各県共通の悩ましいところだろうと思っています。

記者)
 今回、県税で法人関係税が相当伸びてはいるんです。ここについては、どのような観点からどう分析されているのでしょうか。

知事)
 これ、例えば市町村の税収の柱が固定資産税であるとすると、その固定資産というのは急になくなったりはしませんし、税率も急に変わったりしませんので、非常に安定をしています。県の場合、法人関係税というのは、これはいろいろな費目があって、変わりにくいタイプの費目もありますけれども、基本的には利益が上がっていただけるものですので、非常に振れ幅が大きいものになります。今回コロナということで、企業活動、大きな制約がかかっているので減ってもおかしくないということで見込んでおりましたが、いろいろな国からの支援ですとか補助ですとか、いろんなことがあったんだと思いますけれども、それぞれの企業、頑張られたということで、今むしろ増える見込みを立てていますけれども、大変不安定なものでもありますし、構造的に高度経済成長期のように企業の利益が右肩上がりでどんどん上がっていくような環境にはなさそうだということは、いろいろな経済関係の学者ですか評論家が言っているとおりでありまして、あまりこれに浮かれてこれが新しい水準だということを思うと、たぶんひどい目に遭うんだろうと思います。国がものすごい歳出をして、企業のてこ入れ、景気のてこ入れをした結果ということでもありまして、きちんとその上がってきたものはいろいろな手当に、これはむしろ借金の返済ですとか、そういったところに充てる部分もあろうかと思いますけれども、引き続き堅実な県政運営に努めていきたいと思っております。

記者)
 今後の知事査定について伺います。知事は先ほど、今回の重点はコロナ(対応)、生き活き岡山(の実現)、豪雨(災害からの復旧・復興)とおっしゃられましたが、今回の収支の状況を見て、今後の査定はどういうところを力入れたいと思っていらっしゃいますか。

知事)
 もともと私自身、大臣査定ですとか知事査定のところであまり大きなものがどんと出るのが、意思決定のプロセスとしてどうなのかという思いがしております。そういうこともあって、私自身、もう夏から始まる、夏、秋、冬とずっと断続的にいろいろな、ここはどれぐらい踏み込むべきなのか、ここはどう変えていくべきなのかという議論には積極的に参加をさせていただいて、私が決めるわけではないんですけれども、私は常に県民代表として、これ、この議論を県民の皆さんが聞いていて、どれぐらい、ああ確かにそうだよねと言って納得されるか、賛同をされるかということについて、私なりの意見を伝えているつもりでありまして、ですから、そういったことで決まったものをひっくり返すようなもう桁が違うような知事査定というのは、そもそもそれまでの議論に対する冒涜だという思いもありまして、実は私が知事になった最初の年の知事査定よりはずいぶん今小さい額の知事査定になっています。どちらかと言うと象徴的な気持ち、私とすればたぶんここは財政面での制約で私も納得の上でこれぐらいしかつけられないなという話になったんだけど、思いとすれば本当にもっとつけたかったんですよという印をつけるみたいな形で知事査定で上乗せをするようなことにこの数年間なっています。私自身、今回もそれを踏襲するような形で、そんなすごい金額がつくわけではないけれども、ここは気になっているんですという、なにか私にとって付箋を付けるような形の知事査定をするつもりです。

記者)
 オミクロン株の猛威で(新規感染者数が)連日過去最多を更新するんですけれど、現状についての知事の受け止めと、今後次の一手を含めて(まん延防止等)重点措置始まったばっかりですけれども、なにか対策を考えておられるのかお伺いします。

