ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 知事記者会見 > 2025年8月29日知事定例記者会見

本文

2025年8月29日知事定例記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0994634 2025年9月1日更新公聴広報課
会見写真

保育の仕事就職相談会、保育のICT見本市の開催について

 私からは3項目、お話をさせていただきます。

 まず、保育の仕事就職相談会、保育のICT見本市の開催についてでございます。
 保育サービスの一層の充実が求められる中、保育士の確保が重要であると考えており、本年11月、コンベックス岡山を会場に、「就職相談会」を開催いたします。
 当日は、県内の100を超える保育施設を集め、保育士養成校の学生や潜在保育士など、保育施設での勤務を希望される方を対象に、施設の紹介や就職に関する相談を行うこととしております。
 併せて、保育業務の負担軽減等に役立つ各種のシステムや機器を体験できる「ICT見本市」を開催いたします。
 保育現場の魅力を直接聞くことができる貴重な機会でございます。多くの方にご来場いただき、自分に合った保育現場を見つけ、岡山県で保育士として活躍していただきたいと考えております。

晴れ恋♡晴れ婚プロジェクトについて

 次に、晴れ恋♥晴れ婚プロジェクトについてでございます。
 先日、プロジェクトを立ち上げるとともに、婚活等に係る民間事業者との事業連携協定を締結したところでありますが、プロジェクトの一環として本日からインスタグラムの運用を開始いたします。
 インスタグラムでは、恋愛や結婚を意識してもらえるよう、写真、グルメ、観光など、若者が興味や関心を持ちやすい内容をテーマとした投稿を行ってまいります。併せて、成婚者のインタビューなど、恋愛や結婚の魅力を伝える投稿を織り交ぜた情報発信を展開してまいろうと思います。
 また、本日は、本プロジェクトの賛同事業として、県庁9階(※「5階」を訂正)で夜景を眺めながらのマッチングイベントも実施されます。引き続き、民間事業者との連携によりまして、さまざまな取組を展開し、若い世代が恋愛や結婚を前向きに捉えられる意識の醸成につなげてまいります。

美作三湯芸術温度について

 最後は、美作三湯芸術温度2025についてであります。
 本日、美作三湯を中心に展開する3年に1度の回遊型アートイベント「美作三湯芸術温度2025」が開幕いたしました。
 県内外31名の多彩なジャンルのアーティストによる、温泉地の魅力を存分に引き立てる素晴らしいアート作品を、過去最大規模で展示いたしております。
 12月7日までの101日間の開催となります。県民の皆様はもとより、大阪・関西万博や瀬戸内国際芸術祭に訪れる国内外からの観光客の皆さんにも、この秋には美作三湯にお越しいただき、是非、温泉にアートがあるというここでしかできない体験をお楽しみいただければと存じます。

 私からは、以上でございます。

質疑応答

記者)
 先週、大阪・関西万博自治体催事を出展されましたけれども、あらためてこの成果をどのように捉えていらっしゃいますか。

知事)
 8月22日からの3日間、大阪・関西万博において、岡山県のブースを出展をいたしました。「桃太郎の夏休み」ということでありましたけれども、ものすごい盛り上がりでありまして、3日間、それぞれ2万人を超える入場者、その会場全体で何人かということですけども、山梨県それから愛知県と名古屋市が共同出展、この3つが入っての1会場ということでありますけれども、2日目(8月23日)にいたっては、2万5,850人ですが、これまでのその会場の(入場者数の)記録を作ったのだそうでありまして、トータル3日間で7万人を超えると。7万人をどう超えたか、ほんのちょっと超えているのですけれども、いやもう本当に各市町村に出展していただいたわけですけれども、とても夏休みとは言えない、8月にこんなに働いたのは初めてだみたいな、それぐらいの大賑わいでありまして、もう本当に私自身も感激をするぐらいのことでありました。大変ありがたいことに大阪・関西万博、(催事の入場者数は)7万48人ですか。やっぱり来ていただいて、たくさんの方にアピールをしたいということなわけでありますけれども、例えば千屋牛の試食に並ばれると、ブドウの試食だとか、桃ジュースは蛇口から出る所に並ばれると、15分とか20分とか並ばれている間に、真ん中のステージで高梁市はこんなところですとか、赤磐市はこうなのです、みたいなプレゼンをしていると。どうせ並んでいるからそれを聞いていただくということで、もう本当にこれは最高のPRになったのではないかなというふうに思っています。やっぱり岡山の場合、北海道とか沖縄のように、もう誰でも(日本の)端っこで知っているとか、京都みたいにそれは都があった場所だからというほどの知名度はないわけでありまして、大抵の場合は、私が行って、ここはこうなのです、ああなのですよと言うと、へえっていうことが必ず1回はある。そりゃそうですよね、我々、私だって他の県のプレゼンを聞くと、へえっていうことはありますから。それと裏返しのようなことであって、極力、興味、関心を持ってもらえれば、特にそれが(大阪・関西万博の来場者は)関西の方がそうは言っても多いと。全国的に来られていますけれども。そういった方からすると、(岡山県は距離的に近いので)もうすぐ次の週末にでも行ってみようかというような話ですし、大変良いPRができたのではないかと思っています。

