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2023年2月15日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0836595 2023年2月16日更新公聴広報課
会見写真

令和5年度当初予算案について

 私からは、令和5年度の当初予算案を取りまとめましたので、その概要をご説明いたします。
 まず、要求段階からの変動についてご説明いたします。お手元資料1の「令和5年度当初予算要求額からの増減」の「一般会計の計」をご覧ください。要求段階から約2億5,900万円の増となり、予算額は8,021億7,300万円となっております。
 2ページ以降には、先般の予算総括協議会等での議論も踏まえ、私が追加した事業についてお示ししております。事業の追加にあたっては、少子化対策をはじめ、脱炭素化やデジタル化などを中心に「生き活き岡山」の実現に向け、一層力を入れたい事業について検討したところであります。
 まず、教育の再生に係るものとして、(1)番では、来年度から新たに設ける教育環境充実枠の評価項目数を拡充いたします。また(2)番では、長期欠席・不登校への対応力を高めるため、別室支援員の配置人数をさらに増員いたします。
 次に、産業の振興に係るものとして、(5)番では、県内企業へのインターンシップ参加をさらに促進するため、マッチングフェア等の開催回数を増やし、学生の県内就職や企業の人材確保につなげてまいります。
 次に、少子化対策に係るものとして、(6)番では「おかやま縁むすびネット」の登録料を無料にするとともに、スキルアップ講座等の開催回数を増やし、総合的な結婚支援策を強化いたします。(7)番では、新たに「ももっこカード」のアプリを開発・導入し、利用者の利便性向上や子育て家庭への情報発信力の強化に取り組みます。また、(8)番の少子化対策に挑戦する市町村に対する支援内容の拡充や、(9)番の県内企業の多子世帯向け子育て支援等の取組の調査など、市町村や企業とも連携して少子化対策に全力で取り組んでまいります。
 次に、脱炭素化に係るものとして、(4)番のEVシフトに対応した新規販路開拓支援のための県外調査員の配置拡充、(13)番のZEH等の省エネ効果の高い設備等の導入に対する補助見込みの増額などを行ったところであります。
 次に、デジタル化に係るものとして、(12)番では、ICTや3次元デジタル地形図等を活用し、高精度かつ効率的な道路の維持管理が可能となるシステムを整備するほか、(16)番のSNS等の情報分析によるデジタルマーケティングの推進、(17)番の市町村のDX推進に対する支援の拡充などを盛り込んだところであります。
 このほか、(15)番では、河川ごみ等の回収を一層進めるため、市町村と連携し、ボランティアの方々が回収した河川ごみ等の運搬・処分や事前の草刈り等を実施いたします。一定規模以上の運搬・処分費用については、県管理エリアの内外に関わらず、県が負担することといたします。
 続きまして、お手元資料2の「令和5年度当初予算のあらまし」をご覧ください。
 1ページですが、令和5年度当初予算の規模は、一般会計で前年度比5.1%、388億円増の8,022億円となっております。
 6ページをご覧ください。来年度当初予算では、財政調整基金を75億円取り崩すこととしております。
 7ページには、今後の財政見通しとして、向こう5年間の試算をお示ししております。物価高騰による行政運営コストの増加などにより、今後は、取崩額が増加する見込みであります。
 12ページをご覧ください。当初予算のポイントでありますが、全ての好循環の元となる教育の再生と産業の振興に加え、特に少子化対策については、本県の将来を見据え、「できることは、すべてする」という強い思いで、これまで以上に重点的に取り組んでまいります。
 13ページをご覧ください。これまでの説明と重複する部分もありますが、あらためてご説明いたします。「教育県岡山の復活」についてであります。
 主な重点事業でありますが、「私立学校の教育環境の充実に向けた支援」では、私立の全日制高校における教育環境充実の取組などを支援してまいります。また、公立学校に対しては、ICTを活用した学習内容の確認テストや個別最適な学習推進モデル事業などに取り組み、学力の着実な定着を図ってまいります。また、SNSを活用した相談窓口の設置、登校支援員や別室支援員の配置等による長期欠席・不登校対策などにも取り組んでまいります。
 14ページをご覧ください。次に、「地域を支える産業の振興」についてであります。主な重点事業でありますが、「産業団地開発促進事業」では、市町村が行う産業団地開発に関連して実施する施設の整備等への支援を拡充し、県内への新規企業立地や投資促進を図ってまいります。また、海外プロモーションの強化や、岡山桃太郎空港における国際定期路線の安定的な運航に向けた支援などにより、インバウンド回復を見据えた誘客促進にも取り組んでまいります。
 15ページをご覧ください。「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」に基づく流域治水の推進など、国の経済対策に呼応した施策については、主に11月補正予算・追加分として編成したところであり、来年度予算と一体的に執行してまいります。
 16ページをご覧ください。子ども関連予算は、219億円となっております。市町村や企業とも連携しながら、出会い・結婚、妊娠・出産、子育てといったライフステージに応じた支援を切れ目なく総合的に実施し、少子化の流れを変えるべく、全力で取り組んでまいります。
 18ページをご覧ください。脱炭素化の取組の中でも重要な分野であるEVシフトへの対応には、引き続き、力を入れるとともに、県内企業のグリーン成長分野への参入促進や、水島地域のカーボンニュートラル実現に向けた取組などを進めてまいります。
 19ページをご覧ください。行政のデジタル化と合わせ、教育や産業など各分野において、デジタル技術やデータを活用し、社会全体のデジタル化を推進してまいります。
 20ページをご覧ください。コロナ関連予算は488億円、これまでの累計で3,903億円となっております。病床の確保に対する支援などを引き続き実施してまいります。
 22ページをご覧ください。豪雨災害関係予算は46億円、これまでの累計で1,710億円となっております。復旧・復興の総仕上げに向け、再度災害防止のための改良復旧工事の完了を目指してまいります。 
 令和5年度当初予算案の概要は、以上でございます。
 社会保障関係費の累増等に加え、物価高騰による行政運営コストの増などにより、厳しい財政状況が続きますが、そうした中でも、教育の再生や産業の振興はもとより、少子化対策、脱炭素化やデジタル化など、必要な事業はしっかり盛り込んだ予算になったと考えております。
 併せて、コロナ対応や復旧・復興の総仕上げにも取り組み、「生き活き岡山」の実現に向け、全庁一丸となって進んでまいりたいと存じます。
 私からは、以上でございます。
 

質疑応答

記者)
 今回の予算で、規模も知事就任後最大となりました。ウィズコロナの姿勢をこれまで以上に鮮明化されたようにも見受けられますが、あらためて今回の予算編成(を)どういう思いで、どういうテーマで臨まれましたでしょうか。

