ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 知事記者会見 > 2022年2月16日知事記者会見

本文

2022年2月16日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0764338 2022年2月17日更新公聴広報課
会見写真

新型コロナウイルス感染症について

 新型コロナウイルス感染症についてお話をさせていただきます。
 本県では、今月20日を期限にまん延防止等重点措置を講じ、オミクロン株による感染拡大を抑え込むため、全力を尽くしているところでございます。県民の皆様のご協力によりまして、新規陽性者数はピークアウトの兆しが見えるものの、なお高水準で推移しているところでございます。また、高齢者施設等でのクラスターが頻発し、病床使用率は50%を超え、なお上昇を続けており、医療提供体制が危機的な状況に陥りつつあります。
 こうした状況を踏まえ、本日、国に対し、まん延防止等重点措置の延長を要請することといたしました。
 県民の皆様には、引き続き多大なご負担を長期にわたりおかけすることとなりますが、猛威を振るい続けるオミクロン株をなんとしても抑え込むため、ご理解、ご協力をお願いいたします。
 私からは、以上でございます。

質疑応答

記者)
 (まん延防止等重点措置延長の)要請はまだで、今日この後なさるということでしょうか。

知事)
 はい。本日中に、担当部局の方から内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室に対し、要請文書を送付することとしております。

記者)
 (2月)20日までが現状かと思うんですけれども、岡山県からどれぐらいの期間の要請をということでの示しというのはされるご予定でしょうか。

知事)
 ご案内のとおり、延長するかどうかを決めるのも国ですし、何週間の延長になるかということも国が最終的に決定をするわけですけれども、どれぐらいの延長を望むかという意向は聞かれるというか、当然国としてもそれぞれの地域の状況、意向、思いというのは気になるわけでありまして、我々とすれば延長はお願いしたい、ただその延長幅についてはできるだけ区切りを短く取りたいと思っています。非常に我々にとって都合のいい話でありますけれども、1週間ごとにでも延長延長ができればありがたいということを考えています。当然延長をするとき、1回1回の手間というのはあるわけなんですけれども、我々、2週間なのか3週間なのかということに事実上なると思うんですけれども、それが1週間であっても短めのものが何回か延長できるようにできればしていただきたいとお願いするつもりです。

記者)
 たぶん勘案された要素として、新規陽性者数のピークアウトの兆しもある一方で、病床(使用率)が5割を超える状況、クラスターもある、加えて、まん(延)防(止等重点措置に)そもそも入るときに隣県の状況もかなり勘案されたかと思うんですけれども、広島(県)はまだですけれども、既に兵庫(県)は延長方針示されている、このあたりはやはり勘案されたんでしょうか。

知事)
 とにかくまん延防止等重点措置の期間が、例えばわかりやすいように、1週間延びるというのはもう大変なことになります。皆さん、県民の生活に制約をかけ、経済活動を下押しし、我々から飲食店にお支払いする協力金だけとってみても30億円近い金額になります。8割国から補填をしていただくにしても、その8割というのは国民の税金ですし、2割分というのは昨日(2月15日)ここ(知事定例記者会見)でもう制約の中でやりくりしたみたいなことを言いましたけれども、30億円の2割、6億円なんて言ったら、私の知事査定のもう10倍以上ですから、もう本当に1週間1週間が重いわけであります。もう全ての要素を計算するわけなんですけれども、おっしゃられるとおり、数字の中には毎日変わる数字と、それから動きづらい積分的というか積み上げ的な数字があります。日々の感染者数というのは動きやすいインプットの数字ですし、お風呂にどういうスピードでお湯を入れるかということですし、溜まっているお湯の量というのが病床使用率であったり重症(者用)病床使用率で。質問に端的に答えれば、近隣の状況も全て考えて、いろんなシミュレーションを考えて、こういう結論に達しました。

記者)
 延長が認められた場合の内容についてですけれども、今現在は県内全域で、飲食店の時短要請であるとか、学校の早期の臨時休業という方針を示していますけれども、仮に延長となった場合は、措置区域や内容というのは今どう考えていらっしゃるでしょうか。

知事)
 正式には、延長を認められた後の(岡山県新型コロナウイルス感染症対策)本部会議で決定をすることになりますけれども、ただ私自身、県民の皆さんの予測可能性を高める、今やっていることはかなり県民の皆さまの生活にご迷惑をおかけしているわけで、不必要なご迷惑をかけないということで申し上げますと、正式決定はまだですけれども、今、区域ですとか措置内容を変える大きな理由が見当たりませんので、ですから、まず私は今のまま(の内容で)延長をするということを諮りたいと思っています。

