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2022年2月15日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0764152 2022年2月16日更新公聴広報課
会見写真

令和4年度当初予算案の概要について

 私からは、令和4年度の当初予算案を取りまとめましたので、その概要をご説明いたします。
 まず、要求段階からの変動についてご説明いたします。お手元資料1「令和4年度当初予算要求額からの増減」の「一般会計の計」をご覧ください。要求段階から約4,000万円の増となり、予算額は7,634億円となっております。
 2ページには、先般の予算総括協議会等での議論も踏まえ、私が追加した事業をお示ししております。事業の追加にあたっては、「生き活き岡山」の実現に向け、一層力を入れたい事業を中心に検討したところでございます。
 (1)番の「部活動指導員配置事業」では、教員の負担軽減と部活動の活性化を図るため、地域人材等を活用した部活動指導員について配置人数を拡充いたします。
 (2)番の「異業種展開・企業間連携支援事業」では、急速に進むEVシフトに対応するため、県内の自動車関連企業の異業種展開や共同研究開発につながるよう、企業間連携への支援を拡充いたします。
 (3)番の「子宮けいがん予防啓発事業」では、子宮けいがんの予防に関する正しい知識の普及をより進めるため、広報メニューを拡充いたします。
 (4)番の「岡山県パーソントリップ調査事業」では、県民の移動ニーズと現在の交通体系のミスマッチを洗い出すための県内全域を対象とした調査についてより精度の高い結果を得るため、調査対象世帯数を拡充いたします。
 (5)番の「二地域居住等の推進」では、コロナを契機とした地方への関心の高まりを受け、将来的な移住へのステップアップとして二地域居住等を推進いたします。
 (6)番の「岡山県フューチャー・デザイン活用事業」では、従来の手法や考え方では解決が難しい中・長期的な課題について、「将来世代」の視点を取り入れたフューチャー・デザインの手法により課題解決を図ってまいります。
 続きまして、お手元資料2「令和4年度当初予算のあらまし」をご覧ください。
 1ページですが、令和4年度当初予算の規模は、一般会計で前年度比0.5%、36億円増の7,634億円となっております。
 6ページをご覧ください。来年度当初予算では、財政調整基金を67億円取り崩すこととしております。
 7ページには、今後の財政見通しとして、向こう5年間の試算をお示ししております。税収増が見込まれ、財政調整基金の取崩しは一旦減少するものの、社会保障関係費の増加幅が大きくなる見通しであることから、今後は60億円から80億円程度の取崩しとなる見込みであります。
 11ページをご覧ください。コロナ関連予算は、これまでの累計で3,083億円となっております。
 12ページをご覧ください。「感染拡大防止策と医療提供体制の整備」についてでありますが、重点医療機関における病床の確保に対する支援や宿泊療養施設の借り上げ、自宅療養サポートセンターの運営などに引き続き取り組んでまいります。
 13ページをご覧ください。PCR等検査無料化事業や県営接種会場の設置などワクチン接種体制の確保、学校等における感染症対策にも引き続き取り組んでまいります。
 14ページをご覧ください。「地域経済の維持と事業の継続のための支援」についてでありますが、県内企業のデジタル化の推進や事業継続の支援に取り組んでまいります。また、国の補助制度を活用した「おかやまハレ旅キャンペーン事業」など、感染状況を注視しつつ、観光需要の喚起にも取り組んでまいります。
 15ページをご覧ください。豪雨災害関係予算についてでありますが、応急仮設住宅からの転居費用の助成ですとか、孤立防止のための見守り等の支援のほか、末政川、砂川、高梁川などにおいて、再度災害防止のための改良復旧工事の早期完了を目指してまいります。 
 16ページをご覧ください。来年度予算額を「第3次晴れの国おかやま生き活きプラン」の重点戦略ごとに記載しており、合計は1,374億円となっております。
 18ページをご覧ください。「教育県岡山の復活」についてであります。主な重点事業でありますが、「私立学校の安定的な経営のための私学助成拡充」では、授業へのICT活用に要する経費の支援など、私学助成を充実いたします。また、公立学校に対しては、放課後等の補充学習へ支援員を配置し、学習内容の定着を図る「主体的な学びの基盤づくり事業」や「部活動指導員配置事業」に取り組んでまいります。このほか、スクールソーシャルワーカーによる支援体制の充実を図るとともに、引き続き集中指導員等を配置し、不登校や問題行動等の課題にも対応してまいります。
 19ページをご覧ください。次に、「地域を支える産業の振興」についてであります。主な重点事業でありますが、「ウィズコロナに対応した販路開拓支援事業」では、個別斡旋や各種商談会の開催など、発注企業・受注企業それぞれのニーズに合った手法により販路開拓を支援いたします。また、県北地域で盛り上がりを見せるアートを切り口としたアートプロジェクトの令和6年秋開催に向けた準備を進めるなど、観光振興にも取り組んでまいります。
 20ページをご覧ください。「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」に基づく流域治水の推進など、国の経済対策に呼応した施策については、主に11月補正予算(経済対策分)として編成したところであり、来年度予算と一体的に執行してまいります。
 21ページをご覧ください。デジタル化関連予算について取りまとめております。行政のデジタル化と合わせ、教育や産業、福祉など各分野においてデジタル技術やデータを活用し、社会全体のデジタル化を推進してまいります。
 令和4年度当初予算案の概要は、以上であります。
 来年度もコロナ対応は続きますが、豪雨災害からの復旧・復興、第3次プランの目標実現に向けた施策にも着実に取り組んでまいります。本県の財政状況、厳しい状況が続きますが、限られた財源や人的資源をより効率的・効果的に活用し、国や市町村、関係団体等とも連携しつつ、職員と一丸となって、「生き活き岡山」の実現に向け、全力で取り組んでまいりたいと存じます。
 私からは、以上でございます。

