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2023年2月2日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0834437 2023年2月3日更新公聴広報課
会見写真

令和5年度当初予算額(要求ベース)の概要について

 私からは、令和5年度当初予算の概要についてお話をさせていただきます。
 各部局からの要求状況を、先月13日にご説明させていただきました。今月15日に当初予算案として取りまとめますが、それに先立ち、現時点での歳入見込みなどの概況をご説明いたします。
 資料1ページ「1 予算要求額」をご覧ください。
 令和5年度当初要求額については、先月13日に発表したものであり、一般会計の総額は8,019億円と、前年度比5%、385億円の増となっております。
 次に、「2 歳入見込み」であります。
 今回見積もった歳入の主な内容についてであります。まず、県税については、前年度比11.2%、273億円増の2,708億円を見込んでおります。これは、企業業績の改善による法人関係税の増や、輸入価格高騰の影響による地方消費税の増が主な要因であります。
 地方交付税と臨時財政対策債を合わせた地方交付税等については、来年度の地方財政対策や、県税をはじめとした歳入の状況などを踏まえた結果、前年度比9.5%、185億円の減を見込んでおります。
 その他の一般財源のうち財政調整基金については、令和3年度及び4年度の税収増に伴う交付税精算に対応するための積立分から、79億円を活用するものであります。
 特定財源については、国庫支出金が減となる一方、公共事業等費の増に伴う県債の増などにより、全体で前年度比8.6%、162億円の増を見込んでおります。
 以上により、歳入全体では前年度比5%、378億円増の7,945億円となっております。
 資料2ページ「3 一般会計予算の状況」をご覧ください。
歳出要求額と、歳入見込みとの差額が74億円となっており、この差額については、通常分の財政調整基金の取崩しにより対応する予定としております。
 次の「4 主な増減要因」及び資料3ページについては、後ほどご参照ください。資料の説明は以上でございます。
 税収の伸びが見込まれるものの、社会保障関係費の累増等に加え、物価高騰による行政運営コストの増などにより、県財政は厳しい状況が続くと認識しております。そうした中でも、喫緊の課題である少子化対策や脱炭素化、DXへの対応などをはじめ、必要な事業をしっかりと予算化し、本県の持続的な発展に向け、全力で取り組んでまいりたいと存じます。
 私からは、以上でございます。

質疑応答

記者)
 新型コロナの感染状況について伺いたいと思います。県内の新規感染者数、それから病床使用率ともに改善傾向です。目下の(岡山県医療)ひっ迫警報、もしくはそのレベル判断の変更の可能性も含めて、知事の現状のご認識について伺います。

知事)
 (モニターの新型コロナウイルス感染症データを示し)このグラフが示すとおりでありまして、本当に私自身の心配をした第8波、これまた第7波、第8波でありますけれども、ようやくこの平均(新規陽性者数の7日間移動平均)を見ても、ここまでピークから下がればピークは越えた、山を越えたと思っております。何度もここでご説明いたしました新規陽性者数と病床使用率というのは、たいていちょっと(数字として表れるまで)遅れます。積分の関係にありますから。なのですけれども、遅れて上がったり下がったりするこの病床使用率についても、下がり始めてきた。下がり始めてきたと言いながら、まだ病床使用率(は)5割を超えていますので、これで大丈夫ですと言うことには、まだまだ遠いわけなのですけれども、これからどこまで増えるかわからないという心配は、少し遠のいたかなと思っています。これは岡山だけを見てもそうですし、時々、岡山はまだおとなしい、もしくは岡山は山を越したように見えるけれども、近くの大都市で燃え盛っているときには、すぐまた飛び火しますので。それはそれで心配なのですけれども、今は全国的にも収まりつつあるということですので、まず一番心配な状況は越えたと思っています。ただ、実際のところ、オミクロン(株)の感染力(は)大変強いです。ちょっと油断して、例えば高齢者施設で、ほぼ毎日のようにクラスターを作ってきたわけですけれども、普段よりもちょっと多めにクラスターが発生するだけで、すぐこの病床使用率へ上がってしまう構造になっています。レベル判断(の)見直しですとか、今出している(岡山県医療ひっ迫)警報について、もうしばらく総合的に状況を判断してから、県民の皆様にお伝えをしたいと思っています。