知事)
 これまでの基本的な考え方は変わっておりません。とにかく財政を悪化させてしまうと、そのツケは大きく後生に残っていくということですので、健全財政という大きな柱は守らなければいけない。ただ、今税収が少し伸びているということもあります。教育と産業、この2本柱、これについては相変わらず、今、私(は)好循環の成果が表れてきていると判断をしていまして、ちょっと(例を)挙げると、例えば(学校の)荒れの問題、もうほとんど全国的な比較で言えば問題にならなくなりました。学力も戻ってきました。投資も非常に高いレベルで岡山県になされている。それ以外のところ、例えば、平均寿命、岡山県が非常に伸びがいいですとか、教育、産業以外の分野でいろいろな恩恵が出てきている。スポーツですとか、文化で活躍している(ことについては)、私はその一環だと判断していますけれども、ただ、うまくいっていることはこれまで同様、もしくは以上に続けていくのですけれども、少子化の問題については、これは、これまでもじわじわ(対策を)出してきたつもりなのですけれども、きちんと明確に位置付けて、今日の(予算のあらましでの)絵にも書きましたけれども、これまでずっと教育(と)産業、これが2本柱、好循環のもとなのですという絵を書いてきましたけれども、そこに初めて(モニターを示しながら)、12ページ、少子化対策というものが、私はここに位置付けるべきものなのじゃないか、この少子化対策がきちんと出来ずに、どんどん今の少子化を許してしまったら、人口がどんどんそれぞれの地域で減っていく中、打つ手が非常に限られてしまうということで、まさにこれは好循環の根っこのところだと位置付けたのは、大きな違いだと思っています。ちょっと5年ほど振り返ってみれば、(平成30年7月)豪雨災害は大変な災害でありまして、この災害にあたって、私はこれまでずっと健全財政ということで借金を減らして、いざというときに対応できる機動力を持たせたいと思って努力をしてきたわけですけれども、それが一部生きて、ある程度動くことができました。一時的には財政を悪化させてでも、きちんと災害からの対応、災害への対応に取り組むということで、県財政の(うち)、県債残高の推移、皆さんのお手元の(予算のあらましの)9ページにありますけれども、この2013年から2018年までグッと減らした県債残高、特に我々の責任で減らすことが出来る通常分については、9,225億円から7,821億円と、ぐっと抑え込んだわけですけれども、そこから2023年、5年経った時点でどうなっているかというと、(グラフの)オレンジ色の部分、それから赤色の豪雨災害部分、ここが増えている。これまでのトレンドとは明らかに違う、これは対応せざるをえないということで対応しました。またご案内のとおり、この3年はコロナがあったと。災害対応とコロナ対応(は)非常に大事なことですので、本当に普段の仕事でも、予算を立てる上でも、非常に大きなテーマになってきました。ただ、ずっとこのコロナを言い訳にしないというふうに、この3年言ってきたように、だからと言って、他のところがお休みにしていいわけはない(という)わけでありまして、少し反省とすれば、災害対応、コロナ対応で他のものも言っていたのですけれども、ずっと去年、一昨年めくっていればそれぞれ(他の大事な事業も)あったのですけれども、(災害対応とコロナ対応以外のものが)メッセージ性として弱かったのじゃないかというような反省でありまして、それぞれやっていくのだけれども、やはりもう基本に戻って、未来のために必要なことを今やっていくのだということを、県民の皆さんとともに、今日の説明でいくつか言いましたけれども、市町村とともに、もしくは企業とともに、それぞれの地域の団体の皆さんとともにやっていくということが、今回の予算で大きく出したメッセージでございます。いろいろなやらなければいけないことはするのだけれども、それをやる、やった上で、将来に向けて今やらなければいけないことを、先頭に立ってやっていくのだというのが私の強い思いであり、今回の予算に込めたメッセージでございます。少しこれまでよりは、じわりというぐらいですけれども、踏み込んだものになっています。実際、この予算規模は、これまでの最高になった一番の理由は、例えば国庫補助でコロナ対応をすることにしています。それがこの額からすると、どっかんと(予算に)乗っています。その思いでじわりと出たものが、額からするとそこまでとは全然違うのですけれども、我々の思いとすれば、非常に大きいものがございます。

記者)
 そういった意味で、今回の予算を命名するとするならば、何予算というふうに名付けますか。

知事)
 とにかく名前は付けないように、名前を付け出すとマンネリになったりとか、いろいろ(影響)するのですけれども、アフターコロナに向けての第一歩ということが、今聞かれて、今思いついた程度の話なのですけど、これまでもとにかくコロナの出口が見えない中で、何とかベストを尽くすということだったわけですけれども、マスクについては3月13日から対応が切り替わる。また、(新型コロナウイルスの感染法上の)位置付けについては、5月8日から5類((相当)を削除)になるということで、既にもうヨーロッパではマスクなしで、普通にかなりいろいろなイベントができているということですから、いよいよコロナ後を見据えた、いろいろな予算ということになろうと思います。

記者)
 コロナ関連予算のことで伺います。制度上、病床の確保継続など488億円となっていますが、知事もおっしゃられたとおり、この1年はポストコロナ、アフターコロナをどう具体化していくかという1年になると思います。コロナ関連予算以外の、教育や産業などの費目で、やはりアフターコロナを意識した事業があれば、知事の方からご紹介いただけないでしょうか。

知事)
 全て(の事業が)、やはりアフターコロナになりつつあることを思いながら、ずっと協議をしてきましたので、教育でアフターコロナとか、これでアフターコロナということになると、さあどれに当たるのだろうということなのですけれども、ただ、これまでとにかく出来ないことが多かったイベントですとか、出張ですとか、留学ですとか、特に移動ですとか、みんなで集まるということが、出来ないことを前提に考えざるを得なかったものが、ようやく3年前、4年前に出来ていたことがまた復活するという前提で、いろいろなことが考えられるようになってきているというのは、非常に嬉しいことだと思っています。それは予算の項目として出ているというのは、例えばインバウンドの拡充のための、これまでキャンペーンを打とうとしても、そもそも外国に行けなかったので、そういうもの(キャンペーンなど)を計画しなかったもので、計画されるようになったですとかというところに、顕著に出てくるわけでありまして、あと、教育の中で私(の知事としての任期の)3期目から、顕著にグローバル対応ということを言っていたのですけれども、留学が事実上出来なくなってしまっていたので、開店休業状態だったわけですけれども、これからまたきちんとそういったことが再開できるというのは、楽しみにしているところであります。項目としてはありませんけども、全てのものについて、対応の幅が以前と同じ広さに広げられるというのは、非常に楽しみなところです。

記者)
 これまでも少しお話されていますけども、なかなか切り分けて説明するの難しいかもしれませんけども、コロナ関連予算、コロナ対策というところで、5月からの感染症法上の5類移行、マスク着用(緩和)というようなことがありますけれども、この時点でまだ当初予算にはなかなか反映されていないかもしれませんけれども、そういった変化のところを踏まえて、今後のその(コロナ)対策内の配分のバランスですとか、そういうようなところで変わってきたりするようなところはあるのでしょうか。