記者)
 一方で、知事はこれまでオミクロン株に対しては時短要請の効果は高くないとずっとされていましたけれども、県民の間でも飲食店の時短要請によって新たな格差が生まれているという指摘もあります。それでもなお延長を今回要請することになったことについて、県民が納得できるような形でご説明をぜひいただきたいと思います。

知事)
 今でも、まん延防止等重点措置に頼らずに対策を講じている県が少数ながらございます。お近くで言えば鳥取県ですとか、もしくは奈良県ですとか、滋賀県ですとか、山梨県ですとかそういったところ、普段から非常に対策に気をつけていらっしゃる、もしくは往来の関係で感染を封じ込めやすい地理的な要因もあるのかもしれません、いろいろな事情でなんとかまん延防止等重点措置に頼らずに頑張り通しています。そういった地域の知事は、他の変異株はともかくとして、オミクロン株の特性と今のまん延防止等重点措置の内容は正直あまりフィットしていないということを何度も全国知事会等の場で発言をされています。考え方からすると、私も非常に近いものがあります。だからこそ、私は(まん延防止等重点措置適用の)要請をするにあたって迷いましたし、香川県と比べて遅れて要請をした組に入りました。実際今回、延長するかどうかというときに迷った県がいくつかあると聞いておりますし、私、個人的に連絡をして相談をした県もいくつかありますけれども、そういった県の中で言えばたぶん一番感染状況が悪い県です。岡山県と同じぐらい感染状況が厳しい県は、基本的にもう延長当然という意思表示を早々にされておりまして、今迷っている、もしくは延長しないことに決めたと言われている県の場合も、岡山県よりもずいぶん状況がいい県であります。ですから、私自身はなんとか、県民の生活にかなり制約を与え、経済活動に下押し圧力をかけ、かつまた協力金だけ考えても県の財政、国の財政を圧迫をする、かつまた一つの業界、飲食店業界に救済が集中をしてそこで不公平感を出してしまう今のやり方、必要でなければ正直やりたくないわけですけれども、このオミクロン株、重症者が他の変異株と比べて率が少ないとは言え、これだけ(新規陽性者の)数が出て毎日続きますと、やはり毎日のこの数だけで保健所が大変なことになりますし、きちんと把握ができない。今、重点化をして、重点化したところは一応把握はできていますけれども、これまでと比べるとかなり後退した中でやっている。病院の病床使用率、50%を超えています。そういった状況で、ここで緩めた場合、離脱をした場合に、またリバウンドをする可能性が十分ある。広島県のように非常に厳しい(まん延防止等)重点措置をしたとしても、ずっと(新規陽性者数の)落ち方が非常にゆっくりだというのがオミクロン株、日本におけるオミクロン株の特徴のようでありまして、第4波、第5波にしてもピークを打った後はすとーんと、特に第5波のときにはすとーんと落ちたわけですけれども、広島県に限りませんけれども、お隣の広島県わかりやすいので、あれだけ厳しいお酒を出さないというきついまん(延)防(止等重点措置)かけてピークを打っても、そこから(すとーんと)落ちるんじゃなくてこういう(緩やかな)感じにしか落ちていかないということを見た場合に、まん(延)防(止等重点措置)を続けて、これでまん(延)防(止等重点措置)をやめた後にこうなった(新規陽性者数が増えた)場合、そこをもう一度ピークを打たせて落とすためには、さらに大きなエネルギーを入れなければいけない。エネルギーってなんだというと、県民の生活に対する制約、それから追加のいろいろな財政措置ということですので、この時点で言えば、私はもう延長はやむを得ないと考えました。本当はあと1日待ってから国に伝えたかったわけでありますけれども、いろいろな数字がどう動くかということはいろいろシミュレーションするわけですけれども、我々にとって都合のいい方向に動いたとしても、先ほど言いかけましたけれども、積分した蓄積した形のデータについてはほとんど動かないわけでありまして、やはり病床使用率が5割を超えている、(新規陽性者数が)1,400(人)を超えたピークからすると、今600(人)台が数日続いた、もしくは前週の同じ曜日を下回る日が6日間出たというのはいいニュースでありますけれども、最後の数日というのは3連休のときの検査の反映でもあり、それをそのまま額面どおり受け取れないということもございます。いろいろあって、リバウンドの可能性、恐れを考えると、今ここで(2月)20日の時点で(まん延防止等重点措置を)止めるのは得策ではないと判断をいたしました。やりたくてやっているわけではありません。ぜひ、延長を認めていただいた後のこの貴重な延長期間を最大限に使って、再延長を極力せずに済むように抑え込んでいきたいと思います。