記者)
 政府の(感染症法上の位置付けの)5類の引き下げに関連してなのですけれども、あと3か月でその時期を迎えるということになります。目下の医療提供体制をどう再構築していくかという課題は、やはりあろうかと思うのですけれども、今後、5類の引き下げに向けて、県として準備していきたいことをどのようにお考えなのか、お願いします。

知事)
 いずれこれはやらなければいけないことでありまして、それが政府は、今回5月8日ということでほぼ決断をされようとしている。一つ評価するのは、来週からみたいな、唐突なものではない。少なくとも3か月準備する期間があるということについては、評価したいと思います。ただ、これまでとずいぶん病院での受け入れ方が変わるということになります。それぞれの県民の皆さん(が)感染した場合のその後の動きも変わってくることになります。でも、ウイルス自体が消えるわけでもなければ、感染性が(5類に引き下げられる)5月の8日を境に変わるわけでも全然ありません。これまで3年に渡って、県内のそれぞれの医療機関の皆さん、特に受け入れてくださった医療機関の皆さん、本当に大変な中で頑張っていただきました。これから5類に引き下げられる上で、まだ正式に決まったものはほぼ何もないと言ってもいいような状況ですけれども、これまでのような経済的支援は、病院に(対して)は、国は考えていないということですが、今のレベルをずっと続けるのは財政的にはほぼ不可能ですから、今のままということはないとは思うのですけれども、インフルエンザと同じです、特に受け入れるところ(医療機関)に特別の支援はなく、全ての病院で受け入れましょうということになったとしても、本当にそれができるのか。実際、インフルエンザと比べて格段に感染性が高い病気であること自体は間違いない。(新型コロナウイルス感染症に)かかったときの死亡率が、確かにデータを見るとインフルエンザと近い数字まで下がっていること自体は、いろいろなデータでほぼそのように見えますけれども、まだまだ、特に病院にとって怖い病気であることは、これは間違いないわけでありまして、そこをどうするのか、そういったことを筆頭に、我々とすれば心配事で、ここはどうするのだろうか、急にその日(5月8日)を境に扱いが変わると、こんなところで問題が起きるのじゃないだろうか、こんな混乱が起きるのじゃないだろうかっていうことについてはいろいろ心配事がありまして、ありがたいことに国の方でも、全国知事会を通じてどういう心配がありますか、ということは問い合わせしてくれておりますので、我々それについてかなり詳しく検討し、全国知事会で取りまとめて国とやりとりを今からすることになろうかと思いますけれども、できる限りその履行に際して混乱が起きないように、これは国に対してお願いをしたいと思いますし、我々としてもきちんと懸念をお伝えをして、(5類引き下げまで)3か月あるわけですから、極力、我々としても納得できるような対応を求めていきたい。

記者)
 (予算編成における)知事査定関係でお伺いします。今回差額が出ましたけれども、まず知事査定(を)今後どのように進められていくのか、お願いします。

知事)
 例年知事査定を行っております。(予算)要求額というのが誤解を招きやすい表現ですけれども、自治体によっては本当に要求が要求額としてどっと出てきて、そこから減らす査定がある自治体もあるようでありますけれども、岡山県の場合、財政課と調整をした上での要求額ということになっておりまして、どこの施策に力を入れるのか、それぞれどうするのかということについて、私かなり詳細に報告を受けて、私自身の意見をお伝えをして調整をしてもらっていますので、今の時点で発表をしている予算要求額ということになっていますけれども、その中に私の思い、意思は、かなりの程度入っております。ただそうは言っても、岡山県庁(は)厳しい財政の中で、財政課もとりあえずどこだけ甘くするっていうことはできないけど、基本的にそれぞれ議論を見ながら、こういうバランスだろうということで考えてくれていますけれども、私自身、額は大したことないかもしれないけれども、ここは象徴的にやはり(額を)増やしてあげようということについて、これから議会の皆様、(2月7日に)予算総括協議会もありますし、そういった方々のご意見もお伺いした上で、最後上乗せすることにいたしております。額自体はそんなに大きなものにするつもりはございません。

記者)
 岡山市がアリーナ関係で、県全体に経済効果があるということで岡山県側にも協力等求めていますけれども、そういったことも知事査定の議論に入ってくるのでしょうか?