知事)
 つい先日、全国知事会のWEB会議に私自身参加をしながら他の知事の意見を聞いてつくづく思ったところでありますけれども、これまでの従来株の波、(第)3波まではそうでしたよね、アルファ株の第4波、デルタ株の第5波、それぞれ知事に思いがあり行動があったわけですけれども、今回は久しぶりにコロナの最初の頃にあったような混乱がもう一度起きているという気がしています。最初、コロナがもう本当にどんなものかよくわからない。いやもうこれ、せいぜいインフルエンザみたいなものなんじゃないか、いやこれもう大変なことだという、そもそもコロナの正体がわからない。潜伏期ですとか、発症する前から感染力があるのか、発症して初めて感染力が出るのかということで対応の仕方全然違ってきますので、いろんなことで意見が合わなかった。国が言っていることに対して、それぞれの知事が、いやちょっと私は異論がありますよという声がいっぱいあります、私もかなり異論を唱えたうちの一人だと思っていますけれども。少しずつわかってきて、対応が揃ってきた。アルファ株になり、デルタ株になり、脅威は増したけれども、対応する方向性についてはだいたい揃ってきていたということだと思うんですけれども、オミクロン(株)になってまたこれがずいぶん様相が変わりました。ご案内のとおり、オミクロン株というのはこれまでとずいぶんタイプが違います。ものすごくうつりやすい、もしくはものすごく世代時間が短い、サイクルが短いという恐ろしい面と、それから意外と重症化しないという面があります。これをどう取り扱えばいいのか、また、これまでコロナは子どもが非常に感染しづらかったので、ちょっと対応が取りやすい面がありましたけれども、残念ながらオミクロン(株)は子どもにもうつっていく、もしくは、子ども同士でうつるし、子どもから親にうつる。これは、これまであまりなかった経路です。これまでは、親から子どもにうつることはあっても、子ども同士、子どもから親にうつることがあまりないということだったのが、むしろ逆になっていますというか、どの方向でもうつるようになっています。これらの対応を非常に難しくしています。このアルファ株、デルタ株ともに感染力強かった、もしくは症状きつかったわけですけれども、飲食店での対応がかなりの効果を見せた。ところが今回は、飲食店での感染割合がこれまでになく小さくなっていて、学校ですとか、家庭もそうです、職場で、学校も大学だけじゃなくて、高校、中学、小学校、幼稚園、保育園でもかなりの感染が出ている。ただ、今の基本的対処方針、まん延防止等重点措置の中身というのは、依然として飲食店の時短中心になっている。これがどの程度妥当なのかということについて、ずいぶん知事の間で意見が分かれています。私自身もここで何度も申し上げましたように、やはりずれていると思っています。オミクロン株の特性と今のまん延防止等重点措置の中身はずれています。飲食店ここまでやらなくていいかもしれませんし、もしくはここまでリソースをつぎ込む必要はないと私自身はもともと思っていますし、学校はもっともっときちんと対応をとらなければいけないと思っていますけれども、仕組みとして残念ながらそうなっていない。岡山県、それを修正するべく国の方針よりは学校に対して厳しくお願いをしていますし、飲食店については比較的お酒を認めるなど、ちょっと緩めのことになっています。ただ、一部の県で、いや、まん延防止等重点措置いらない、それ以外で必要なところで手当てするという方針を打ち出していらっしゃる知事、立派だなというか、すごいなというふうに思いつつ、岡山これだけ燃え上がったときにできることをしないという、私自信がなかったものですから、やれることはやる。ただ、これだけで収まる、収める自信はありません。やはり学校をはじめとした、もしくは職場できちんと対応をとってもらう。それも、飲食店もそうなんですけれども、これまではついたてを立てていればこれで大丈夫ということだったのかもしれませんけれども、それでは足りない。残念ながら、ついたてを立てていても、マスクを外してしまうと感染をしてしまうという事例が相次いでいますので、とにかく換気をきちんとしてもらう、マスクを喋るときにはそもそも外さないのを、この基本をきちんと守ってもらうということが大事だと思います。

記者)
 (オミクロン株の特性と今のまん延防止等重点措置の中身は)ずれているということをおっしゃいましたけれども、早急に国に対しては基本的対処方針の見直しをしてほしいということでしょうか。

知事)
 そうですね。ここについては、私もあまり偉そうなことを言えないのは、そしたらどういうふうに書き直してほしいのか、お前簡単でもいいから草案を出してみろというふうに言われたときに、じゃあこれですよと言って、胸を張って自信を持って素案を出すことができないというのが非常に悔しいところでありまして、それぞれのところできちんと守ってもらうというのはあるんですけれども、県として国としてこういう規制をかけるべきだというのが、なかなか実際難しいところがございます。一つ言えるのは、私は、学校において学級閉鎖、学年閉鎖、休校はもっと機動的にするべきだと思っている。これはもう間違いないところです。今、よく保健所が動いているんだったらそんなに急いで学級閉鎖しなくていいという意見がありますけれども、これはもう完全に間違っていると私は思っています。というのが、保健所が入ってきて検査をしているときに、もうお互いにうつし合っているというのがよくあるパターンですので、もう調べている余裕がないんです。もうとにかくわかった時点で切り離して、お互いにうつさないように数日間、オミクロン(株)の場合は症状が出る2日ぐらい前、そもそも潜伏期間が2日ぐらい、2日、3日しかないそうですけれども、その2日前から、もしくは症状が出て2日後、その短い期間にすごい盛大に出てその後はかなり落ち着くそうですから、とにかくその期間、他の人と接触しないようにするというのが非常に大事だと思っています。今の学校での対策は、子ども同士うつらなかったタイプの株に適用したやり方で、ここは早急に変えなければ学校での今のあの盛大な感染は止められないと思っています。