質疑応答

記者)
 知事、最後にもおっしゃっていただいたんですけれども、あらためて来年度の予算、込めた思いでありますとか、力を置いたポイント、知事の思いを聞かせてください。

知事)
 今、本当にコロナ対応で頭がいっぱいになりがちでありますけれども、県政の課題、それぞれあるわけでございます。コロナ、いずれ収束させなければいけません。収束したときに、いやあそう言えば人口減少の問題、インフラの維持・整備ですとか、教育の問題ですとか、もうありとあらゆる問題について、2年半なのか3年間なのか、1回休み、2回休みになっていたということにはしてはいけない。我々実はこの2年間についても、意外と着実に水面下で、もしくは、例えば人が集まったりしてわかりやすく数字が出るようなことになっていないけれども、基礎的な実力はつけているということを別のデータで確かめつつありますけれども、とにかくようやく収束したというときに、きちんとそれまで動いていられる、もしくはそこから実際、例えば海外から観光客が来てくれるですとか、いろいろな往来がまた始まったときに、いいスタートが切れるように、もしくは、振り返ってみると、あのときはああいうことをするチャンスだったな、人が動いていないからこそできた時期にすべきことをできたなというふうに振り返ることができるように、いろいろ知恵を絞ったつもりです。コロナを言い訳にしない、そういった作戦を込めた予算だと思っています。当然ながら、もう何度も申し上げますけれども、コロナ対応について、予算が足りないので、いやもう絶対にこれは必要だと思っていたけれども、すいませんこれはできませんでしたということにはならない。これはもう国がしっかりバックアップしてくれているので、それぞれの県ができているわけですけれども、それから豪雨災害からの復旧・復興にもしっかり着実に、引き続き取り組んでいく。そういった2正面作戦、3正面作戦ではあるけれども、そういった制約が他の分野に悪い影響を極力与えないように、そういった予算にいたしました。

記者)
 今回の予算、知事、ひと言でネーミングを付けるとしたら何予算と言えるでしょうか。

知事)
 コロナに負けないための予算、コロナに対応しつつも、コロナ以外のところにも目を配った予算だと思っています。ちょっとあんまりいい名前じゃなくて、すいません。