記者)
 高齢者の重症化、死亡が今相次いでいますけれども、ここを防ぐための手立ても必要になってきます。知事としてどのようなお考えでしょうか。

知事)
 このオミクロン株、重症化しづらいと言われていますけれども、高齢者の方、基礎疾患をお持ちの方にとっては依然として怖い病気であり続けています。岡山県に限らず全国各地で起きている一見奇妙な現象ですけれども、重症者がいない、ほとんどいない県でも死者がある一定のケースで報告をされます。どうしてそういうことになるかというと、これまでの例えばデルタ株のように、感染しました、すごい肺炎になりました、どんどん悪化をします、重症(者用)病床に入って助かりませんでしたという、そういうタイプの悪化の仕方ではなくて、オミクロン(株)そのもので少しずつ中等症、重症、死亡ということではなく、もともとかなりのご病気を持たれていた方、がんの末期である、もしくは90代でかなり衰弱をされている方が亡くなられて、そのときの検査でコロナにも感染をされていることが死後にわかった例ですとか、そういったことも今すべてコロナ死者にカウントされておりますので、ちょっとデルタ(株)の頃までの死者とはずいぶんちょっと病院の皆さんの見え方、受け取られ方は違うというのが、現状、私の認識であります。ただ、一部地域ではオミクロン株によって重症化をして、要するに早期の医療につなげることができずに亡くなられるケースが出てきているというような報道も見ているわけであります。とにかく、重症化リスクのある方に早く重症化を防ぐ薬、これも中和抗体薬、もしくは経口薬ですけれども、今出回っている薬で言えば、中和抗体薬の方が効果が高いわけですので、いかに早くゼビュディにつなげるかということだろうと思います。岡山県の場合は、検査をしているときに、この人は高リスクかどうかということを判定して、検査(結果)が出たらすぐに、もう保健所を介さずに中和抗体薬につなげる。今、あまり保健所、激しい渋滞が起きていないと理解していますけれども、渋滞が起きたとしてもゼビュディに行かせるまで無駄な時間を取らせない。あとさらに、そもそも検査まで時間がかかるというPCR検査を前提にしているわけでありまして、私がそれぞれの病院に、私がというか県庁が推奨しているのが、そういう高リスクの方ほど、大事な方ほど、抗原検査を使ってくださいということです。これまで、PCR検査が立派な検査、お金がかかるしっかりした検査で、抗原検査というのは結果はすぐわかるけれども、精度が少し落ちるので無料検査で使いましょうとか、正式な検査でこれを使うというのはあまりピンときていない方、多いわけなんですけれども、4日目なのか5日目なのか6日目なのかで結果が全然違う今の中和抗体薬の性質を考えますと、わざわざPCRで最低1日、場合によっては2日待つというのは本当にもったいないことですので、重症化リスクのある大事な方ほど抗原検査を使って、抗原検査で陽性が出たらすぐ中和抗体薬に結びつける。岡山県、中和抗体薬の適用率が全国で2番目か3番目に高いそうでありまして、これは別にむやみやたらに使っているということではなくて、中和抗体薬で重症化が防げるタイプの患者さんだったのに間に合わなかったという例が岡山県かなり少ないことを反映しているのかと我々解釈をしています。非常に大事なことですので、ここはきっちりできることはやっていきたいと思っています。

記者)
 先ほど知事が、国に(延長の)期間についても要望できるというふうにおっしゃられていましたが、知事は具体的に何週間とは要望されていないんでしょうか。

知事)
 (延長の)要望はこれから行いますけれども、思いについてはもう頻繁に連絡をとっております。可能性が高いのは、だいたい今延ばすときには3週間というのが標準のように我々理解していますけれども、香川県が含まれる先行組が3週間で我々が2週間延ばすとちょうど周期が合うものですから、その可能性もあるのでないかと思っています。ですから、我々、2週間(と)3週間であれば、2週間の方がありがたいと思っていますというふうにお伝えするつもりですし、もし1週間ごとの延長ということが可能なのであれば、できる限りその単位は小さい方がありがたいということを申し上げるつもりでおります。

記者)
 知事からの要望としては、2週間を要望される考えということでしょうか。

知事)
 2週間か3週間かと言われれば、2週間を要望します。ただ、要望はあくまで要望でありまして、決めるのは国です。

記者)
 昨日の全国知事会議(第33回新型コロナウイルス緊急対策本部)のときに、悩んでおられるというふうに言われていたんですけれど、それ以降どのような要素が決め手となって今回延長を要請されることになったのでしょうか。