記者)
 学校の対策ですけれども、先日県教委が示した方針、出していますけれども、市町村によってはなかなかそこは難しいという判断をして、まちまちになっている現状あると思いますけれども、それに対して今後県としてはどのように働きかけていくのでしょうか。

知事)
 実際、学校で盛大にうつしていると言っても、その全ての活動が等しくリスクが高いわけではありません、もう当たり前ですけれども。やはり部活動、スポーツ系の部活動で感染事例が集中をしています、もしくは演奏ですとか。結局のところ、マスクを外す、外さざるを得ないような活動で、かつまた息が上がる、普通にじっとしているときよりも喋る方が拡散しますし、心拍数が呼吸数が上がっているときの方が、もしくは声を出すときの方が格段に感染の可能性が高まる。それを近くでマスクなしでされてしまうと、もうこれは誰か一人感染者がいればもうべたっとうつってしまう、これはもう当たり前の話でありまして。こういったリスクをいかに取らないようにするか、これが本当に大事だと思います。また当たり前なんですけれども、毎日毎日きちんと守ってくれているのに、なんというか、その自覚がないというか、やんちゃな子どもたちが数名いて、いやいやこれはうつるだろうみたいなことをうわっともう5分でも10分でもされてしまって、そこにたまたま感染者がいたらうわっとうつってしまうという。ずっときちんと見ておくというのが実際なかなか難しいところはありますけれども、そういったリスクをいかに抑えていけるのか、今はもうとにかく基本的にも部活動はしないということでリスクを抑えていく。いろんなやり方がありますけれども、一部の学校では今、交代交代でクラスを二つに分けて、午前中のグループと午後のグループ、それぞれお昼ご飯はおうちで食べていただいて来るということになると、お昼の時間にマスクを外して感染しあうリスクもぐっと減りますので。とにかく、普通に黙って授業を聞いている、当てられたときに手短に答えるぐらいのことであれば依然として非常にリスクが低いわけでありますので、いろんなやり方で学校でのリスクを減らしていく。職場でのリスクというのはずいぶんコントロールが利いているケースが多い、大人ですし、多いというふうに理解していますけれども、学校はこれまであまり注意されてこなかった、対策の必要がなかっただけにいろんなことがぬるいケースが今目立っているように思います。

記者)
 JRの総務部門の広島への集約の話で、前回の会見では、報道ベースであって直接聞いていないという話だったんですけれども、経営陣に対しての要望のときにその話をされたと思うんです。それについては、県としてはどのような話を、JRの総務部分の集約については話を聞かれたのでしょうか。

知事)
 我々として対話の窓口が地元からなくなってしまうというのは、これは大変残念なことであって、集約をどのような形でするかというのは、これは民間企業であるJR西日本さんの経営判断によるところではありますけれども、ぜひきちんと地元対応の窓口は地元に残してほしい、これは我々からすると最低限のお願いでありますけれども、それについては今、その場で答えを得たというんじゃなくて、いろいろな形でコンタクトを取る中で、地元に残しますという、もしくは地元対応はこれまでと同じくしっかりやっていきます、地元でやっていきますということは聞いているところです。とにかく我々とすれば、いろいろな会社が、例えば飲食店については今協力金が支払われているですとか、いろいろな形で影響を受けている会社、事業主に補償が行く中で、実はJR西日本ですとか、JALですとか、ANAですとか、そういったところにはきちんとした補償が届いていない。私自身、そこそこ規模の大きいところが非常に割を食っている、だいたい定額で、例えば飲食店についても、2人でやっているところもなんか50人でやっているところも同じようなお金だとこれはちょっと規模が大きいところはもうとても回らないということを言いましたし、それに対応した補助というのを私一度出しましたけれども、それの一番今回の被害者がある種JR各社でありまして、そういう生き残りの中での対応という面もよくわかります。ただ、そのしわ寄せが、それぞれの地域のJRが非常に生活の中の大事な部分を占めている人たちのところに行くのがどうなのか。岡山県とすれば、正直それは避けてほしい事態でありますので、ちょっとその狭いところで最適化を図る、生き残りだからしょうがないんだということではなくて、もう少し広い視野でどういうふうにしていくのか考えなければいけないと思っています。