知事)
 それは私の知事査定の議論に入ってくることにならないと思います。範囲を外れているというよりも、あまりにも、もう議論になるような状態になっていないということであります。そもそも岡山市が検討を進めているこの新アリーナ、もう5年ほど前ですか、2018年頃に経済界が主体となって、岡山市に対し整備要望が行われ、それ以降、経済界と岡山市とで継続的にやりとりを重ねられてきた案件と承知をいたしております。本件に関しては、岡山市において基礎調査を行い、昨年9月に岡山市長が岡山市議会で岡山県への支援要望の必要性について唐突に表明をされ、非常に困惑をしているというのが正直な思いでございます。我々の予算に乗るようなそもそも環境にない。そういう状況ですので、私がさあどうしようかという以前。そもそもで言えば、岡山市の事業の進め方自体に、私、非常に強い違和感を持っておりまして、今回の査定に乗ることにはならない。もう一点、私が問題視しておりますのが、我々(岡山県)に対して十分な説明なしに、いきなり支援を求める岡山市の強引な仕事の進め方について、我々、非常に戸惑っておりまして、びっくりをいたしておりまして、特に、私自身(は)もう10年(知事として)いるとはいえ、元々、行政を目指して教育を受けたわけではないわけですけれども、行政の中にいる県庁の幹部職員の方が、むしろ大きな衝撃を受けておりまして、本来の行政の手続、もしくは役所対役所の仕事の進め方から、大きく逸脱しているということですので、予算査定といった段階の話にそもそもなっていないということでございます。

記者)
 コロナの認識で補足(質問)なのですけれども、知事(は)心配な状況、今、越えつつあるというふうにおっしゃったのですけども、(感染状況が)ピークアウトしているというようなご認識でよろしかったでしょうか。

知事)
 これは別の表現で言えば、ピークアウトしていると申し上げても、(モニターを示し)ここからここまで下がれば大丈夫なのだろうと思います。ただ何度も言いますけれども、コロナというのは大丈夫だと油断をした途端にすぐうつる。感染しているその人に症状があるか、自覚があるかどうかは別として、感染をしていてウイルスを排出している人とマスクなしに近くで会話をすると、もう本当に簡単にうつってしまう。インフルエンザ、風邪と比べてさらにうつりやすいというものですので、とにかく大丈夫だと言っていたら、数日後に自分自身かかっていると。そういうことですので、ぜひ引き続き、基本的な感染予防策は続けていただきたいと思っています。

記者)
 昨日(2月1日)、岡山県と広島県に(おいて)JR西日本の芸備線のヒアリングが始まったと思うのですけれども、ちょっと始まったばかりの段階ということですけども、今の知事のご認識を教えてください。

知事)
 芸備線の今後の利用促進の取組に向けまして、JRさんの考えを直接聞くことができたというのは、有意義なことであったと思っております。とにかくJRさんとそれから我々地元自治体と(は)、これまでお互い協力しながら事業を進めてきた。この地域の住民にとって、非常に大事な交通手段をJRさんが提供してくださっていた。県南なんてまさにそうです。特に県北においては、我々にとって大事なものについてJRさんが経営上の問題で、なかなかこれまでどおりのサービスの提供が難しいと言われているわけです。我々(地元自治体)はこのまま続けてほしい、JRさんはこのまま(続けるのは)難しい(と)、かなり主張に隔たりがあるわけですけれども、お互いが全くお互いの状況を知らずに、もしくは何らかの意見交換、情報開示、会話をせず(に)、双方がこれなら仕方がないと納得できるような着地点にたどり着くというのは、ほぼ不可能でありまして、我々として、国の関与がきちんと見えてくるまで、国がスキームを作ってくれるまで、何らかの交渉に乗ることはできないというのはこれまでどおりです。けれども、お互い(の)置かれている状況について意見交換する、それも我々とすれば、利用促進のために意見交換をするということについては、何ら問題だと(は)思っていないところであります。