知事)
 先ほども言いましたけれども、いろいろなことを考えに入れたところであります。一旦(新規陽性者数が)1,400(人)を超えたものが600(人)台で推移しているというのは、私はこれはピークの形が見えた、ここから降りていく可能性が高いんじゃないかというふうに思っています。それであれば、例えば第5波、デルタ株のときの波の形と、それからまん延防止等重点措置の期間を重ね合わせると、まん延防止等重点措置の期間の例えば後半部分は必要なかった可能性が高いです、もともとぐっと落ちているところにだめ押しみたいな形でやっていたわけでありまして、そういったことを考えれば。あと、我々が見ているこのグラフというのは1週間前の感染の状況を見ていますので、ですからぐーと落ちているということで言えば、これから1週間出てくる数字はもう今から何をしようとも全く影響ないわけで、過去の反映ですから、これも落ちていっている可能性が高いということで言えば、今は山の8合目ぐらいまでしか下りていないように見えるけれども、実は1週間経てば6合目、5合目まで下りているかもしれない、そういったこと。周りの状況、山口(県)、広島(県)からどっと来たわけですけれども、その山口(県)、広島(県)の方はずいぶん落ち着いてきている、先行したところがまん(延)防(止等重点措置)でどれぐらいのパターンで落ちてきているのか、我々はそれを追っかけている立場ですから、当然似たような形になりやすいですとか、ただ残念ながら大阪(府)、兵庫(県)はものすごい燃え上がり方をしている、それが続いているということ。あと、先ほども言いましたけれども、(新規陽性者数が)600(人)台の数字、これがよく見えるというのが恐ろしいことではありますけれども、1,000(人)を超えたところからすると比較をすればいい数字なんですけども、これが3連休の、大体休みの日というのは検査が少ない傾向にありますので、検査が少なかったから数字が低く見える、連休が終わった2、3日後にポンと数字が上がるというのはこれまで何度も見られたパターンでありまして、実は今、まだ暫定的にしか我々見ていませんけれども、ちょっとそういう、今日発表する(新規陽性者数の)数字は残念ながら下ではなくて上に行くような数字になりそうだという、いろいろなこと。あと1日待ったから、結論が私が望んでいる方に変わる可能性はほぼない、いろいろなこと。あと、他の知事がどういうふうに考えられているか、国の方から見て、岡山県がどう見えているか、いろいろなこと。あと、保健所が今どの程度逼迫をしているのか、病院がどの程度逼迫をしているのか、重症者がどうなっているのか、重症者のことを考えると実はまだ重症(者用)病床使用率が2割を超えていませんので、先ほども言いました、岡山県、かなり重症者を増やさないというところのコントロールは全国的にも比較的うまくいっているのかな、これは離脱の方に有利な状況ですけれども。それぞれを考え合わせてあと1日粘る可能性もあったんですけれども、結論が変わらないということであれば、できるだけ早めに県民の皆さまにお知らせした方が少しでもご迷惑が小さいということで、この判断、このタイミングでの発表になりました。

記者)
 延長期間なんですけれども、知事は短い方がいいということですけども、2、3週間がめどの見通しということでよろしいですか。

知事)
 これまでの国の延長の仕方を考えると、2週間か3週間の可能性が高いと思っています。

記者)
 今後のスケジュール感ですけれども、延長については(岡山県新型コロナウイルス感染症)対策本部(会議)を開いて正式決定すると思うんですが、国の動きを見て、たぶん(2月)18日金曜日に対策本部(会議)を開いて決定するというふうなスケジュール感でしょうか。

知事)
 正式に決めるのは、国の延長決定があってから(岡山県新型コロナウイルス感染症対策)本部会議で決めるということになりますけれども、先ほど申し上げましたように、措置内容を変える特段の理由が今見当たりませんので、区域にしても内容にしてもそのままである。期間については、我々が決めることではありません。国の方で岡山県は何週間延長が決まりましたっていう時点で、事実上、我々が正式に決めるんですけれども、国が決めた時点でほぼわかるということになろうかと思います。

記者)
 そうなると、(岡山県新型コロナウイルス感染症)対策本部(会議)を開く日は(2月)18日になるんでしょうか。

知事)
 (国の延長決定と)同日に開くことも十分可能だと思っています。我々、第3波のときでしたっけ、第4波のときでしたっけ、できるだけ早く県民の皆さまにお知らせしたいということで、国の決定の数時間後に、(岡山県新型コロナウイルス感染症対策)本部会議を開いて、それまでにだいたい決め打ちで、国がこういう内容で決めるだろうということで我々の内容も決めて発表をさせていただいた後で、隣県同士で極力合わせて県境を越える移動をつくらないようにしようということを申し合わせていた広島県が、夜中の12時を超えたあたり、実際2時頃だったそうですけれども、やっぱりこっちで行こうということで岡山県と内容がずれてしまったので、我々が翌日以降、我々自身の措置内容を変えさせていただいてかえって混乱を生んでしまったということがありますので、もしかして、翌日(2月19日)にするかもしれませんけれども、今回ほとんど内容が変わる可能性が少ないので、ということはできるだけ早く開こうということになる可能性も高いと思います。今の時点で決定はいたしておりません。