記者)
 地元対応は残すとのことですけれども、地元対応というのはなんでしょうか。

知事)
 例えば総務部ですとか、広報だとか、我々がなにかJRさんに対して、ここはお願いします、これはどうなんですかという申し入れですとか、相談ですとか、問合せのときに、例えば極端な話、全部いや広島に問い合わせてくださいとか、いやいやこれはもう全部大阪の本社に問い合わせてくださいというと、かなり敷居が高くなってしまいます。現場は実はなにもわからないんです、もう言われたことをやるだけなんですということになるのは、これは、我々としても一緒にいろんな前向きのことをやりましょうというときも、そこに窓口がない、相手をできる人がいないというのは、これはもう本当に残念なことでありまして、デスティネーションキャンペーンですとか、もしくはそれぞれのいろんなイベント、やっぱり地域を盛り上げていって鉄道を使ってもらってというときに、全部大阪(本社)と話をしなければいけない、これは大変やりづらくなる、これはもう明らかですので。ぜひ岡山にいらっしゃる方と一緒に話ができる、これまでずっとそうだったわけでありまして、これからもそうであってほしいということです。

記者)
 衆院選の区割りの話をお伺いしたいんですけれども、全国の都道府県知事からの意見が集約されまして、定数減に反対された伊原木知事と同様に、地方の活力の低下を懸念する声が数が多かったという報道が一部されていると思うんです。そのことについて、受け止めを詳しく。

知事)
 議会というのは、それぞれの思いのある人を集めてみんなで話し合うわけですので、一番極端な話で言えば、ボストン・ティーパーティー、アメリカ独立のきっかけになった事件だというふうに言われますけれども、代表者が出ていないのに課税だけイギリスの王様から一方的に伝えられる、いやこれはひどいじゃないか、我々もイギリス連邦の一員としてなんらかの役割を果たすということについて文句を言うことではないけれども、こんな一方的な形では許せないよという、代表なくして課税なしという有名な言葉がそのときにできたそうでありますけれども、我々そういうことで、国の一員として税金も出す、給付も受ける、そういう関係でやっているわけです。その代表が出せるかどうかというのは大きな話でありまして、代表は当然ながら多い方がいいわけなんですよね。もしくは比率は高い方が我々の思いが届きやすくなるということですので、減らされるときに歓迎する地域の人が本来いるわけはないわけです。ただ、それはもうみんな一緒ですので、ですからどう折り合いをつけるかということだと思うんですけれども、減ること自体については歓迎するのか、反対するのかということで、嫌がるというのはこれはもうある種当然の反応だと思います。

記者)
 新型コロナについてお尋ねします。岡山県がされている感染の不安があるという方向けの無料検査についてですが、今日から当面休止となるということで、あらためて休止を決められた理由を教えてください。