知事)
 予算を立てるときに、まず歳入は堅めに(少なめに)ということと、歳出というのは多めにというか、想定よりも必要な額が多くなったのだけれども、予算計上していないよね、途中から動けなくなりましたということを防ぐということで、上向きに、保守的に(予算を)立てるというのはあります。コロナ予算に関しては、この第7波、第8波ではないのですけれども、第7波相当の波が年度3回来ることを想定して、必要な予算を立てています。そのほとんどについては、国庫10分の10(負担)ですので、(予算を)立てておいて必要なかったらそれは使わないというか、そもそも国庫も来ないわけですけれども、いずれもし波がそんな数来なかった、もしくはずいぶん小さかったということになったら、減らすことになるのだと思うのですけど、それは我々自身の財源にはほとんど関係ないということはございますけれども、これからコロナ後、極力これまでやりたかったことをするという感覚で(経済を)回していきますし、予算はそういう波が3回来ても大丈夫なように立てているということになります。心配なことと楽しみなことが両方、今の時点ではかぶって盛り込んだ予算ということになります。

記者)
 一般医療機関で診療ができるようになっていくような、変化という部分に対して、病床の確保も含めて、そこのところは何か変わってくるようなところあるのでしょうか。

知事)
 (新型コロナウイルス感染症の感染症法上の)5類への移行に関して、病床の確保をどういう形でお願いするかということについては詳細が定まっておりません。これまではコロナ(患者)を受け入れてくれるという、受け入れることになった病院に対して、病床確保料を払っていたっていう(ことです)。5月8日以降は、今の時点では病床確保料というものは払わない中で、原則全ての病院が、今インフルエンザ(患者)を(病院に)受け入れてくれているような形で受け入れてもらうという、それが果たしてどれぐらい実際に受け入れてもらえるのかということが問題にはなっていて、全国知事会を通して、国の方にきちんと対応してほしいというお願いはしていますけれども、そこについて実際どうなるのかということで、支出の内容も違ってこようかと思います。我々とすれば、この5月8日以降も全く国が手を離すというのではなくて、ぜひある程度、これまで同様、国が財政的にも責任を持っていただきたい。そうでなければ、財政力のあるところは自分たちの財政の中から対応できるけれども、そうでないところは、コロナ対応が事実上出来ないということになりかねないというのが、全国知事会で共有している懸念でありまして、それによっていろいろ、我々の支出の具合も違ってこようかと思いますけれども、いずれにしても国庫で出るのか、我々(県)のこの貴重な財源の中から捻出せざるをえなくなるのか、コロナ対応、必要な対応が出来るように、国とも連携しながら(実施)していきたいと思っています。

記者)
 先日(2月10日)、岡山市長の会見で、岡山市が進めているいわゆる新アリーナに関しまして、検討にあたって県の参加は不可欠であり、県に説明する機会をいただきたい旨の発言がありました。県として、どう対応されるおつもりかお聞かせいただけますでしょうか。

知事)
 そういう発想が、そういう発言があったというのは聞いているところでございます。岡山市の新アリーナ構想につきましては、今月9日付けで県に対して、今の状況を説明する機会をもらいたい、今後プロスポーツの振興についても意見交換をしたいという趣旨の文書が通知をされたところでございます。私の認識といたしましては、これまで(岡山)市側からの説明を拒んできた経緯というのは全くありませんで、むしろその逆なのですけれども、(岡山)市が支援要請の根拠としている新アリーナの経済波及効果、この経済波及効果が高いからということを根拠にしているわけでありますけども、その積算内容について、ちょっとよくわからないのですよと。我々が思っている内容とずいぶん違いますねと。どういう積算をしたのですかということを、何度も何度もお伺いしても、実はいまだにその回答をしていただいていません。なので、説明が出来なかったというのじゃなくて、我々むしろ説明を求めてきたにも関わらず、その説明をしていただいていないというところで、ずいぶん認識にズレがあるなというのが、まず指摘をしておきたい点でございます。また、前回の(2月2日の知事定例記者)会見でもお伝えしましたけれども、十分説明をせずにいきなり支援を求める、その岡山市の行政としての仕事の進め方に対して、今なお私、違和感を抱いている。私は元々行政のプロではないので、違和感ぐらいですけれども、行政経験の長い岡山県の幹部職員は、私以上に強烈な違和感プラス、行政に長くいれば、こんなことあり得ないというのは向こうも分かっているはずだという、本当にびっくりしているような仕事の進め方であるということは、お伝えしたいと思っています。さらに言えば、市長が会見の中で、プロスポーツの振興を県と一緒になって検討していくことが大事だと、重要と言われているそうでありますが、もしそうであるならば、いいことなのですけれども、この県総合グラウンドの建設事業負担金の案件、まさにプロスポーツを県と(岡山)市が一緒に支援するという側面があったわけでありますけれども、当時そのような主張が全くなかった。とにかく我々(岡山市)の負担を減らせ減らせという話で、もし一緒に盛り上げようという思いがあるのであれば、ずいぶん言い方、伝え方は違ったのじゃないかなと。何か都合のいい時に、都合のいいロジックが出てくるものだなということがございます。ただ、県内のトップクラブチームの支援については、県としてもこれまで様々な形で取り組んでまいりました。今後、市が新アリーナの整備を検討するにあたって、例えば県が所有しているジップアリーナと利用調整ですとか役割分担、きちんと調整できると、これまで一つだったものが二つになって、ずいぶん使い勝手がよくなったなということになりますし、いやいやもう勝手にやってくれ、我々は我々のルールでさせてもらうし、あちらはあちらのルールでということで、それぞれのスポーツチームからすると、とりあえず両方に予約入れておかないとちゃんと出来るかどうか、お互い(新アリーナとジップアリーナ)で調整しないのだから、わからないということで、ダブルブッキングに結果的になってしまったとか、そのせいで、フルに使うことになっていないですとか、ちぐはぐなことが起きることが容易に想定できますので、いろいろ違和感ですとか思いがありますけれども、できた暁には、ぜひともこの調整をうまくやって、使う側、プロスポーツチームですとか、そういった皆さんから扱いやすいな、よかったなというふうに言っていただけるように協力するというのは、間違いなくしていこうと思っているところでございます。そういうことで、我々、ほとんど何もわからないまま、教えてもらえないまま、どんどん県の関与をというふうに言われても、大変戸惑っているというのが実情でございます。

記者)
 今の点で申し上げれば、最後の部分というのは、完成の暁に調整ということは、当然もちろんチームのためにも応じるという趣旨だと思うのですけれども、今、経済波及効果(の積算内容など)と投げているものが返ってきてないものに関しては、引き続き、レベルが事務レベルでありながら、そこは聞いていくということは変わりないのでしょうか。

知事)
 もうずいぶん前から、県のお金を出すべきだというふうに、突然(岡山)市議会で表明をされてびっくりしたわけですけれども、その根拠となっているのが、経済波及効果が大きいのだからという、その経済波及効果をどういうふうに出したのかということすら、いまだに説明がないのです。我々じっと待っていたのじゃなくて、ぜひちょっと説明してくださいよと、何度もお伝えしたにも関わらず、説明していただいていない。実際、きちんとした会話が成立をしておりませんので、まず我々が理解をするためにも、きちんと必要なものについては説明をしていただく、それがまず第一歩なのじゃないかと思っております。