記者)
 予算の関係で、知事としたらもうここ数年ずっと厳しい財政状況が続いてるかと思うのですけれども、単年で見ればいろいろ要因はあるかと思うのですが、長期的に見たら、やっぱり社会保障関係費の増、ここがやはり厳しいというふうに考えているのでしょうか。

知事)
 私元々、企業経営者でありまして、そちらの方の教育は受けてきました。ちょっと会社の方がわかりやすいので、(例え話を)会社の方でいかせていただきます。会社の経営が厳しいというときに、(その状況は)大きく分けると2つあります。そこからまたどんどんと枝分かれはしていくのですけれども、一番最初の分け方というのは、バランスシートが壊れているというのと、P/L、損益計算書が壊れている、このどちらかなのです。企業会計における2つの重要な書類というのはバランスシートと損益計算書、この2つです。キャッシュフローもありますけれども、この2つで、典型的にバランスシートだけが壊れている会社というのは、とりあえず毎年黒字にはなっている。カツカツでも黒字になっています。ですから、損益計算書は壊れてはいない。ただし、ものすごい負債を抱えてしまっているので、大変なことになっている。これは家庭の(例えの)方がわかりやすいかもしれません。とりあえず給料の中で生活はギリギリできているのだけれども、マンション投資に失敗したとか何らかのことで、ものすごい、家計で支えるには信じられないくらいの負債を抱えてしまっている家計。これがバランスシートが壊れている状態です。今度はその逆、バランスシートは問題ないけれども、損益計算書が壊れている場合というのがあります。これはさっきの家計で言えば、30万円の給料をもらっている人が、60万円使うことに慣れてしまっていると。とても30万円の生活には戻れなくて、毎月毎月30万円の赤字をどこかから借金して回している状態、これが損益計算書が壊れている状態ということでありまして、20年ほど前、本当に岡山県の財政が厳しかったときに、ここで具体的な名前が言えないのですが、日本に2つ財政が危ないところがあると言われているうちの1つが岡山県。もう1つ(の自治体が)あったわけですけれども、もう1つのところは、いろいろ大盤振る舞いをし過ぎて、その赤字体質が染みついてしまっている。先ほどのこの損益計算書がおかしくなっているケースです。岡山県の場合は、毎月の赤字体質、毎年の赤字体質というよりも、過去にあった大規模な投資があまりうまくいっていなくて、借金だけどかんと乗っかっている。それで(財政破綻をした)夕張(市)のようになるかもしれないということで、すいません、ちょっと長くなっています。岡山(県)の場合は、借金が多いということです。借金が多い一番の問題は、とにかく簡単には返済できないということです。家計で7,000万円負債を抱えてしまったら、毎月頑張って10万円ずつ返済しても延々掛かると、それに近いようなことにとにかく延々掛かると。それともう1つ、我々、他県もそうですけれども、社会保障関係費、これが毎年のように平均で25億円ずつ増えていく。これが今年で終わりでないということが、各県そうだと思いますけれども、岡山県にとっても非常に大きく圧し掛かってきています。知らんぷりをして、この3年だけ回るような財政運営ということも不可能ではありませんけれども、将来の財政運営の幅を大きく狭めることになるのが見えていますので、そういったことも考えながら、去年ですとか、今年度、それから来年度について税収はかなり高い水準です。これは本当にいいことなのですけれども、我々の努力もあったと私は信じていますし、その全体の状況も良かったわけですけれども。市町村(は)固定資産税をメインにしている、固定資産税(による収入)は滅多に変わりませんので、安定財源を持っている市町村と比べて、都道府県の財政はかなり変動幅が大きいです。企業の法人税がかなり大きなウエートを占めますので。ですから、景気が良いときには上振れが大きいですし、景気が悪いと本当にぐっと落ちる。交付税によって、上がったものの75%が差し引かれて、上がったうちの25%しか正味、我々使えない。下がったときはその逆で75%補填してもらえるので、下がり幅は25%で4分の1で済むのですけど、それでも元々の振れが大きいので、去年、今年のように税収が高いときでも、その上がった税収(を)全部使うというのが、かなり怖いことになります。

記者)
 そういった厳しい収支の中でも、とりあえず今年度としても人口減少だったりとか、少子化対策を打ち出しました。必要なところについては、予算をつけるということでしょうか。