知事)
 私自身、感染に不安がある方が検査できることで安心できる、これは一つのいいやり方だなと思って始めたわけです。また、実際始めてみれば、検査をされた方の陽性率がざくっと1%でありまして、これは実はかなり高い数字です。これまでそういったある種ランダムに近いような形で検査をしたときの陽性率、非常に低かったわけでありまして、あまりそれ自体に意味が見いだせないという議論も多々あったわけですけれども、今回はこれまでいろいろあった中で一番陽性率が高い。ざくっと言えば、今ここでランダムに検査をすると陽性率はたぶん1万分の1ぐらいです。1%というのは100分の1ですから、かなり濃縮されているという、これは新たな感染者を見つける上でなかなかいいなと思っていましたけれども、その後急速に事態が変化をいたしました。もともと潤沢にあるということでこの仕組みが始まった抗原検査キットが急速に、確かにこれ、かなりのお金を払って使うのと無料というのだとそれはもう当然、需要と供給のカーブで言えばぐっとこう極端な方に振るわけですから、ものすごいこの需要が出てきて供給が追いつかなくなる。実際現場でなにが起きているかというと、検査に行きます、検査に行ったときにPCR検査だと翌日か翌々日ですよ、抗原検査だったら15分で結果が出ますよ、抗原検査の方が安いですしいろんな意味でいいわけなんですけれども、その抗原検査キットがない、抗原検査キットがないのでPCR(検査)である必要はないんだけれどもPCR(検査)、もうそれしかないんだったらPCR(検査)お願いしますということで、PCR(検査)を頼むとなると、PCR検査の方はより貴重な検査でありまして、その検体が行く先は全部が全部じゃないんですけれども、行政検査をしている検査機関のところに余分に乗っかっていく。第4波、第5波のときに東京、大阪であったような、症状があってこれはもうたぶんコロナの人だろうなという人で、その人のPCR検査が翌日に戻ってくるんじゃなくて、翌々日もしくはその次の日になってしまうということが、実は岡山でも起き始めています。これは、以前であれば、第4波までであれば、いやこれやきもきしますよね、とにかくホテル等で療養しておいてくださいということで、あまり結果に変わりなかったかもしれないんですけれども、今はものすごく大事な意味を持っています。なぜかと言うと、ゼビュディ、中和抗体薬、この中和抗体薬が第5波のとき、これはロナプリーブでしたけれども、もう大活躍をしました。今回ロナプリーブは効かないので別の薬を使っていますけれども、これが5日以内に、症状が出てから5日以内に投与できれば顕著に重症化を抑えることができますけれども、これは増殖を抑えるタイプの薬ですから、うわーっともう目一杯増殖した後にその薬を入れても、もうあとできることがない。そのウイルスを殺してくれるわけではありませんので、その1日1日がものすごく大事なのに、(PCR検査の結果が)その翌日ではなくて翌々日、そのあとに来て、うわー残念でした、これ翌日に来ていれば(中和抗体薬を)打てたわけなのに、その検査結果が遅れたためにゼビュディ打てませんでした。ああやはり重症化しましたかというのも本当にもったいないし、申し訳ない、その原因がいやちょっと不安だからって言ってうわーっと出てきた検体を調べるためだと。今実際、行政検査の陽性率というのは10%を超えています。20%近くなっているかもしれませんし、超えているかもしれません。これはかなり間違いなさそうだな、でも20%とはいえ、20%ということは80%は陰性なんですよね。その段階で、この人高リスクだからと言ってゼビュディは打てません。ゼビュディ、非常に貴重な今足りるか足りないかというぎりぎりのところで回している薬ですので、まあ2割、これまでのことで言えば2割この人は陽性なんだからとりあえず念のため打っときましょうと言ったら、ゼビュディが5倍必要になってきて、それはできません。なので、(コロナ陽性が)確定しないとゼビュディ打てないけれども、確定が遅れたらそもそもゼビュディが間に合わない。そこを最優先するためには申し訳ないけれども、ちょっと不安だなという方が検査に行ってPCR(検査)を使うというのはここは今は待っていただかなければいけない、こういうロジックでありました。申し訳ないわけなんですけれども、とにかく重症化しなくて済む人を重症化してしまう、死ななくていい人を殺してしまう、これを最大限防ぐために仕方のない措置だとご理解いただきたいと思っています。

記者)
 優先すべきことがあるというのは重々承知なんですけれども、昨日も多くの方が薬局に来られていて、感染に不安があるという県民の方が多くいらっしゃることも事実だと思うんですけれども、その県民の安心を守るための手立てというのは別に県としては考えられているんでしょうか。

知事)
 これ、ニューヨークで一時言われたわけなんですけれども、検査をするためにざあーと並んで、特に屋内で固まって並んでいるときに感染が起きたという、そうとしか考えられない事例がいくつか報告をされています。先ほど学校についても、登校してもらって検査をしているうちに、その日のうちにお互いうつし合ってしまうっていうこともあると言われています。今これだけ誰が感染しているかわからないときに、調べに行くこと自体がリスクになったりもします。実は自宅で安静にしていただいているというのが、ある種一番安全なところです。症状がある場合には、これは発熱外来に行っていただきます、それは行政検査でチェックをしてもらいます。症状がない場合には、実は陽性が確定しても確定しなくてもやれることは一緒です。ですから、ここはとにかく心配な方は自宅にいていただく、症状のある方は発熱外来に連絡していただく、もうこれをお願いしたいと思います。