記者)
 新型コロナ対応では、医療体制整備、ワクチン接種の推進とか、それに加えて企業のデジタル化、ポストコロナを見据えた施策も多く盛り込まれていますが、今回予算のコロナ対策について、知事の狙いと思いをお願いします。

知事)
 コロナ対策についてはまず、手堅くやるべきことをするということだと思います。あと、コロナについては、予算で特徴を出していったというよりも、我々コロナに関して、もう何度も申し上げていますけれども、東京都でコロナ対応をするのと、東京、大阪でするのと、岡山のようなそこから少し離れたところでするのと、北海道、沖縄みたいな特殊な要因がある場所でするので、全然違うと思っています。国の基本的対処方針、ずいぶん2年前と比べれば、きめ細かくそれぞれの地域の特徴に合わせて対応できるようにはなっていますけれども、そうは言っても、国全体というのと地域、ずいぶん違います。我々も、別に目立とうとしているわけでもなんでもないんですけれども、岡山の特徴、これは強み、弱み両方あるんですけれども、に合わせた対応にしています。例えば、長々言いませんけれども、ワクチン接種については、どこに住んでいてもどこでも受けられるようにしているですとか、1回目、2回目のときに、特に高齢者接種について、国は集団接種をメインでやるということで考えていましたけれども、いや高齢者の場合は個別接種、かかりつけ医でやった方がいいだろうということで、我々かなり違うアプローチを取ったですとか、それぞれの、我々がこっちの方がむしろいいんじゃないかということで独自にやった部分もあります。オーソドックスにやったところもあります。それがきちんと資金面で裏付けが取れるように、そういう予算、予算というのは兵站、ロジスティクスの一部ですので、計画はいいんだけれども、予算面の裏付けがなかったから絵に描いた餅になったということにしない。これまで2年間もそういうふうにしてきましたけれども、それをきちんと進めるということであります。コロナについてなにか予算面でここをアピールする、実績にしようというよりも、今やっていることをきちんとサポートするという観点で組んでいます。

記者)
 コロナ対策では国庫(支出金)とは言えかなり膨らんでいて、県の財源にもかなり影響を与えると推測されるんですけれども、その一方で、教育再生、産業振興とかそういう重点事業が前年度の事業費ベースではかなり減っているという印象を持っているんです。そこに対しての思いと、あと、どういった厳選をして今回の重点事業に関わるものを組み上げたというのはありますでしょうか。

知事)
 コロナ対応、これは現在累計で3,000億円を超えた状態になっていますし、豪雨災害からの復旧・復興、これもすごい金額、累計で挙がっています。豪雨災害の方も単純計算で1,600億円を超えている状態ですけれども、これは当然決算をするとそこから下がったりもするんですけれども、多くの場合国費が充てられていますので、直接我々の予算に重荷になっているわけではないんですけれども、当然ながら圧力がかかっているのはこれはもう事実です。ただ我々、それだから今回この生き活きプランの重点戦略の予算が減ったということと、実はこっちの方でコロナ、防災が重い、復旧・復興が重い、重点事業を立ち上げてみると減っているということで、なんか直接、私だってこれ見たらこれで減ったのかなというふうに自分でも思ってしまうわけなんですけれども、実はそれぞれのプランの重点戦略の事業、重点戦略の「1教育県岡山の復活」「2(地域を支える)産業の振興」「3(安心で豊かさが実感できる地域の創造)」、それ以外の地域の振興について、減ってはいるんですけれども、例えばこの県庁の耐震化がずいぶん進んだということで21億円減ったですとか、復旧・復興の激甚対策、激特事業の方で9億円減ったですとか、ある種事業が順調に進捗して計画通り減っていることを反映している部分も多々あるところでございます。例えば大きいので言えば、重点戦略2のことで言えば、コロナ対応の利子の補助金の減、これが22億円以上減になって、これは必要性がずいぶん減っているということですので、我々の方でその二つは直接は結びついておりません、ただコロナと復旧・復興というよりも、社会保障関係費が毎年、毎年30億円程度増えていっているということがなかなか吸収しづらい。それと、全部我々の自助努力で吸収しているわけではありません。そこも交付税算定していただいているんですけれども、全部はカバーしていないということで、石井前知事時代に1,500億円以上あった公共投資を少しずつ少しずつ減らしていって、私が知事になった頃にはそれが3分の1程度、500億円程度になっています。そういう石井前知事もそこを下げたくはたぶんなかったと思いますけれども、そういうことでなんとかつじつまを合わせてきた。私のところで、その公共工事500億(円)はこれ以上なかなか削れない。維持、修繕というところもずいぶん増えていますので、人も減った状態で今、回しています。なかなか新しいところに大きくつけるということが、借金をどんと増やすつもりであればまたいいんですけれども、我々借金が増えすぎてその対応をする中で、いろいろな副作用、これが治安の悪化であったり、教育水準の低下だったりということがあったのではないかというのが私の仮説、データを見るとそうとしか見えないんですけれども、ですから、なかなか苦しいやりくりになっているのは事実です。