記者)
 今現在適用されている(まん延防止等)重点措置の効果については、知事はどういうふうにお考えでしょうか。

知事)
 もともと効果が、これまでのデルタ株、アルファ株で出たような効果はなかなかないだろうということで、だからこそこんなに迷ったりしているわけなんですけれども、ただ、じゃあそうしたら岡山県がこのまん延防止等重点措置に頼らずに今の時点まで抑えることができたのかというふうに言われると、やはり重点措置の効果は侮りがたいというふうに思っています。実際これまでもそうでしたし、今回も、いやさすがにまん(延)防(止等重点措置)になったからイベントが取りやめになった、まん(延)防(止等重点措置)になったからこれはもう旅行(やめるしか)しょうがないと思った、まん(延)防(止等重点措置)になったから大学に行っている息子が帰省するのはやめときなさいということになったんだよということで、やはり県民の皆さん、もしくは他県の皆さんの中では、岡山(県)がまん延防止等重点措置の対象区域になっているかなっていないかということが、行動変容の非常に大きなきっかけ、もしくは判断基準になっているということを今回も痛感をしたところでございます。実際、県独自の(飲食店等への)時短(要請)ということで、まん(延)防(止等重点措置)の措置とほぼ同じものをつくることができるわけですけれども、やはりまん延防止等重点措置の看板と同時にいろいろな厳しい制約、このコンビネーションはやはり大きいなと思っています。

記者)
 医療現場の逼迫状況なんですけれども、今現在の状況、もう少し具体的に知事としてどういうふうに逼迫していると捉えていて、現時点で今後そういう体制整備についてなにか新たな施策というのを考えていらっしゃるのでしょうか。

知事)
 実際のところ、医療への逼迫について、まだ超えたとは言え、病床使用率5割をちょっと超えたところです。ですから、入院すべき患者が入院できずに(宿泊療養所の)ホテルや自宅でどんどん症状が悪化して亡くなられている、そういうことは起きていないと考えています。じゃあなぜ心配するんだということなんですけれども、コロナ病床を各県そうですけれども岡山でも増やしています。もともとがら空きのところで線引きを変えたわけではなくて、いろいろな手術を予定している、コロナがなくてもかなり回っている病床をあえて空けてもらっている、待てるいろんな治療、手術について待っていただいて空けている状態になりますので、典型的には救急搬送が困難な事例が岡山県でも増えてきています。そこらじゅうで救急車が立ち往生しているというほどではありませんけれども、先日報道にもありましたけれども、岡山県、比較的救急搬送困難事例は少ない地域ですけれども、それでもこれまでと比べると増えているということで、そういったことがコロナと関係ない病状の悪化、極端に言えば死亡を増やしてしまいます。今、コロナの死亡については、コロナが主原因でないのも全て含めて、亡くなられたときにコロナに感染しているのであればすべてコロナ死にカウントをしています。最後の一押しというのも含めてカウントをしています。ですから、実際には、私はコロナの死者だけ心配しているわけではなくて、コロナが広まる、もしくは発熱外来が大混雑をすることによって、他の医療に影響をして、早期で発見できて早期で治療をできた胃がんですとか、各種のがんによる死亡が増える、そういったことも含めて、この50%の病床使用率、それから救急医療の逼迫ですとか、そういったことが軽視できないと考えたところです。あともう一つ、保健所については、(新規陽性者数が)500(人)というのはすごい数字でありまして、今でももう本当に回らない状態です。翌日発表する、例えば今日発表する数字については、普通は私は前日の夜中に大体岡山市、倉敷市、それ以外についてこういう数字になりそうですという連絡を夜中に受けて、そこからは微修正なんですけれども、もう今の現状、その数字が朝にならないと入らない、それも少しずつ遅れてきている状態ですので、夜通し作業をしているということが伝わってくる。かなり大変な状態が続いているわけであります。

記者)
 先ほど、まん延防止(等重点措置)が県民の行動変容の判断基準になっているというふうにおっしゃっていたと思うんですけれども、今日いただいた資料(人流の推移)を見たら確かに飲食店の時短要請が出たときから人流というのは下がっていっているんですが、直近で見ると人流に戻りが見られる。県民の間にまん(延)防止(等重点措置)に対する慣れとか飽きが出ているのではないかという懸念もあると思うんですが、これについてはどういうふうにお考えでしょうか。