記者)
 今回の予算の話なのですけど、少子化対策、コロナ対策に目が映りがちになるのですが、当初から言われている教育再生、今回、不登校対策だったりとか、学力向上にも予算を振り向けていると思うのですが、このあたりの知事の思いをお願いします。

知事)
 とにかく私自身、先ほどの話とちょっとかぶりますけれども、災害からの復旧復興、これはしっかりしなければいけない。コロナの対応、その感染拡大防止ということもそうですし、その感染拡大防止のために、ずいぶんいろいろな、例えば飲食ですとか、観光ですとか、いろいろな業界、いろいろな地域の経済活動を抑制せざるを得なかった。そこの手当をどうするのだ(ということで)、いろいろなことに取り組んできたわけでありますけれども、ようやくコロナの出口らしきものが見えてきた。そのときに一旦、ちょっと立ち止まって、さあ、今からこの10年後、20年後の岡山のために、今何をしなければいけないのだということをじっくり考えてみたときに、必要なものについて、必要なメッセージを出して、みんなで取り組むというのが、今回、私がこれまでよりも、かなり踏み込んだ知事査定をさせていただいた理由の一つでありまして、それぞれにメッセージが出ております。先ほどお話ししたとおり、知事査定のこの(1)番から(17)番までありますけれども、とにかく私立学校を応援するよ、不登校(は)全国平均と比べると、岡山(県)は改善しているのですけれども、全国的にどんどん増えていますので、不登校になるとその子の人生、ずいぶん、かなりまずいことになります。出来るだけ早く戻ってもらわなければいけないということで、支援員の増員をする。また、悩んでいる青少年、何とか支援をしてあげたいということで、これまで電話(相談)だったものを、SNSを活用するのですけれども、お試しということで、とりあえず少しずつ少しずつということで、期間限定で対応しようということになっていたのですけれども、かなり評判も良いので、もう思い切って通年でいこうと。お試しステップを一つ飛ばして進めようということをやりましたり、EVシフトに関して販路開拓の支援、やっぱり東海地区というのは車ということが大事なのですけれども、東海地区だけじゃなくても、関東、九州にも調査(間違い(支援)を訂正)員を置こうですとか、インターンシップ、これは学生がいかに県外に進学したとしても、岡山に戻って就職してもらえるかというのは、岡山の元気、産業、もしくは人口のことを考えても非常に大事ですので、このインターンシップの回数(を)増やそうということであったり、縁むすびネット、非常に好評なわけでありまして、少子化対策でよく第1子の壁というのは結婚するかどうか、第2子の壁というのは男性、旦那さんの協力が得られるかどうか、会社の協力も含めてですけれども、第3子の壁が経済的にちゃんと育てられる自信があるかどうかというのはよく言われる。当然、それぞれ、それだけではありません。複合的な要因がありますけれども、第1子の壁を越えなければ、定義上第2子の壁、第3子の壁(は)越えられないわけでありまして、やはり日本の場合、結婚するかどうかというのは、すごく大きなファクターになっているわけですけれども、結婚したい人の比率は、いろいろなアンケートでずっと高いままなのですよね。いい人さえいれば、いいタイミングがあればということで、50歳の時点で未婚だと生涯未婚率ですけれども、40(歳)とかの時点、35(歳)とかの時点で聞いても、いや、もっと早い段階で巡り合って結婚をしておきたかったっていう人は、かなりアンケートごとに高い率で回答が寄せられるということは、やはりきっかけづくりを、我々もっともっと頑張るべきだと、その方々の幸せのためにも、地域のためにもということで、(縁むすびネットの登録料を)半額ということを考えていましたけれども、これを思い切って無料にしてみようということであります。ももっこカードについても、アプリにしてより使いやすい、若いお母さんにとって使いやすいようにしようということであります。少子化対策に挑戦する市町村についても、バックアップ(を)もう少し踏み込んでいこう、企業とタイアップできるように調査は進めようということですし、防災シンポジウムもやりますし、DXを使って防災ですとか、もしくは人手がかかるものを何とか置き換えて、この貴重な人材を有効に活用していこうですとか。ZEHの市町村支援というのは、いろいろな脱炭素化ということもありますし、今、電気代高騰対策ということで、時間はかかるけれどもこれほど有効な対策はないということで、日本の断熱化というのは、ヨーロッパ、アメリカと比べて非常に遅れています。未だにアルミサッシが当たり前に使われている国というのは、先進国でもう既に珍しくなってしまって、ものすごく熱を通しますから。いくら壁に断熱材を入れても、窓から、冬であれば熱がダダ漏れですし、夏であれば外から熱がうわっと入ってくる。これを許していて、冷暖房をガンガンかけているというのは、やはりちょっとあり得ない話ですので、ぜひ日本でも岡山でも、断熱、窓までも含めた断熱というのを当たり前にしなければいけないと。その第一歩ということになります。あと、EVを進める上で、EVの普及率(は)日本はもう諸外国と比べて非常に低いままですので、もっともっとEVが目に付くようにしていこうですとか、これ(15)番(河川ごみ等改修促進事業)私も非常に嬉しく思っていますけれども、河川ごみ、海ごみについては、私、ずいぶんぎゃーぎゃー言ってきたのですけれども、なかなか多くの賛同を得られずに予算化できていませんでした。ただ、これはようやく、2年、3年前でしたか、(県内)27全市町村、海に面してしていない市町村もこれは取り組みますということで共同宣言を行った(間違い(協定を結ぶことができた)を訂正)。そのあたりからずいぶん空気が変わってきましたけれども、日本財団さんが瀬戸内オーシャンズX(間違い(プロジェクトX)を訂正)ということで、どんどんお金を出していただいて、ホットスポットを調べたり、回収する事業に対して支援をしていただく。また、民間団体に対しても支援をされる。ここであえて言うかどうかあれですけれども、そのうちの一つ、山陽新聞さんがご応募をしていただいて、非常にキャンペーンを張っていただいて、ずいぶんムードが変わってきたように思います。ぜひこの機会を生かして、それぞれの市町村、どうしても役割分担というか、普段は役所ごとで言えば、権限を取り合うような関係になるわけなのですけれども、ごみ問題については、いやいやこれはあなたのところで責任ということで、押しつけ合うことがずっと見られておりました。我々としても、さすがに県の責任でないところを、あまりわかりました、ここを(県が責任を)取りましょうというと、際限なく予算化されていないところの費用が膨らんでしまうので、これまでなかなか県に直接責任のないところのごみの回収というものには、踏み込めなかったわけなのですけれども、これを続けていても、お互い押しつけ合ってどうしようもないということで、あえて普通の役所でやらないことですけれども、自分たちの責任外のものであっても引き取りますと。結構(費用が)かかるのでしょうけども、とにかくごみの対策、海ごみ、川ごみの対策については、ここまで機運が盛り上がった。私は知事になって10年経ちましたけど、ここまで機運が盛り上がったことはなかったわけでありますので、このタイミングで模範を示す勢いでやっていくというのが(15)番ということになります。あと、ソーシャルメディア、きちんと使ってデジタルマーケティングしていきますよ、市町村のDXについても、我々支援をしていきますというのが(17)番であります。私としてもそれぞれ、そんなにものすごく大きな額でないにしても、非常に思いの強いものについて踏み込んで出させていただく。このうちのいくつかが数年後、かなり大きな予算として岡山県の予算の中に入っていくのであろうと思っています。それが大きく育つのか、単なるトライで終わるのかというのは、これからも県民の皆さん、地域の皆さんの評判、受け入れられ方によっていますけれども、私とすれば、かなり楽しいな、筋のいい将来の岡山県の皆さんから、これなかなか良いの選んだねというふうに思っていただける可能性の高いものを選んだつもりでございます。