記者)
 知事査定、4,000万(円)弱ということで、知事の就任以降では一番少ない金額ではあるんです。メッセージとしてもうちょっと大きくつけることも考えられると思うんですけれども、こういった全体の事業費についてはどういったお考えでしょうか。

知事)
 これは両方の考えがありまして、私自身はもともと、知事査定で5億(円)も何億(円)もどかんとつくというのは、それぞれの担当部局の皆さんの予測可能性をきちんと保つという点ではどうなのかなというふうに思っています。予算査定のところで結構、基本厳しく査定せざるを得ないことが多いですから、うわあ削られたというふうに思っておいて、なんか一夜明けたら突然、いやここにどかっとついたよということよりは、もっといろんなやりとりでだいたい削られたけれども、これこの程度で済んだということがわかって動いている方がいいんじゃないかということで、あまり私、知事査定分をどかんと何億円も確保してから一般的な査定をするよりはいいんじゃないかということで、少しずつ知事査定分については減ることを容認してきたわけなんですけれども、ただ、さはさりながら、最後の方でいろんな新しい情報が入ることもあるものですから、ちょっとこれまで流れとして、特に豪雨災害以降、ずいぶん知事査定のボリュームを下げてきたわけですけれども、これをどうするのかなというのはちょっとまた考えどころかなとも思います。これはもう多ければ多いほどいいわけでもないですし、その逆もしかりでありまして、どうバランスよくそれぞれの皆さんの思い、意見をこの予算に練り込んでいくか、どういうやり方がいいのか、常に考えていきたいと思います。

記者)
 今回その知事査定の6事業については増額もしくは皆増でしたけれども、6事業に込めたことをひと言で言うと、どういった狙いからしたというふうに言えるでしょうか。