記者)
 濃厚接触者、県ではリスクの高い方を除いて検査を行わずに10日間自宅療養という体制ですけれども、7日間に見直しという動きなんですけれど、こちらの運用については今、県としてどう考えているか伺います。

知事)
 今、県としてどうするかというのは結局、国のガイドラインどうなるかっていうこと、これが出れば県もそれに従うということを考えています。まだそれについて、保健福祉部長と私自身は擦り合わせていませんので、ここでこうなんですというふうにはっきり申し上げられませんけれども、もともと14日間だったものが10日間になった、それが科学的なきちんとした根拠を持って7日間にできるのであれば、それはもう私とすれば歓迎であります。このオミクロン株、先ほど申し上げましたように、世代時間、サイクルが非常に短い。うわっと出るし、うわっと収まるというタイプのものだそうであります。あともう一つは、個人差があって、いろんなデータとか見ても速い人は速いけれども、ほんの数%、結構長く引っ張る人がいる。そういうことがあるから念のためちょっと長めにという議論もあったんだと思うんですけれども、例えば水際対策をしていて、オミクロン株の患者を一人たりとも入れてはいけない、外に出していけない、火種、枯れ草にマッチを放り込むようなことをしちゃいけないというときには念のためっていうのは非常に大事な考えなんですけれども、これだけ広まってしまって、特にエッセンシャルワーカーの職場が回らないみたいなときに、ほんのちょっとの最後のテールリスクを気にしているよりは、もうそもそも自分でも自覚していない感染者が今いろんなところにいらっしゃるぐらいですから、そのリスクよりはそれぞれの大事なところは回していこう、マスクをしながらその人がまだわずかにウイルスを排出していたとしてもそれが次の感染につながらないようにしようっていうのは、私非常に合理的な対応だと思っています。私、その考え方に賛同をしています。

記者)
 先日、総務省の方から2021年の人口移動報告が出されていましたが、これ岡山県の場合で見ると3千人超の転出超過ということになっているんですが、なかなかコロナ禍で地方回帰というふうに言われているんですが、それが岡山にまで波及していないというような結果になっているんですが、これについてはどういうふうにお考えでしょうか。

知事)
 まだまだ力不足だなということ。私は岡山だけ取り残されているのかなと言ってちょっとびっくりして数字を見ますと、だいたい全国的にそういう傾向が続いている中の岡山県ということで、特に岡山だけひどい目に遭っているわけではないと認識していますけれども、ずいぶん東京への一極流入がちょっとずいぶん勢いが変わってきた、月ごとで言えば、流出をしている月も多いですし、23区だけで言えば初めて流出に転じたということで、これは地方からすれば少し勇気づけられるような結果ですけれども、実際流出先をどこなんですかと言って見てみると、ちょっとじわっと外に染み出たみたいな感じですよね。受け皿とすれば、千葉だったり神奈川だったり埼玉だったりということで、まだまだ力不足を感じています。もしくは、非常に率が高く東京から受け入れているというところは、これまでそんなに受け入れていなかったところが分母が小さいところに数十人でも来れば率がどんと上がるみたいなことであります。岡山はもともと、かなり出もするけれども結構入ってきてくれるタイプの県でありますので、そこに数百人乗ってもそう大勢に影響がないということであります。とにかく転んでもただで起きない、なんらかの風をうまく利用するということで言えば、岡山県、気候もいいですし、災害の心配も比較的少ない場所でもありますし、これからもリモートワークで岡山に住みながら仕事を続けませんかですとか、2地域居住で岡山使ってみませんかですとか、いろいろな提案をしていきたいと思っています。

記者)
 JR関係を追加で一つ確認をしたいんですけれども、JR経営陣に対してダイヤ改正の見直しについても要望されました。当時の会見でもおっしゃったんですけれども、あらためてその感触というか、ダイヤ改正の要望に対しての感触をこの会見でももう一度お願いできますでしょうか。