記者)
 教育再生は、知事就任以降ずっと言われてきたと思うのですけど、今回予算の編成の制約も多い中で、教育予算についても十分に振り向けられたと知事は感じていらっしゃいますか。

知事)
 教育予算は、もともと最大費目のようなところがありまして、特に教育予算のかなりの部分(は)人件費ということですので、なかなか簡単に1割増しみたいなことにはならないのですけれども、ただ、ずっと思ってきたのが、予算が急激に増えないまでも、いかに限られた予算をうまく使うかということについては、ずっと工夫をしてきた、みんなで議論をしてきたところでございます。例えば、非行率がグッと落ちた、暴力行為の発生件数がグッと落ちた大元になった施策というのは、学校警察連絡室だと私は信じていますけれども、そこに当てられた人数は、確か23人((23人か24人)を訂正)であります。これは全ての学校の先生が、その当時(は)16,000人といたその人数、もしくは警察(職員)の4,000人からすると、本当にわずかなのですけれども、その20人ちょっとの人たちが、学校の先生と連携を取りながら、ものすごい働きをしてくれたですとか、私が最初に中学校を視察したときに驚いたのが、早島(町)ですとか和気(町)に行かせていただきましたけれども、先生が全てのことをやっている。思い返せば私が中学生のときもそうだったなということなのですけれども、それというのは、私からすると病院に行ったら、なんとすごく忙しいはずのドクターが、注射もするし、いろんな準備をしているし、会計のところもドクターが担っているし、予約の電話もドクターが受けているという、そういう病院だったらなかなか大変だと思いますけれども、学校ではそういうことが当たり前に起きている。学校において、先生というのは非常に希少な資源なわけですけれども、その先生が先生でなくても出来る仕事に、ずいぶん時間をかけざるをえないことになっているので、ぜひ、教員ではないけれども、先生を助けてあげる仕組みというのを、もっともっと組織的にしなければいけない。今、事務の仕事を代わりに請け負ってくれる支援員(が)ずいぶん配置をしていますし、もしくは部活の支援をする人がずいぶん入ってくれているですとか、不登校の支援をするですとか、いろいろな悩みごと、相談ごとについて、それぞれの専門家であったり、もしくはそこまでスキルを必要としないものに対しての支援をしてくださる方がいて、総合的にずいぶん先生をバックアップできているのじゃないかと思っております。予算額として、ものすごい巨額の予算ではなくても、いかに学校現場、今でも先生の負担の加重になっています。これを何とかしていく、子どもたちに向き合うことが出来るようにということはずっと考えてきました。

記者)
 JRのことをお伺いします。先日、国の方も閣議決定の方でローカル線の再編とか、国の関与も決まってきましたけども、そのあたりの受け止めを教えてください。

知事)
 JRの問題について、国が少しずつ関与を明確にしてくれているということについては、歓迎をしたいと思っております。我々とすれば、何とか今は路線があるわけですから、このままJRさんが頑張って路線を維持してくれればいいよなという現状維持を願う地域の立場を代弁しているわけですから、あまりどんどんどんどん積極的に話を持って行きたいわけではないわけなのですけれども、ただ、我々としても、放っておいて気が付いてみればみんなが満足するような結論にたどり着いていた、みたいな都合のいいことにはならないだろうということは理解をしていまして、いずれこの協議の場、話し合いを情報交換から始めて、話し合いをして、お互いにとって、これならとなる案にたどり着かなければいけないのじゃないかという気持ちはあります。ただ、その際、JRさんとこの地元の自治体だけで話し合って、いい案になるとはなかなか思えない。市町村で完結するこの公共交通については市町村にお願いをして、市町村をまたぐ基幹的なものについては、県が乗り出していって、財政的支援も含めて関与をしているということを、外装的な発想ですけれども、今問題になっているJR在来線については、県境をまたいでいますので、我々だけで完結していないということもありますし、ぜひ国にこれまで以上に踏み込んで、相談に乗っていただきたい、場合によっては財政的な支援をいただきたいというのが、我々の本音でありまして、国がこれまでよりは関与をするという姿勢を見せているように我々には見えるわけですけれども、ぜひ国も入って関与をしていただいた上で、JRさんとどこかの時点できちんと対話を始めていくことになろうかと思います。

記者)
 当初予算の中で、JRの利用促進事業に力を入れていますけども、このあたりの狙いと、データ分析に重きを置かれているのかなと思いますけれど、このあたりについてもご説明願えますか。

知事)
 利用促進については、これは我々とすれば常に続けていかなければいけないものだと思っています。これは釈迦に説法ですけれど、公共交通というものは、ポジティブフィードバックというか、みんなが乗ればどんどん良くなる、もっと乗りたくなる。みんなが乗らないとどんどん採算が悪くなって、投資がなされなかったり、間引きをされたり、どんどん乗りたくなくなってしまうという、(ジェスチャーを交え)こういうふうに寄っていくのじゃなくてこういうふうに離れていくという、思想の管理で言えば、熱いよと文句言われたとき、はいわかりましたと言ってもっと熱くされてしまう。寒いよって文句言ったら、はいわかりましたともっと寒くされてしまうようなことは、公共交通には起こりがちですので、ぜひ悪い方で収れんしないように、利用促進をするというのは本当に大事なことだと思っております。それともう一つは、我々実は、どういう人がどういうふうに使っているのかというのを本当の意味でわかっていないということがあります。JRさんからデータを教えていただくというのも大事ですし、我々自身が、地元の方、地元じゃなくてもいいですが、実際にどういう方が使われているのか、どういう工夫の余地がありそうなのかということをきちんと調べるというのが、非常に大事なことだと思っています。

記者)
 先ほど、知事の説明の中で3月13日からマスク(着用)が任意になりますという話がありましたけれども、いろいろマスクを外していい環境づくりをされていくのかとか、こと公務において、マスクについてどういうふうにされていくとか、何かお考えがあれば教えてください。