知事)
 未来につながる非常に大事なものですので、それぞれの金額は大したことはないんですけれども、実はこれは私からすると、好循環の元、もしくはすごく大事なことに関わっているというメッセージを込めました。もう簡単に申し上げますと、部活動指導員(配置事業)、これは私、もともと非常に思い入れの強いものでありまして、これは今、国の事業に乗っかってやっているわけですけれども、国の事業が出る前から私は岡山県独自で、名前は「部活動支援員」という名前で始めたと思いますけれども、とにかく先生を守らなきゃいけない、先生が、先生じゃなきゃできない、先生だからこそできることにもっと時間を使ってもらわなきゃいけない、先生じゃなくてもできることを他の人が少しずつ担ってあげることでそれをやろう、部活動はずいぶん負担になっているということで始めたものです。私はもっともっと広げていきたいと思っています。その思いの表れです。2番目(異業種展開・企業間連携支援事業)の方は、これはとにかくEV化、これはもう好む好まざるに関わらず急速な勢いで進んでいきます。我々岡山県、非常にものづくり県、ありがたいことなんですけれども、第2次産業のほぼ1割を担っている自動車産業がもう激変に見舞われることになっていますので、ここは先に先に対応していかなければいけない。また、これは脱炭素化とも非常に関わっていることですので、ここはきちんと対応をしなければいけないというメッセージになります。あと、(若い命を守る~知ってなくそう!感染症~幸せな未来のために!みんなで取り組む)子宮けいがん(予防啓発事業)、これは私が子宮けいがんワクチンに対する、HPVワクチンに対する逆風がかなり強かった頃から、いやこれはやらなきゃいけない、世界中の先進国でもう当たり前で普及をして、女性の、お母さん方の死亡率を下げているのに、日本だけ対応できてない、これはおかしいということで叫んできたもので、ようやく積極的勧奨再開、8年ぶりに再開されたわけなんですけれども、ただそれで急にまた接種率が7割、8割に戻るわけではありません、残念ながら。ここはきちんと早く接種率を元に戻すというために、さらに予算をつけることにしました。(岡山県)パーソントリップ(調査)事業、これ、予算総括協議会でもかなり突っ込んだ議論がなされたところでありますけれども、やはり地域の足をどう確保するのか、それぞれの地域にお住まいの皆さんの暮らしをどう守っていくのかということで、非常に今、関心の高い分野ですけれども、そもそも我々、実は基礎データを持ってないんですよね。それは議論の出発点としてどうかという話でありまして、すごくいい案が上がってきたんですけども、予算が厳しい中でもここは拡充したいということでつけました。二地域居住(等の推進)、二地域居住そのものがどうのこうのということなんですけれども、これも結局人口減対策、自然減対策、社会減対策、両方あるんですけれども、これは特に社会減対策ですけれども、我々、人口の問題についてはもっともっと常に頭に置いて対応しなきゃいけないという思いで、人口対策の中でさらにお金を入れて、無駄にならないいい投資になりそうなものということで、これを選ばせていただきました。(岡山県)フューチャー・デザイン(活用事業)、これはもともとゼロからこれやったらどうということなんですけれども、これは本当に今のこの予算、もしくは人をどういうふうに配置するべきか、どこに予算を貼り付けるべきかというのは、それぞれの皆さんでお考えがあると思うんですけれども、結局みんな、今生きている人たちの議論になります。まだ生まれていない、10年後に生まれて40年後にこの地域を現役として支えるような人たちから見て、うわなんでこれやっといてくれなかったんだ、なんでこんなところにお金を突っ込んでしまうのかということ、もし、なにか知りません、私、神様とかもよくわからないですけれども、10年後に生まれる人たちがここでいろんな議論を見ていたら歯がゆい思いをする、もしくは、そんなことよりも40年後に振り返ってあのときなんでこういうことになったかなという、多々あると思います。我々だって、30年前、50年前の決断について、実はああいうふうにしておいてほしかった、もしくは、こういうことはたぶん予測できたはずなのになんでだ、まあいろいろ思うことあるんですけども、結局、未来の現役の人というのは今、代表を持っていないという根本的な問題があります。フューチャー・デザインというのは、未来の人を代弁する人をつくることで、ちょっとでもその大きなギャップを埋めていこうという取り組みでありまして、今、日本各地で取り組みが始まったところであります。我々も実は、セミナーを開いたりですとか勉強はしていたんですけれども、まだ具体的な取り組みまで進んでいない。ぜひ、我々自身(だけ)なのか、市町村と組むのか、なんか具体的なプロジェクトをやってみたいということで、あえてこれは入れさせていただきました。

記者)
 予算の今後の財政見通しですけれども、今後も60億円から80億円程度、収支不足が見込まれるということで、県の財政運営について知事からひと言コメントをいただけますでしょうか。

知事)
 財政見通しについては、一桁が67(億円)なのか68(億円)なのかとか、1年後2023年が63(億円)なのか60(億円)なのかという細かいところはあまり意味がありません、そこまで我々正確に予測できませんので、ある仮定を持って計算したらこうなったということなんですけれども。大事なのが、ずとんと発散、もしくは定常状態から逸脱しないかということでありまして、今のところなんとかしのげそうだという、今の厳しい状態でしのげそうだというのが、ここから見える数字ですけれども、ただ、苦しいままでしのげそうだということになります。いろいろありますけれども、一番の大元は人口が減っていく、税収の伸びはそうそう見込めない中で社会保障関係費がもう一方的にどんどん増えていく、これが1回30億円増えるぐらいだったらなんとか我々工夫のしようもあるんですけれども、30億円増える、増えたものはそのままで翌年また別の30億円が乗っていくということがずっと続いてきた。これが(令和4年度当初予算のあらまし)資料の10ページ、毎年毎年少しずつ増えているのでちょっとなんか慣れてしまっていますけれども、5年前2017年のときがどうだったか、10年前2012年の予算を組んでいるときどうだったかということで言えば、もう本当に社会保障関係費が大きく伸びています。これがいろいろなものを圧迫している。それをなんとかしのいでいくことになるだろうというのはそういうことです。厳しいです。