知事)
 おっしゃるとおりであります。とにかく財政が(厳しい中)、これも企業の話になりますけれども、過剰な債務に苦しんでいる企業にとって、一番良い投資先は何かというのは、よくビジネススクールの1年目の学生に出される試験問題なのですけれども、もう答えは一択、借金返済です。これは一番、株主にとっても、従業員にとっても、経営陣にとっても良い選択になります。というのは、放っておくとかなり厳しい状況にいってしまうような状況なのです。私自身も、とにかくこの厳しい県財政(を)10年前に引き継いだ。石井前知事が引き継がれたときはもっと厳しかったわけですけれども、それを極力、普通の状態、別に借金ゼロを目指しているわけではありません。必要なときにちゃんと出せる程度の自由度のある状態まで戻すということが非常に大事だと思って、何とか県債を減らす努力をしてきたわけですけれども、前回も申し上げましたけれども、この10年後、20年後の後輩が、もしくは20年後の知事が今の仕事を見て、確かに、何とか岡山県の財政を改善するために苦労してくれたのはありがたいと言ってくれるかもしれませんけれども、そうは言っても、少子化対策にはもっと(力を)入れてもよかったのじゃないか、少子化問題というのは、ある種取り返しのつかないものです。例えば道路を作る、建物を作るというのは、ああそうかということで、2年後に反省をして急いで作るとか、本当はこの道路は10年かけて開通させるはずだったのを、急いで8年で開通させるっていうのは不可能ではないわけですけれども、子どもについては、今年生まれなかった子どもというのは、例えば5年遅れて子どもが生まれ始めたとしても、20歳になるまでには20年かかるわけでありまして、少子化対策というのは、早く始めなければ、その子どもたちが大人になる期間は、どんどんどんどん後ろにずれる。少ない大人が今度子どもを産んでくれる側に回って、今そういう状態になって久しいわけですけれども、どんどんスパイラル的に少子化が進んでしまうということを、我々目の当たりにしているわけですので、ここは思い切って、少子化については力を入れなければいけない。私がその財政の問題よりも、踏み込んで対応をしなければいけない問題があると思ったのは、少子化問題が初めてと言っていいかもしれません。財政の問題こそ、将来の岡山を担う人たちが評価してくれる努力だと、ずっと信じて歯を食いしばって頑張ってきたわけですけれども、その思いが今回の予算に全て出ているわけではありません。予算というのは、なかなか急に変えることはできませんけれども、思いとすれば非常に強い思いで、この予算に反映されていますし、これはこの先((その次の予算、その次)を訂正)の予算で、少なくとも私が知事でいる限りにおいては、より強く反映されることになろうかと思います。また私、予算で全て解決できるとは思っておりません。予算と関係なしに、例えば地元の企業に対応ですとか、協力を求めるということも考えていますし、市町村と一緒に(実施する)、市町村もそれぞれ少子化など(に)力を入れようと思われている首長(が)たくさんいらっしゃるのを、私存じております。ぜひそれぞれの市町村長の皆さんと、より一層緊密に連携して、少子化対策に取り組んでいきたいと考えています。幸い、岡山県内には、奈義町のように良いお手本もございます。全部が全部取り入れられるかどうかは別として、しっかり取り組んでいきたいと思っています。

記者)
 18歳までの医療費について助成するという、全国的に検討されて実施しているような動きがあると思うのですけれども、それについて岡山県として、今現状でどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