知事)
 これについては、もう少し(マスクを)はめておきましょうねということでも、非常に説得力のある議論をする事ができますし、いやそろそろ外しましょうという立場でも、かなり説得力のある議論ができます。それぞれのやっぱりマスク大事だという、もうちょっと勘弁してくれよという、全然立場の違う方々でも、時と場合によるよねというところについては、大体歩み寄れるのだと思います。広い公園の中で周りに誰もいない時に、それでもつけてなきゃいけないというふうに思う人は、今の日本ではもうずいぶん少数派になっていると思いますし、狭いところで、わーっと喋らなきゃいけないところに、高齢の方がいらっしゃったら、さすがにこれはマスクつけようよということも、多分、多くの方が同意されるのだと思います。どう見たって(マスクは)いらないよねというところと、どう見たって(マスクは)つけておいた方がいいよねというところで、少しずつ行ったときに、どのあたりで線を引くべきなのかというあたりは、なかなか悩ましいところで、今、国の方で、それぞれの場面場面について、これは外してもいいじゃないですか、これはつけておいた方がいいでしょうということを、いろいろ出してくれ始めているというのは歓迎をいたします。保健福祉部の方で議論に上がっているのが、その場面を全部頭に入れておいて、これはどっちだったっけという、そういう記憶力に頼るみたいなことも一つあるのですけれども、もう少しわかりやすい大原則というものを、考え方を示していただいて、その考え方を当てはめると、大体そこまで記憶力良くなくても、こういうことだなということが言えるようなルールがあると、ありがたいなということは思っていて、それは全国知事会を通じて要望として出しているわけですけれども。(国がマスク着用の考え方を)出してないかというと、出しています。数か月前、もう半年前ぐらいですか、屋外かどうか、喋っているかどうかで、距離が十分空いているかどうか、2mでしたか、という3つの項目のうち2つが当てはまったら(マスクを)外してもいいですよということが発表されている。非常にいい考え方だと思います。それをもう少し広げて、いろいろな場面で判断できるような指針、指標をいただきたいなと思っております。

記者)
 岡山市との関係のところでアリーナとは別に、建設事業費負担金の方でお伺いしたいのですけども、当初の予算を組むとして、50%は歳入見込みで立てられていると思うのですけども、話し合いの協議の場もするという考えもありますけども、そのあたりどういうふうに考えられていますでしょうか。

知事)
 (予算全体の)8,000億円の予算の中では小さいことなので、我々とすれば、順調に、そもそも2年前でしたか、3年前でしたか、契約をしたものを、工事もするし支払いも受ける、我々自身が建設会社に支払いするという、そういう一連の流れの中でやっていますので、順調に進むことを前提に予算を立てていると、私は了解をしています。我々自身が。

記者)
 財政調整基金のことで伺いたいのですけれども、今回の取り崩しの見通しですと、各年度で10億(円)余りずつ増えているのですけれども、このシナリオはどのような想定(を)されているのか、かなり厳しめのシナリオで読んでおられるのか教えてください。

知事)
 推計については私自身、以前コンサルティング会社でいろいろな推計を自分で作ったり、もしくは企業経営をしているときに自分の会社が数年後どういう状態になっているのかというのを、いろいろ推計をしたときのことを思うと、なかなか難しいなと思うわけなのです。この推計についても、まさにこの推計値の表の次のページ(予算のあらましの8ページ)ですか、いろいろこういう仮定を置いて計算をしています。8ページの主な前提条件等というところです。こういう前提を置いたらこうなりますという、そのままであります。ある種、機械的にやっています。何かえらく平行移動だよねということなのですけれども、結局のところ、恣意的な、多分こうなるのじゃないのだろうか。ここはどうのこうのと言うと、ありとあらゆる動き方をするので、ここの前提条件以外には変わらないというと、基本的に平行移動しかしないのですけれども、じゃあ甘めか厳しめかということで言えば、まず私とすれば、その手の推計というのは、甘めだと危険だと思っています。私自身は民間人のときに、国のいろいろな指標が都合よく甘いと(思っていました)。例えば人口の見通しというのは、大体悪い方が当たっているし、財政見通しも大体悪い方が当たっていると。いろいろな力学が働くのでしょうけれども、甘すぎると対策も緩めになってしまうので、もっと大きなツケを次の人たちが担うことになるということなので、8ページの歳入のところを見ていただければ、もともと県税がどういうふうに振れるかという、すごく影響を与えるわけですけれども、中長期の経済財政に関する試算、内閣府が出す試算ですけれども、国の試算というのは2つあります。高いのが成長実現ケース、低いのがベースラインケースです。我々、過去の国の試算がどれぐらい当たっているのか、ということを見てみますと、ベースラインケースが当たっているというよりも、ベースラインケースを下に外すことが多いということですので、今、ベースラインケースの2分の1の成長率を当てはめています。ですから、国の試算の、堅い試算の、より堅い試算です。ただ実際、この程度しか成長できていないというのが、過去10年ぐらいの日本の現実ですので、特に堅くしたということよりも現実的に対応しているというのが、私の認識でございます。

記者)
 河川ごみの回収事業についてお伺いしたいのですけど、先ほどの知事のご発言で、これまでごみを自治体間ごとで押しつけ合うようなところがあったかもとおっしゃいましたが、やっぱりごみの回収場所の管理者責任というご認識のもとで、そういうことが起こっていたと思うのですけど、今回、自治体、市町村と連携するというのは、ごみ問題というのをどんなふうに捉え直しているのでしょうか。

知事)
 ごみ問題の難しいところは、ごみ自体が、特に陸のごみはそうそう動いたりしないのですけれども、川のごみ、水路のごみ、海のごみというのは結構動くのですよね。自分たちの領域にいるごみについて、じゃあ自分で回収しようと言ったら、自分たちの負担になる。ところが、放っておくと次の大水の時に、なんか綺麗さっぱりいなくなるように見えるのですよね。別の人の管轄のところに(ごみが)行くと。それはある市からある市に行くこともあれば、海に出て行ってしまって国の管轄になるとか、いろいろあるのですけれども、どの自治体にとっても踏み込んで早めに対応することが、財政的にはペナルティのようなことになる構図になっています。海ごみもそうです。漂着しているのか、漂流しているのか、海底に落ちているのかで責任の所在が違うということもあったりして、なかなかそれぞれ手を出しづらかったということがあるのですけれども、そういうことでずっと放置をされてきたというのが今の状態で、放置されているだけであればそのままですけれども、それぞれのごみがどんどん悪い意味で分解されて(いきます)。例えば、木片が分解をされると本当に無害なものになるわけですけれども、プラスチック片が分解されるとマイクロプラスチックということで、数倍やっかいな存在になっていくと。処理をする、拾うということだけで、塊で拾えば1回で終わるのに、それがもう二重三重の小さい破片になると拾うのも大変になってくるので、放置しておくとどんどん状況が悪化するにも関わらず、それぞれの自治体からすると、手を出さない方が当面の財政には悪影響がないという状態ですので、ここは短期的に損をしたように見えてでも、広め広めに(守備範囲を)とっていくという行動変容を、県から起こしていくことが必要だと考えています。ありがたいことにいろいろな団体が、これまでよりも踏み込んでがんばろうというふうに声を上げてくださっています。その方々に、これまではありがとうございます、でも拾っちゃったのだからあなたの責任で処分してくださいねとしか言わざるをえないケースが多かったわけですけれども、そういうふうに、わざわざ自主的にごみを回収してくださる方、本当にありがたい仲間ですので、その方々を応援しなくて、どうやってごみを減らすつもりなのかと、そういう発想でこれから取り組んでいこうと思っています。