記者)
 まん延防止(等重点)措置の期限が今月20日となっていますけれども、こちらについて知事の現時点のご所見をお願いできますか。

知事)
 実際今、悩んでいます。数字を見れば、病床使用率ですとか、毎日の数字、600人台という、ちょっともうなんか信じられないような高い数字が出ていますので、人によっては悩むまでもないだろう、当然延長しかないだろうということもあろうかと思います。ただ、一つ、我々今回まん延防止等重点措置になにを期待するのかということで、オミクロン株はご案内のとおりものすごいスピードが速い、感染がどんどんどんどん上がって、これまでこういうふうに(比較的緩やかに)上がってきたものが、こんな(急な)感じで立ち上がっていく。それはとにかく止めなければいけないということで、もうありとあらゆるものを総動員して止めにかかった。そういうことで言えば今、全国的にもそうですけれど岡山県も、倍々ゲームの状態からは脱しているというふうに思っています。倍々ゲームの状態からは脱したわけで、最大限のフルスピード、私からすると、まん延防止等重点措置も緊急事態宣言もほとんど同じフルブレーキだと思っていますので、フルブレーキが本当にいるのかという、非常に財政的なコスト、社会的なコストも大きいものですから、いるのかということはあるんですけれども、なかなか実際悩ましいところではあります。とにかく、学校ですとか、保育所、そういった子どもたちの対策は引き続き、これはもう本当に重点的にしなければいけませんし、またどの波でもだいたい途中からそうなっていますけれども、高齢者の感染が今、岡山県でも大変増えています。もうほぼ毎日のように福祉施設、高齢者施設での感染、特にクラスターが報告をされているわけであります。ここをいかに守っていくか、そういうことを考えながら、(まん延防止等重点措置の)延長を要望するかどうか、これから決めていきたいと思っています。もうなんにしても大事なのがワクチン接種率の向上ということで、オミクロン(株)を抑えた国、水際対策のおかげで日本はちょっと遅めにオミクロン(株)始まっています。ですから、アメリカ、ヨーロッパはもっと早くにすごいことになって、今だいたい収まっていますけれども、その収まりだした国と依然として収まってない国の差はもうほぼほぼ一つの変数で説明がつきまして、それがブースター接種の比率、どこまで国民の間でブースター接種が進んだかということですので、日本は残念ながらこれ進んでいない、岡山県、全国的には早く進んでいますけれども、それでも2割いってないぐらいですから、ここは急いでいかなきゃいけないと思っています。

記者)
 コロナに関して、同じく(2月)20日が(まん延防止等重点措置)期限の都道府県によっては、既に首長が緩和の方向であれ継続の方向であれ、既に意思表示されているところもあるかと思います。今、非常にお悩みかとは思うんですけれども、スケジュール感としてはどのように考えておられますでしょうか。

知事)
 国の(新型コロナウイルス感染症対策本部)会議が(2月)17日という情報と18日という情報がありますけれども、私、最新の方はむしろ18日だと理解していますけれども、その前日までには決めなければいけないということで、今日上がってくる数字ですとか、関係する皆さまにご意見をお伺いしたりしながら決めていきたいと思います。

記者)
 予算関係で、知事査定の中で二地域居住(等の推進)の要求額がゼロから500万円近くまで増えています。やっぱり知事の強い思いが表れているのかなと思うんですが、人口減少について今県が置かれている状況とこれにかける知事の思いというのをお聞かせてください。