知事)
 医療費の問題、子育て中の親御さんにとって、非常に大きな問題であろうと思っています。なかなかいろいろな議論の観点があって、ここで簡単にこうなのですということが申し上げられないのですけれども、子育てというのは、ご自身にとっての喜びでもありますけれども、今、毎年毎年、我々認識をしているのが、子どもたちって社会にとって必要な存在であって、特に3人目以降というのは社会の宝であると。それをご両親の負担のみで育ててもらうということになると、それは確かに3人目、4人目がなかなか珍しくなってきたというのも、そういうことなのだろうなと。何とかして差し上げたいという思いはございます。これは多くの人に共有されていることだと思います。その際、何を応援してあげるのかということは、実は結構大事でありまして、お医者さんから、医療費の助成というのは大事なのだよというふうにお伺いすることもあれば、別のお医者さんからは、無料になると、とにかくコストがないわけなので、本当に俗に言うコンビニ受診が増えて、本当に必要な人をえらく待たせたり、予約が取れなくしたりするので、下げてあげるというのは一つなのだけれども、無料にするといろいろなトラブルが起きるのだよと。大体政治家というのは、無料というふうにしたがるけれども、それで無料にした人が褒められるのだけれども、その先のことも考えて、どういうふうにして応援するかという仕組み作りは大事だよとおっしゃられる先生も何人かいらっしゃるのも事実です。これをそれぞれの市町村や県がするべきなのか、国で統一的にするのかというのは、ずいぶん違った影響を与えます。私とすれば全体のバランスを見て仕組みを入れるというのは、一ついいことだなと思っているのですけれども、それぞれの市町村が、隣(の市町村)がやったのでうちもということで煽り、煽られながらやると、よくあるパターンですけれども、実際この水準がいいだろうということが大体皆さんが了解していても、煽り、煽られだと、その(水準の)線を簡単に超えてしまう。これはこう(上に)抜ける場合とこう(下に)抜ける場合と両方ありますけれども、ですので、私とすれば、きちんとした需給バランスですとか、もしくは、どこを応援するのがこの少子化(対策)に効くのかと、少子化(対策)用の財源というのは無限にあるわけではありませんので、どういう形で応援するのが一番いいのか、効果的なのかということと、公平公正という点で 、皆さんの納得を得られるのかという両面で、ぜひきちんとした議論をしていただいて、できれば全国共通の形で入れる方が本来的には望ましいと思っています。ただ、それだと時間がかかるので、早く動ける自治体が何かするべきだという議論も、私はあるなと思っています。いろいろな、それぞれのある種反対の意見に、それぞれの納得できるポイントがありますので、私はこっちの考えですと、今ここで申し上げることできませんけれども、ただ、特にこの3人目以降のお子さんをお持ちの親御さん、しっかり教育しようと思ったら、なかなか普通の給料では家計が回らないというのは、本当にそうだと思います。どういうふうにして応援するのかと、これもう社会全体で、急いで考えなければいけない問題だと思っています。

記者)
 新型コロナの感染症法5類移行に関して、いずれワクチン費用ですとか、検査費用ですとか、そういうのが過渡期を経て、本人負担をというような話が出てくると思いますけども、それに対して今どのようにお考えなのでしょうか。

知事)
 コロナについても、これは3年後なのか10年後なのか知りませんけれども、いずれ我々にとって未知のものではなくて、既知のものとして、今我々がインフルエンザとして対応しているような対応に多分なるのだろうと思いますし、そうしなければいけないと思っています。インフルエンザも100年前はスペイン風邪ということで、世界中で何千万人殺した凶悪な新型ウイルスだったわけなのですけれど。当面の間、ワクチンについては、私、今でも無料で打てるにも関わらず(接種率が低いと考えている)。オミクロン(株)対応ワクチン(は)、高齢者の方がようやく岡山県で70%の接種率を超えました。全年齢でようやく40%を超えましたけれども、今流行っているオミクロン(株)に対応している素晴らしいワクチンが無料で打てるのに、逆に言えば4割の人しか打ってくださっていないときに、有料になったときに、どれだけの人が打ってくれるのか。ワクチンを打つというのも、ご案内のとおり、正の外部性があります。正の外部性は、釈迦に説法かもしれませんけれども、本人にとってというのではなくて、外の人に、意思決定をする人以外に良い影響が及ぶ場合に正の外部性がありますけれども、みんなが打ってくれると自分は打ってないのに守られるということがあります。打ってくれる方がより強く守られるわけですけれども、そういう良い影響が社会全体に及びますので、私とすれば当面の間は、このワクチンについては無料で打てるようにして、必要なワクチン接種率を維持する、回数、頻度ですとか、そういったことについては、これから国の方で決めていただくことになろうかと思いますけれども、打ってほしいのに有料なので、国がもしくは我々が求めている希望している接種率が、全然達成できないということはぜひ避けたいと思っています。