記者)
 今回は県内の市町村だと思うのですけど、今後、他県と連携していこうとかそういうお気持ちはありますか。

知事)
 もともと瀬戸内オーシャンズX(間違い(プロジェクトX)を訂正)自体が、岡山、香川、広島、愛媛、みんなで取り組んでいこうと、海ごみなんていうのも、それぞれの領域を行ったり来たりでしているわけですので、とにかく、みんなの海である瀬戸内海、それもこの日本海、太平洋のように、別の国からごみが流れてきて、そこの問題(に)なかなか手が出せないというのと違って、瀬戸内海のごみは、ほぼ100%我々自身が出したごみですので、川の上流の住民も含めて、自分たちでごみを出さないのだと、何らかのことで風に飛ばされたとか、いろいろなことで出してしまったとしても、もうできるだけ早い段階で回収していくのだと、高い頻度で回収していくのだということをすれば、成果が一番見やすい海域だと思っています。これまであまり瀬戸内海で、観光誘客ということは考えられてこなかったわけですけれども、ずいぶん海の観光というものが、もしくは島の観光というものが見直されてきています。インバウンド、海外のお客様からも大変評判が良いということが、コロナ前にも確認をされているわけでありまして、ぜひいろんな意味で胸を張って紹介できる瀬戸内海、また、岡山市、倉敷市というのは、この水路が縦横にあるわけですから、どこを見ていただいても、ああ綺麗なところに、素敵な場所に住んでいるのですねというふうに、県外、海外の方からも言っていただける岡山にしていきたい。他県ともいろいろな意味で連携をしながら取り組んでいきたいと思っています。

記者)
 収集運搬の支援なのですけど、これまでボランティアさんがゴミを集めても、撤去してもらえないというご苦労があったと思うのですけど、今回この事業を盛り込むことによって、ボランティアにどんな効果があると期待されますか。

知事)
 これまで(ごみを)集めました、集められた方の経験によるのですけれども、集めても実は自治体(は)支援してくれないのだよと、わかっていて集められる方、集めたのだから当然褒めてもらって、その後は自治体がやってくれるのだろうというふうに思われて、え、私たちが(ごみ処理費用を)払わないといけないのということになってびっくりされた方、それぞれだと思いますけれども、本当に申し訳ないことになっていたわけでありまして、ただ、そこに踏み込んだ対応をすると、次々やるべきことが増えて、予算が膨大なことになってきます。ただでさえ、それぞれきつくて苦労をしているのに、どんどん、はいここもありました、はいここも出しました、はい取りに来てねということになると、際限ないことになるという心配は、実は今回の知事査定の前の議論でもありました。私も怖い気持ちが少し残っているのですけれども、先ほど言いましたように、とにかくここで、もう行動パターンを変えなければいけない。いろいろな心配事というのはあるのだけれども、とりあえず動いてみなければ、言い訳ばっかりでずっと終始することになりますので、またそれも我々が想定している多くの費用がかかって、辻褄がなかなか合わないということになる可能性はあるのですけれども、それはその時にまた市町村と協議をするですとか、予算を増額するですとか、その時に対応をしていこうと思っています。今は踏み出すことが大事だと思っています。

記者)
 今回(知事査定で)追加された中で、防災シンポジウムがあるかと思うのですけれども、西日本豪雨から今年で5年ということで、記憶の風化というところが懸念されるところであると思うのですが、あらためてこういった事業を知事査定で追加されたの思いをお聞かせいただけたらと思います。

知事)
 防災、減災を考えるにあたって、(改修工事など)しなければいけないことで、ずいぶんものすごい予算が出ていくわけですので、担当とすればシンポジウム(を)したいのですけれども、ここの改修でものすごいお金が掛かっている、前回その必要な改良復旧に関して、予算、必要経費が見込みよりも増えることがわかったので、その増額を認めてもらったですとか、なかなかここまでやってもらって、これ以上は言いづらいなみたいな雰囲気もあったのだと思うのですけども、防災に関して、やはり我々自身も意識のレベルを高めておく、もしくは高いまま維持をするというのは、非常に大事なことだと思っています。自助・共助・公助というふうに言われますけれども、5年前の水害にあたっても、非常に普段から、きちんと隣近所のやり取りができていて、これ(は)危ないから逃げようよと言った時に、町内会長の何何さんが言うのだからみたいなことで、みんなで逃げられたところと、よく知らない人たちばかりだから、なかなか声もかけづらいなということで、 逃げる人は逃げるけど、逃げない人は逃げないというところで、ずいぶん被害の様相が違ったですとか、いろいろな問題があったわけでありまして、ぜひ1年1年、平成30年豪雨災害からは遠くなっていくのですけれども、実は1年1年、次の大災害が近づいているわけです。次の大災害が南海トラフに関連するものなのか、全く別のものなのかはわかりませんけれども、ですから、災害は忘れた頃にやってくる、別に忘れなかったら来ないかということでもないのですけれども、とにかく常にその意識の上で備えた状態でいるというのが大事だと思って、ここについては、あえて復活というか、査定をしたということになります。

記者)
 このたびコロナ禍はやや収束傾向にあって、その中で東京一極集中というのが再び加速するような状況が、兆しがあるわけですね。それに対する受け止めであったり、地方分散の流れが止まるのではないかという懸念がある中で、その手立てを今回の予算にどのように反映されるのか、これについて教えてください。