知事)
 慣れるというのはもう人間のある種特性のようなところがありまして、そのおかげでずっと不幸でいずに済んでいるところであるんですけれども、逆に怖い一面もございます。(新規陽性者数が)500(人)なんていう数字は、さっきも言いました、保健所は回らない、病院は大騒ぎというような数字ですけれども、一旦1,000(人)を越えて1,300(人)だ、1,458(人)だみたいな数字を目にすると、500(人)台でほっとするということもあります。ただ、だからと言ってオミクロン株、コロナウイルスが手加減をしてくれるわけでは全くない。これ、ウイルスですから当然なんです。いろんな試みを、感染した人からどんどんどんどんくしゃみで出ていって、常にチャンスをうかがっている。ほとんどのくしゃみというのは地面に落ちて、何もないままでウイルスは数時間、数日すると死滅をするわけですけれども、我々が油断をすると、次の新しい患者に乗りうつってそこでうわっと大増殖してということですので、とにかく我々190万県民の中で油断をする人が多ければ多いほど、コロナウイルスにチャンスを与えることになります。そうなると、この今のまん延防止等重点措置の期間がどんどん長くなってしまう。もう我々にとっていいことは全くありません。ぜひ油断しないように、特に高いリスクの行動を控えるように引き続きお願いしたいと思います。

記者)
 オミクロン株の波で子どもさんとかへの感染対策が中心になっている中で、(飲食店等への)時短要請はどれほどの効果があるのかというような、知事常々懐疑的な部分もあったかと思うんですけれども、であるならば、今後まん延防止(等重点措置)を延長する上で期待されることというのは、時短要請そのものというよりはまん(延)防(止等重点措置)を出すことによる県民の危機意識の高まりが続くこととでしょうか。

知事)
 それも実際あります。私自身、このまん延防止等重点措置の中身に実質的なもの、飲食店に対する時短ですとか、学校に対する要請ですとか、あともう一つ、まん(延)防(止等重点措置)という看板、この二つがあると思います。よく金融商品をつくるときに、ある商品をつくるのと、それぞれの部品を持ち寄って自分でそれとほとんど同じものをつくるというやり方があるわけなんです。ホームメイドなんやらかんやらと言って、持ってくるんじゃなくて、まあパソコンを自分で組み立てるようなものですけれども。実際に我々、いろんなことを考えていました。ホームメイドでこのまん(延)防(止等重点措置)をつくるということで言えば、実質的なことについては県独自の時短は今、制度上できます、学校に対するお願いもできます。あともう一つ、看板ということで言っても、岡山県の場合、もう一昨年になりますが、(令和2年)12月21日に医療非常事態宣言を岡山県へ発出をしたところであります。ですから、看板というのも県独自でできる、実質的な内容についても今、県独自の時短ができて同じ率で国から補填を受けることができます。8割国から協力金分について助けていただける。ですから、自分たちで国に要請をして国が期限を決める形でまん延防止(等重点措置)、岡山(県)延長ですということをやらなくても、岡山県版まん延防止等重点措置です、時短は岡山県がいろいろ考えたやり方でやります、学校その他についても岡山県からのお願いですということはできるわけなんですけれども、ここはもうブランドの差ということだと思います。実際、岡山県独自の医療非常事態宣言ですとか、もしくは今回も実はまん延防止等重点措置の前は、オミクロン株に対する特別警戒期間ということで、これ(バックパネル)の前ですか、看板の色を変えてこういうことになりました、非常に感染性が高いですからよろしくお願いしますということで、県独自の看板を掲げて県民にお願いをしたわけでございます。ただ、これはそれぞれの県独自のいろいろな宣言だったり、注意報だったり、警報レベルの引上げということとほぼほぼ同じく、国のまん延防止等重点措置と比べると正直効果が低かったというのが実情であります。毎日テレビで日本地図が出てきて、この県はこうなっていますと言って色がばちっと着くと、県独自のいろいろな宣言ではそういう報道はされないわけでありまして、やはり国の方で認定をして、日本全国で言えばこことこことここが今燃え上がっているんですよという認定を日本中の人が見て、ああちょっと岡山県今かなり大変なんだな、ちょっと出張は控えておこう、旅行はこれはもう無理だという、この影響力の大きさ、また、岡山県民自身もいやさすがにまん(延)防(止等重点措置)になった、これはもう参ったということで、私がここでいろいろ申し上げても響かなかった方々にも響くことが多々あるということはございます。やはり国の影響力の大きさというものは、実際痛感をしています。