知事)
 人口減少もほぼ全ての地域にとって大きな問題です。根本的には自然増を目指さなければ、社会増減というのは基本的にはプラマイゼロ、ゼロサムゲームの取り合いですので、ですから自然増が非常に大事なわけですけれども、ただ、他の地域の方からも評価される、住んでみたいな、行ってみたいなという地域をつくるというのは、取り合いという次元を超えた非常に大事なことですので、私はそれぞれの地域が努力する甲斐のあることだろうと思っています。特に日本は、韓国と並んで首都のある地域にもう異様な割合の人口が集中をしてしまっていて、それが防災面で非常にリスクになっている、もしくは、私も東京に住んでいたことがありますけれども、東京で普通の暮らしをしようと思ったらとてつもないお金がかかりますし、普通のお金で生活しようと思ったらあまり普通の暮らしになりません。ものすごい通勤が不快であったり、時間が長かったりですとか、家が狭かったりですとかということですので、普通の国並みに過密なところから人が分散をすることによってお互いハッピーになるということは、全ての国に起きることではありませんけれども、日本、韓国のような特殊な状況にある国では十分あることでありまして、ぜひ我々、今あまり必ずしもハッピーでない方が岡山県に引っ越されることで、より満足できる幸せな人生を送っていただける、そういったお手伝いはできると思っていますし、それが地域のためにもなるということは十分考えられると思っています。これも人によりけりです。全ての人が岡山に引っ越せば幸せになるとまでは、私は言えません。相性ですとかいろいろありますので、そういうこともあって一度観光で来ていただけませんか、もしくはお試しで、1週間でも1か月でも住んでみられたらどうですかということが大事なんだと思います。無理やり来てもらうんじゃなくて、ちょっと試してもらう。二地域というのもこれ、試すうちの一つなんです。いきなり決め打ちでどんと来るんじゃなくて、ちょっと両足に体重を乗せながら、行ったり来たりという生活をしていただく。それが居心地がいいのであればもうそれでいいですし、いや意外といいな、リモートワークもできるようになったし、これは自然豊かなところの方が合っているなということであれば、そちらの方に軸足を移していただくというのももう大歓迎ということで、私、岡山県に限らず、それぞれの地方にとっては、この二地域居住を試していただくというのは非常に有効な施策だと思っています。

記者)
 知事は就任以降、教育再生を一貫して言われている中で、今回2年間コロナ関係があって、学校の閉鎖とか学級閉鎖があった中でやっぱり学力という面、やっぱり授業ができない中で担保できないところがあったと思うんですけれど、そういう意味では今回、コロナ後も見据えながらこの年というのが本気度が問われる1年に学力向上に向けてなると思うんですけれど、知事の所見というか考えとかそういうのをお願いします。