知事)
 統計を見ると、コロナの出口が見えかかった今の段階で、東京一極集中の傾向が、また見えているということであります。東日本大震災ですとか、コロナがあると、やっぱりちょっと、世界でも稀に見る人口密度で、大勢の人が集まっているというのは危ないなという感覚が働くのだと思うのですけれども、その感覚が今緩んでいるということについては、いろいろな意味で危機感を抱いています。まず単純に、防災対策ということで、国、企業が、政治的にも経済的にも文化的にも東京に集中をしていて、そこが災害に非常に脆弱な状態でいるというのは、大変危険だと思っています。あともう一つは、災害のことを全く考慮に入れないとしても、東京においては、人が集まりすぎることによる負荷、通勤時間が妙に長いですとか、もしくは通勤時間が普通の場所に住もうと思ったら、ものすごく家賃が高くなるですとか、非常に緻密に作られている鉄道ネットワークですけれども、どこかで何かあったら、すぐ何十万人、何百万人の人が2時間駅で待ちぼうけみたいなことが簡単に起きてしまう非常に脆弱なネットワークになってしまっているですとか、東京は過密の問題で、それ以外のところは過疎の問題で困っているというのは、これ本当にばかばかしいことでありまして、狭い日本、もう少し有効に使おうよと。私、海外に住んだ経験、たったのアメリカ3年プラス1年しかありませんけれども、みんながそれぞれの地域で非常にこの豊かな、豊かなていうのは金銭的なだけではなくて、時間の使い方ですとか、もしくは余暇の使い方で、豊かな暮らしを送ることができている。日本だってもう既に先進国の仲間入りをしているので、もう少しやり方を変えれば、もっともっとそれぞれ豊かに過ごせる条件が整っているのに、日本と韓国が首都に過度に人口が集中してしまっているので、ヨーロッパ並みのライフスタイルにならないのが、本当に残念であります。それでお互いがお互いを強め合っているような、なかなか動かない状態になっていますので、今回の予算に何が関係しているかっていうことで言えば、(5)番の企業へのインターンシップの参加の促進、インターシップとマッチングフェアの回数を増やすというのも一つであります。私自身も東京で学生生活を送って就職活動をしましたけれども、うわっと忙しくしているときに、なかなか自分の出身、地元でどんな会社があるのか、どんなリクルーティング活動をしているのかというのも、情報が取りづらいというのがありました。ぜひ、地元企業の応援をしたいと思っています。あと、東京一極集中に直接関係するものということで言えば、(16)番のソーシャルメディアのところは、ちょっと関係するかなというぐらいのことですが、私自身は(全国)知事会でも意見表明をして、最近ちらほら賛同の声が増えている(のですが)、税率を変えるべきだと。まず東京にいることで企業が有利になって、大阪の大企業も東京に本社を移した。もう30年から40年前ですけれども。大学についても、東京に存在する大学の方が妙に有利になって、地方の国立大学のレベルが下がって、東京の私立大学のレベルが上がるということが起きました。とにかく東京にいる、東京の近くにいる大学、企業が妙に有利になってしまったので、東京から離れる方が経済的に有利もしくは合理的な会社や研究機関であっても、東京から離れられないようなことになってしまっている。まず最初に東京に集中したのは、戦争遂行のためのやむをえない国策だったのだというのは、よく経済学者が論ずるところではありますけれども、無理矢理集めてしまってどうしようもなくなったのだったら、ある程度、無理矢理ばらさなければしなければいけない。私、基本的な法人税率に差を設けるべきと思っておりますし、それ以外も適切なインセンティブで、ある程度、まず企業を分散させることで、非常にそれぞれの社員さんにとって住みやすい社会というのは、私を作っていけると信じています。

記者)
 先ほど不登校対策を充実させると考えています、という話があったと思うのですが、一つ選択肢、受け皿を増やすというようなことが必要だと思いますが、その中で、夜間中学というのも一つの選択肢に入ってくると思います。岡山市の方で開設の計画あるのですけれども、岡山県は広いので、現時点で県として開設に関する見解をお聞かせください。

知事)
 まず不登校(対策)というのは、本当に大事なことだと思っております。これについていろいろな受け皿、受け皿を作るのも一つですし、そもそも、受け皿よりは学校に戻ってもらうというのが一番わかりやすい正統的な解決策だと思っています。受け皿の一つとして、今、別室指導ということをしています。あまり遠いところに受け皿を作ると、そこから本来の学校に戻るというところまでずいぶん距離があるので、(同じ)学校ではあるけれどという(ことです)。それはそれなのですけれども、夜間中学というのは、私の中であまり不登校との関係は強く意識されていません。このいろいろな事情で、戦争があった等で中学校を卒業することができなかった方のための受け皿と、外国人の方に対して夜間中学がいいのじゃないかという話もありますけれども、県教委が以前アンケートを取ったときに、それほど夜間中学に行きたい人が多くなかったというのは、詳細なデータが今手元にあるわけじゃないですけれども、聞いたことがございます。つまり何か市民講座的な、月に何回か行って面白い話を教えてもらうとか、という意味では興味がある方が意外といらっしゃるけれども、中学ですから、毎日通ってきちんと中学校卒業する、課程を修了するという学校ですから、楽なことばっかり楽しいことばっかりじゃなくて、ちゃんと勉強をするということで聞くと、興味がある方の大半がそこまでやろうと思っているわけではないのですという回答であったというのは、教えてもらっておりまして、どれぐらいの方が本当に市民講座ではなくて、夜間の中学として通われるつもりがあるのか、そこが大事なのだと思います。岡山県内で(は)岡山市が今検討されているということですので、その検討の状況を注意深く、県教委としても見守っていると聞いています。

記者)
 最近の動向の中では、いわゆる形式卒業者の方がもう一度入るというようなニーズも増えてきているようですので、その状況については、少しは変わっているのかなと思います。質問を変えます。マイナンバーカードの取得の促進の流れの中で、備前市長ですけれども、備前市が方針として4月からは今まで無償化していた給食費について、カード取得者に限るというような方針を表明され、国会でも取り上げられました。知事としての見解をお聞かせください。

知事)
 まずマイナンバーカードについては、国はほぼ全国民にマイナンバーカードを普及させるということを目指しています。基本、みんなが持つことで、非常に有用になるものですので、国の方針(を)目指しているところは全くそのとおりだと思っております。岡山県庁も含めて、それぞれの役所が普及率を上げるために努力をしています。ここまで間違いのないところでありまして、備前市さんがマイナンバーカードの普及率を上げようと一生懸命頑張られる中で、その一環として、そのような方針を出されたということでございます。これについていろいろな考えがあろうかと思います。すごい頑張っているなというふうに思う方もいらっしゃるでしょうし、ちょっとそこまでやらなくていいのじゃないかという方もいらっしゃると思います。基本的にはそれぞれの市町村の方針ですので、それについて私があえてコメントをするということはないわけなのですけれども、ただ出発点をどう捉えるかでずいぶん景色が違うのだろうなと。特典として、マイナンバーカードを取った人に、こういうプレゼントあげますよということだと、ずいぶん好意的に受け取る方が多いでしょうし、ペナルティとしてマイナンバーカードを取らないとこれは外しますよと言われると反発も増える。ここで備前市さんとすれば、元々ほんの数年前までは無償化していなかった、ここが出発点なのですよ、これご褒美なのですよというふうに説明をされている。反対される方は、無償化は今出来ているじゃないですかと。ですから、事実上のペナルティになりますよということで、これはどちらの考えもそれぞれ一理あるわけなのですけれども、ぜひ皆さんの理解が進むような形になればいいと思っています。具体的にどうするかということについては、私はちょっと申し上げられません。

司会)
 それでは以上をもちまして、知事定例記者会見を終了いたします。

知事)
 ありがとうございました。



2012年の記者会見