知事)
 我々(中国地方)5県でのお話を中国地方知事会の会長からお話申し上げて、それからそれぞれの県でそれぞれの知事が個別のお話をした後の長谷川社長のお話については、個別にどうこうということではなくて、いかに今、JR西日本さんが厳しい状況に立たされているのか、その中で安全運行を堅持するためにここは削っちゃいけないという、ここは絶対に守らなきゃいけないというところはあるんだと、それ以外については本当に大胆に考えていかなければ本当に会社自体が倒れてしまう、もうそんな厳しい状況の中でこのようなことを考えざるを得ない状況であるという、そんな簡単な話じゃなくていろいろなことを説明されましたけれども、短くまとめるとそういうお話でありまして。なかなかJR西日本さんと言えども、厳しいんだなと。よく島会社、北海道、四国、九州のJRがなかなか厳しいんだ、特に北海道については本当に厳しい、これは長谷川社長が言われたことではなくて一般的な知識としてですけれども、JR北海道については安全に対する、安全運行を維持するための経費すら削っていたのではないかということが言われておりまして、それで事故があんなに増えたんだ、そもそもJR北海道は一連のそういったここは削るべきなのか、ここは削っちゃいけないのかどうのこうの、事故の責任問題といろんなことの中で現役の社長が自殺をされるという事件が数年前に起きたところでありまして、本当にこのぎりぎりの中で苦労をされている。そこにコロナが襲って、国からもしくは自治体から十分な補填はされていない、これは知識として私自身も知っておりましたので。ただ、そうは言っても、JR東日本さんとJR東海さん、JR西日本さんは大都市圏をお持ちであったり、もしくはドル箱の新幹線をお持ちであったりして、ちょっとほかのJRとは経営体質が違うということでありましたけれども、そのJR西日本さんでもここまで厳しいお話を社長がされなければいけないぐらいなのかということは、私自身もちょっと驚いたところであります。個別について、ここを見直します、考えますという話はありませんでした。

記者)
 確認ですけれども、そのような中国地方知事会として見直しを要望されましたけれど、その実現はなかなかやっぱ厳しい現状だという知事の受け止めでしょうか。

知事)
 我々が申入れをした結果、すぐに結果が出るということ、この可能性は高くなさそうな印象を受けました。ただ、だからと言って申入れをしたことが無駄だったかというと、私は全くそうは思いません。JRさんがその生き残りのためにいろいろな提案ですとか、計画をされる、そこに、ああそうですか、それはJRさんしょうがないですねと言うと、JRさんからするともうここはOKなんだっていうことになって、それぞれの地域がいやこれは困っているんだというふうに切実に思っていることが伝わらないわけでありますので、JRさんの理屈はそういうことなんだろうけれども、地域はまた別の理屈があってそれは非常に地域からすれば困ることなんだっていうことをきちんとお伝えをする。これは、これまでも事務方ベースですとか、いろいろお伝えはしてきているんですけれども、こういう形で直接トップに伝えるというのは、これは私は意義のあることだと思っています。

記者)
 今のお話にあったように、JRはじめ事業者さんが厳しいという状況ある中で、岡山県としては、来年度の予算の要求の中でパーソントリップの調査事業だとか、あとネットワーク改善事業だとか新しい取組もご予定されていると思うんですけれども、あらためて知事として、公共交通というものの意味だとか、岡山県、マイカーの利用は多いと思うんですけれども、どういったところに意義があるというふうにお考えでしょうか。