記者)
 これから延長後の出口戦略といいますか、具体的に病床使用率が何%、新規感染者数は何人、レベルがいくつという、具体的にどの程度の水準になったら解除できるだろうという見立てはあるでしょうか。

知事)
 一応ざくっとした思いはあるんですけれども、私自身ここで、例えば病床使用率が何%を切ったらこうしますとか、重症(者用)病床使用率がこうなったらこうしますということはあえて言わないようにしています。これの理由なんですけれども、今はたぶんこうだろうということで申し上げることは不可能ではないとは思うんですけれども、あと、県民の皆さんの予測可能性を高めるという意味で有意義な面もあるということは承知しておりますけれども、最初の方で言いました、延長をする、しないという一点だけとっても、実は考慮すべき要素がたくさんあります。岡山県内の数字だけで完結するのであれば、それはそれで我々がきちんとシミュレーションすればいいだけの話なんですけれども、近隣県がどういう状況になっているかということでもずいぶん状況は変わってきますし、そうあるべきです、人がこれだけ出入りしていますので。そのときに、岡山県だけでこういう数字になったらこうしますというふうに私が約束をしてしまって、例えば2週間か3週間経った後に、あれ困ったぞ、いろんな状況を総合的に勘案するとこの数字だけが改善したからと言って、これは、例えば解除なら解除はしてはいけない、ただもうそれを約束してしまったので、自分たちのめんつを保つためには、自分たちが正直でいるためには、自分ではやってはいけないと今思っていることをやらざるを得ないみたいな、そういうジレンマに自ら追い込むことになってしまうのが心配であります。私とすれば、常にそのときそのときで、不完全なデータではあるけれども、今ある状況を総合的に判断して、少なくとも自分たちがこれがベストだと信じることをしたいということですので。ただ、大きな流れとして、アルファ株のときはもう新規陽性者数が非常に大事な指標でしたけれども、今はそれよりも病床使用率、特に重症(者用)病床使用率がコロナ死に直結をしますので、この二つの数字をより重視するというのはこれも国の考え方と一緒です。ただ当然ながら、これもいろんな議論がさんざんなされましたけれども、その重症(者用)病床使用率だけ見ていれば我々まだ20%超えていませんので、こんな大騒ぎをするようなことになっていません。でも、これだけ数字が増えてくると、もう発熱外来、大変なことになりますし、救急医療も大変ですし、保健所もパンクしますし、やはり数の暴力というものはいろんなところに影響を及ぼすわけですから、いやいやこの病床使用率だけ見てればいいんですよということではないのはこれはもう当たり前のことです。やはりそれぞれの数字を総合的に追っていく、またトレンドを予測をする、先行して感染に見舞われた県がどういうふうになっているかということも見ながら、岡山県自体の1週間後、2週間後の様子を予測をしていくということが大事なんだと思います。

記者)
 病床使用率なんですけども、今いただいてる最新の2月8日の時点ということですが、これはもう知事のお手元にくる数字というのはさらに悪化しているということでしょうか。

知事)
 実は我々自身も、毎日アップデートがあるわけではありません。新しく(病院に)入る数字はほぼほぼ正確な数字があるんですけれども、退院についてはそこまで、一人退院したら1時間以内に県に報告しなさいみたいな縛りをかけておりませんので、(毎週)金曜日に報告をさせていただく数字、これはある時刻を区切ってぱちっとやっていますので正確なんですけれども、それ以外、我々便宜上手元でアップデートらしき数字を見たりするんですけれども、意外と不正確です。病床使用率については、ゆっくりゆっくり上がっているというのが現状だと思います。一時期、1週間で10ポイントずつぐんぐん上がっていた時期がありましたけれども、それからするとずいぶんスピードは止まっているように思えても、止まっているように見えながらもじわっと50%超えたわけですから、少しずつ増えている。その割には重症(者用)病床使用率が増えないというのがありがたいところです。