知事)
 そもそもコロナのいろんな制約というのを欲していたか、それともなかった方がよかったかということでは、なかった方がよかったに決まっているわけでありまして、いかにそういう悪影響を減らしていくか、これは当然考えることです。ただちょっとあえて言わせていただきますと、教育というのはなんのためにやっているのかということで言えば、単に学生が居心地よくするために構ってあげているわけじゃなくて、これから人生で起きる必要な知識を学んでもらう、もしくは、いろんな困難に対応できる力をつけるということが目的であるとするならば、コロナもある種、地球規模で与えられた試練になります。これから先も全く同じことにはならないでしょうけれども、試練一般ということではもう確実に来ますし、感染症関係の試練ということでもたぶんこれからの長い人生、1回2回は必ずあると思います。そういったことに対する訓練にもなっているのかもしれません。教育って大抵、かわいい子には旅をさせよ、このことわざでいう旅というのは非常に気分のいい観光旅行じゃなくて、昔の人たちの旅というのは非常に大変なものでしたから、買ってでも苦労をさせよというのに近い意味合いの言葉だと理解していますけれども、そういうことで、ぜひ、もう今回のいろんなつらいこと、制約を糧にするぐらいのことで、頑張っていただきたいと思います。当然学力が、本来ここまでいろんなことを知識を学んだり、理解度を得ることができたのに、その下で留まっている、これはもったいないことですので、ぜひ、リモート授業、ICT関係、今ずいぶん投資をしていますので、いろんな工夫をしながら学力低下を招かないようにしてもらいたいと思っています。一ついいことは、嫌々始めたリモート授業ということがほとんどの学校にとって事実だと思うんですけれども、やっていくうちに意外にもいいこともあるということにも気づいたという声がずいぶん挙がってきて、岡山県だけではありませんけれども、もう何度かここで話したかもしれません、普通の授業で言えば、喋っている生徒というのは同時に大抵1人です、はい何々君、はいこれはこうです、ああそうだ、これわかる人いるかみたいなことで、誰か手を挙げないかみたいなことですけれど、ロイロノート等のソフトで、はいこれみんな考えてみてと言って、わーっと書いたらそれが一斉に出てくるですとか、どっちが正解か押しボタン押してみてと言ったら、正解の人と正解じゃない人がうわっとすぐわかるとか、もしくは、意見のある人と言って、押しボタンをぴっと押す方が手を挙げるよりもずいぶん心理的ハードルが低いので、ああそっかそっかこいつはこうなんだとか、これまでの従来の授業では置いてけぼりを食らいそうなちょっとシャイな子でも先生がすくい上げやすくなるですとか、実は残念ながら思っていたほど理解できてなかったんだなということもわかったりしますし、もしくは、理解度別に別の教材を提供することもできるという、実は対面授業よりもいい面すらある、これはソフトのうまい使い方、うまく選ぶ、うまく使えばということですけれども。ですから、ぜひ転んでもただで起きない精神でいろいろ工夫をしてもらいたいと思っています。その上でまた対面授業が当たり前のように復活したときに、ハイブリッドでよりよい授業ができるようになればいいなと思っています。本当に関係する先生方、児童・生徒の皆さん、ご負担をお掛けするんですけれども、ぜひ振り返ってみればあれはむしろ人生の糧になったというふうに思ってもらえるように頑張ってもらいたいですし、応援をしたいと思っています。

記者)
 その中で、教育予算90億(円)ということで例年とあまり変わらない水準でやっぱりつけていかれたということで、コロナ禍でも教育再生というのは加速させて続けていくということなんでしょうか。

知事)
 そうなんです。もう私、とにかく教育についてはもういくらでもお金入れたいわけなんですが、これは最初から申し上げていますように、どういうふうにこれ、(令和4年度当初予算のあらまし)4ページですか、使われているかということで言うと、今、教育費が(歳出予算の)19.1%。これ、岡山市の関係の先生の給与が岡山市役所から払われるようになったのでこういうふうに見えますけれども、もともと岡山県庁の予算の中で教育費はずっと長らく第1位で4分の1を占めていたわけなんですけれども、そのもともとがばかでかいだけに1%増やすだけでもものすごいことになります。ですから、応援はするけれども、例えば元がすごく小さかったので3倍にすることができた観光の予算と違って、元がばかでかいのでなかなかそのパーセントという意味では増やせないけれども、中身をうまく工夫しながら、先ほども言いましたけれども、部活動支援員だったり指導員だったりということで、いかに学校の中身を変えていくか、先生の働き方を変えていくかということは、もう毎年工夫をしたり、努力をしてきたところであります。私、常に学校がどうなっているかというのは関心を持っています。そのおかげでもあって、皆さん方で頑張ってくださったおかげで非行率がもう4分の1以下になって、そういうあたりで今、苦労することがずいぶん減ってきたですとか、ちゃんとした努力が積み上がるようになってきて、学力もようやく全国平均に小学校も中学校も戻ってきたですとか、ずいぶん当たり前の本来あるべき姿に近づいてきています。教育県岡山という我々の思い入れ、プライドからすると、全国平均が到達点だとは思っていません。体力についてもコロナで少し落ちているというデータが挙がってきていますし、心技体、全てにおいて少しずつ向上をさせられるように、コロナであっても向上させられるようにしていきたいと思っています。

司会)
 それでは以上をもちまして、知事定例記者会見を終了いたします。

知事)
 ありがとうございました。

2012年の記者会見