知事)
 公共交通の問題、本当にいろんなところで問題が噴出をしていると思っています。そもそもで言えば、そもそもで言うことがいっぱいありますけれども、日本は公共交通からするとかなり恵まれた場所だとよく言われます。というのが、この比較的狭い国土に世界でも何番目という人口が住んでいて、かつまた所得水準も最近ちょっと停滞気味ではありますけれども、それでも先進国としての水準でいる。多くの国でいろいろな公共交通と言われている鉄道であったり、バスであったりというのが、採算がそれだけでは取れずに、軍が使っているから一緒に乗せてもらうだとか、もしくは国のサービスとしてなされているということが意外と多い中で、東京、大阪の私鉄みたいなことがうまく経営が回っているですとか、これは本当にある意味素晴らしいことだと思います。ただこれが、少しずつ人口が減っていって、経営が難しくなってきています。また、車というのももともとなかったものですし、日本人にとってもずいぶん贅沢品だったわけですけれども、これは本当にこれがフォードさんのおかげなのかトヨタさんのおかげなのか、非常に普通の人でも乗れるようになってきました。車を前提に街づくりが進められ、特に大都市の郊外圏はアメリカ型の、車があっての通勤通学というようなことになってきましたけれども、実際それが経済的に回らなくなってきたり、もしくは車の運転ができなくなったりということで、非常に難しくなってきている。これは公共交通というよりも移動ということですけれども、移動手段と住み方、どこに住むかというのはもう密接に結びついています。これまで前提をしていたバス会社、鉄道会社、これは私鉄であれ国鉄だったりJRであれ、非常に儲かりやすい状況なんだというところを前提に組み立てたり、もしくは自分で車も運転できるという、この便利さを前提につくってきた街が今うまく回らなくなってきています。新しい住み方、新しい移動の仕方で、それは利益を出しながら回していくのか、それとも利益が出ないからなんらかの形で税金を入れて回していかなければいけないのか、ここは本当に地域によって解は違う、東京での解とそれ以外の地域での解も私は絶対違うと思いますし、そこの変化のスピードにいろいろな仕組みが全く追いついていってないということだと思います。これからもまたその解に必要な技術が変わってきていますので、例えば我々の頭の中で言えば、タクシーはちょっと贅沢品で、バスというのは贅沢でもなんでもないものという印象がありますけれども、実際のところバスもタクシーもある種似たようなものなんです。なにかというと、例えばタクシーについて言えば、なんか車代とかガス代がすごいコストの大きなところを占めているように思えるんですけれども、実際、タクシーのコストの大半は人件費です、今日本は人件費の高い国になって機械が安い国ですから。ですから、タクシーの代金というのは結局、運転手の代金です。バスもタクシーも運転手一人という意味ではほとんど一緒ですので、バスで、今街中走っているバス、もうご覧いただければ、10人以上乗っているバスなんてめったに見ることはありません、大抵2、3人とかですから。あんなずうたいがでかい重いものを回しているというのは、実はかなりもったいないことでありまして、それだったらジャンボタクシーみたいなもので十分だったりするんですよね。そこら辺の意識、もしくは無駄、これはJRの岡山支社の方で説明があったときも、電車、鉄道というのは非常に地球に優しいというふうに言われるけれども、さすがに空の電車を走らせて地球に優しいなんてことは一切ないんだと。(乗客で)ぎっしり埋まればすごく優しいけれども、1人、2人乗せているんだったら、よっぽどタクシーがなにかに、自家用車に乗っている方が優しいわけであって、そこはずいぶん前提が違ってきているという、私その話はそのとおりだと思います。ですから、どういうふうにこれからいろいろな住む場所も含めて考えていくのか、ここは本当にそれぞれの地域地域での解決策を考えた上でつくっていく。なにか上からこうあるべきだ、どんと言ってそれを当てはめると全部きれいに解決するということには、残念ながらそれぞれの状況があまりにも、特に人口密度があまりにも違うので難しいかな。ただ、だからと言って諦めるわけじゃなくて、自動運転になると今度は人件費がいらないですとか、いろんなことが変わってきますので、努力していかなければいけない、工夫していかなければいけないところだなと思っています。一番よくないのが、今の無駄がいっぱい、工夫の余地がある状態を放置したままそこに足りない分だけお金を入れていくと、これはもう税金がいくらあっても足りないということなので、それはやってはいけないと思います。

記者)
 住み方と合わせて移動のニーズを探られるのが来年度の事業ということでしょうか。

知事)
 我々としてもどういう可能性があるのか、もうよく言われる話が、富山市で退任された森前市長が、大体小さくすることが多かった路面電車を新たにつくる、その路面電車の近くにどんどん人を集めていく、路面電車を便利にしていくという、これがうまく富山市についてはいったと。海外で言えば、もう10年以上も同じ話ばかり聞いていますが、(ブラジルの)クリチバ市という市が、やはり便利にした公共路線に家を寄せていく、そういうことで成功している。やはり、ここだったらバスが必ず来る、ここだったら必ず(路面電車が来る)、路面電車の方がバスより逃げにくいという感じがしますから、安心感がありますから、そこに家を寄せていく。今ある人に強制的に移る、これはいけないですけれども、なにか結婚して新しく家つくるんだったらこの横ということで、10年、20年かけて寄せていくというのが、私は一つの解決策だろうと思います。

司会)
 それでは以上をもちまして、知事定例記者会見を終了いたします。

知事)
 ありがとうございました。

2012年の記者会見