記者)
 マスクの着用について、個人の判断でというような指針が示されておりまして、これは混乱を招くような可能性もあると思いますけれども、これについてどのようにお考えでしょうか。

知事)
 いずれそうする(マスクを外す)、ずっと我々、死ぬまでマスクを着けているのです(ということは)、これはちょっと耐えられないわけでありまして、ただ、いずれそうなることが、近いうちにそうなりそうだということになります。不思議なもので、エリザベス女王の葬儀の場面を見たりですとか、ワールドカップのサッカー応援の場面を見ると、マスクなしで、ああいうふうにみんなで(行動したり、)盛り上がることができるというのは本当に羨ましいなと。ヨーロッパで出来ているのだから、日本でも出来るはずだと思います。私も思いました。いざ、じゃあマスク外してみましょう、個人の判断にしましょうというと、私、さっきの(モニターで示した新型コロナウイルス感染者数の)感染カーブがずどんと上がってしまうのじゃないか、5類になったらこれまでよりも我々ができることは限られてきますので、かえって県民の命と健康を守るという使命が果たせなくなるのではないかという心配も出てくるわけなのです。極力、煩わしいことをせずに、コロナ前の生活を取り戻してもらいたい。でも、大混乱、失われなくて済む命が失われるようなことは避けたいという、この2つのせめぎ合いですので、我々も3年間こんな生活をやっていて、危ない場面というのは分かっているはずですので、そこはぜひ、社会の共通認識として、ここはさすがに(マスクを)着けておこう、普段は外していこう、今でも数か月前、国の方で屋外かどうか、喋っているかどうか、距離が2m以上離れているかどうか、この3つの条件のうち2つ満たされていれば、外してもいいですよというガイドラインを出し、私(は)適切なガイドラインだと思っています。私も、屋外で回りに人がいないときは(マスクを)外して、携帯をして近くに来て喋りかけられた時には、(マスクを)着けられるようにしていますけれども、そういったことで、少しずつ少しずつリスクのないところから外していくということになればいいと思っています。

記者)
 JRの合同ヒアリングに関して補足の質問です。自治体側としては、個別の赤字の議論ではなく、全体像の中からデータを知りたいということで、特に広島県が、全路線の収支を開示してほしいと申し出ていましたが、初回については、そこの具体的な内容について示されなかったと伺っています。知事としては、合同ヒアリングで利用促進の有意義な議論をJRと続けたいという意向ですけれども、今後のこの合同ヒアリングでJRに求めたい内容については、どういうふうにお考えなのか、ご所見を伺いたいと思います。

知事)
 これはお互いにとって、置かれている状況を理解して、我々は、鉄道のことについて知らないことの方が多い。知識全般としてですし、個別の会社の中身なんていうのは、そもそも知らないわけです。JRさんはJRさんで、地方自治のこととかというのは、もう本来の仕事ではないですから。ですから、お互い自分のことにはえらく詳しくて、相手のことについて全然知らない中で、自分の思いは強く持っていて、相手がどう思っているかというのは結構分からないまま、お互いの思いを述べているというのがスタートですから、少しずつ今こんなことになっているのです、ここは本当につらいですということを開示し合うことによって、少しずつ相手の景色、相手から見た景色も見えてくるということなのだろうと思います。利用促進ということでも、相手のことが全然わかってない上に提案する利用促進というのは、とんちんかんなことになりやすいわけですので、当然相手のことがわかればわかるほどに良い知恵も出やすい、もしくは議論をしやすいということなのですけれども、我々自身、このデータが出ないようでは話にならないという、そこまで具体的に思っているわけではありません。一般的に、知れば知るほど良い知恵が出やすい、もしくはここはどうなのでしょうか、こういう考え方はないですかという議論が、より具体的な議論が、説得力のある議論ができるという思いで、広島県さんと共通の思いもありますし、これが出ないようではもう話にならないというほど、特定のデータが全ての議論を妨げているというのは、一般論とすればあまり思っていないところではあります。ただ、これから議論が進むにつれて、特定でデータの重要性というのが、より明確に意識されるようになったということがあるのかもしれません。

司会)
 それでは以上をもちまして、知事定例記者会見を終了いたします。

知事)
 ありがとうございました。

2012年の記者会見