記者)
 飲食店への時短要請についてあらためてなんですけれども、継続するというか、やめられない理由については、知事どうお考えになっているんでしょうか。

知事)
 飲食店に対する時短が効果がないよというふうに言っている人の論拠というのが、今の感染状況、特にクラスターがどこで発生しているかという比率を見たときに、以前は飲食店でのクラスターがものすごかったこともあります。例えば、第2波なんていうのは夜の街クラスターがもううわーっと感染のかなりの部分を占めていたわけですけれども、今、飲食ですごい感染が起きてクラスターになったという比率、ゼロではありませんけれども、3分の1だ4分の1だというよりはもう10分の1とかそれぐらいになっている。それが論拠です。それよりも、学校とか病院とか職場でのクラスターが多いよなということなんですけど、今度逆の立場の方からすると、いやいやいやいやちょっとちゃんとよく見てみろよと、その他というのがあるだろう、その他というところに結構飲食が元になっているのが入っていて正直に言ってないだけだよとか、もう統計上のことですけれども、実際に職場もしくは家庭で感染が起きているけれども、じゃあもともとはどうなのと言うと、飲食店で一人感染者がいて五人にうつして、それぞれが家庭でうつしたというのは、統計上はそういうことに、いろいろその見えているよりは飲食はもう少し大きいよというお話。あともう一つは、今これだけ抑えている、時短をしているからこの割合なんであって、時短がなくて皆さんがより夜ご飯を食べに行く、お酒を飲みに行くと当然こんなもんじゃ済まないよねという、そういう議論もあるわけであります。なかなかどっちが正しい、これは100%、0%どっちが正しいというよりも、費用対効果、いろいろな対策がある中でその対策の効果がどうなんだということで言えば、ものすごい費用がかかっていますし、ものすごい制約を県民の皆さんの生活にかけていますから、効率は決してよくない施策です。ただ、それに代わるもっといいやり方があるのかっていうふうに言われたときに、みんなが困ってしまう。私自身がこの時短を現にお願いしている一番の理由は、そこにあります。この時短よりももっといいやり方が、もっと効果的でコストが少なくて迷惑をかけずに公平にできるものがあれば、もうぜひそちらをしたい。ただ、このオミクロン(株)に対して有効だというのが、次に出てくるアイデアというのはよく休校ということになるわけなんですけれども、2年前ですか、全国一斉休校をしたときに、休校をした後のいろんな子どもたち、児童、生徒のストレス、親御さんの仕事に与える悪影響ですとか、学力の差がついてしまったですとか、なかなか学級閉鎖、学年閉鎖、休校、一斉休校のデメリットも大きいなということはこれ、みんな学習したところでありまして、なかなか感染者が出ていないのに、地域全体の感染を抑えるために予防的に一斉休校をしてもらうというのは、実際踏み切りづらいというところがございます。本当にいろんなことを考えて悔しい思いもありますけれども、今のところこれ(飲食店等への時短要請)しかないということでお願いをしています。

記者)
 第三者認証制度についてなんですが、1月下旬に酒類の提供をするという選択肢、インセンティブを付けることによってだいぶ申請が相次いでいる。その一方で、店の規模とかその業態によってはなかなか制度がそぐわないという声も聞かれています。先ほど知事、飲食店に救済が偏っているというお話ございましたけれども、一方で勤労意欲の低下といいますかモチベーションが下がっているというような経営者の声も聞くんですが、今回さらなる延長について、飲食店に対してどのような思いでいらっしゃいますか。

知事)
 そもそも協力金を払っているというのは、営業に大きな制約をかけていることに対する補償の意味も込めた協力金ということでございます。そもそもお店の営業に貢献している、モチベーションアップに寄与しているというふうに思ってやっていることではありません。もうそもそも迷惑をかけているからこそ、今協力金のお支払いをしている、それも皆さんの税金の中からやっているということであります。これがもう素晴らしいと思ってやっているというよりも、先ほど延々と説明しましたけれども、なかなかフィットしないけれども、これ以外のいいやり方が見当たらないということでやっているのがもう実情でございます。私自身も、なんとか(2月)20日を区切りにこのまん延防止等重点措置からは卒業したかったわけでありますけれども、今の現状は難しいということで県民の皆さまに引き続きご迷惑をおかけするということになります。飲食店の皆さまに対する見方、これ二つあろうかと思います。一つは、そもそもフルにお釣りが出るぐらい補償しましょうという考えではもともとありませんので、災害が起きたときにそれぞれの被災者にお釣りが出るほど補償しますよという考えにこれまで立ったことがないのとたぶん同じだと思いますけれども、もうご迷惑をおかけしているという思いと、今度逆にそれ(飲食店)以外の方は補償がない中で頑張っているので、そこの業界だけはっきりした形で補償があるということに対して、いやこの差はなんだという、いろいろな意見があるのもこれまた事実であります。今売り上げが落ちたことに対して、平年もともとから5割減れば、もしくは3割以上減ればということでいろいろな補償策があります。こちらの方がより業種に関係なくその損害を補填するということで、今国がそういう措置をとっていますけれども、いろんな考え方、いろんなやり方があろうと思います。

司会)
 それでは以上をもちまして、知事臨時記者会見を終了いたします。

知事)
 ありがとうございました。

2012年の記者会見