記者)
 会場では1日あたりの来場者の記録作ったということですけれども、そうした要因というのは、やはり今瀬戸内国際芸術祭とか開かれていて、このエリアというのはかなり全国的に注目が集まっているといったことが背景にありますか。

知事)
 要因はいろいろなことがあろうかと思います。一番はこの大阪・関西万博がどんどん尻上りに評判を上げていって、たくさんの方が詰めかけていると。詰めかけて、パビリオンの収容人数は限りがありますし、暑いですから。(会場の)「WASSE」に行ったらとりあえず涼しいですし、試食もあるし、もう本当にお互いありがたいということがありますし、夏休み多くの学校にとって、小学生、中学生にとって最後の夏休みの週末ということで、ずいぶんその大阪・関西万博そのものも盛り上がったということで、かつまた我々、試食が多かったということで、大変な人気を博しまして、よかったなと思っています。

記者)
 今年3月に発生した岡山市南区を中心とする山林火災で、以前、治山ダムの整備などの話もありましたけれども、復旧とか、今後の災害対策の、今わかっているスケジュールとかを教えてください。

知事)
 来年度予算にかける予定ですので、今年度中にいろいろ計画を立てていくということなのですけれども、一言で言えば、はっきりしたことはまだ決まっていないということなのですけれども、先日報道がありましたように、一つ緊急性を要する治山ダムについては、11月に着工ということであります。その他、今わかっていることで言えば、基本、来年度予算が出てからということなのですけれども、国が補正予算を立てるということで、この予算が出れば、岡山県の配分に応じて前倒しをする可能性もあるということであります。

記者)
 宿泊税の導入が全国で進みつつあります。岡山県の考え方はどうでしょうか。

知事)
 宿泊税については、一つ、導入している市町村が最近増えているということと、これはもう本当に自治体によって考え方は様々であろうと思います。私自身もいろいろレクを受けるときに悩ましいなと思うのが、当然そういう新たな財源があったら、その分野には(予算を)投入しやすいということがあると。ただ宿泊税を1回、1回取るのが痛税感が出てしまう。それから旅館、ホテルからすると非常に事務が煩雑になってくると。ですからメリット、デメリット両方あるので、導入するところ、もしくは導入を考えているところもあれば、導入していないところもあると。そういうことなのかなと思っています。
これは一般論ですけれども、例えばつい先日会議を、創立10周年ということで会議をした瀬戸内DMOのように、その区域と自治体がずれている場合は、それぞれの、例えば岡山県とか広島県から拠出をする場合に、どうしてもフリーライドの誘惑が出てくるのですよね。拠出は少なくしたい。でもメリットは受けたいということで、常に摩擦が起きる素地が、構造があるわけなのですけれども、例えばアメリカのDMO、自治体をまたぐ広域でDMOをした場合には、その宿泊税を使って、泊まっているから税が上がる、その税を使って観光客が多く訪れているところを支援するというと、大体この負担と受益がザクッと見合うのでそういうコンフリクトが起きづらいというメリットはあるのですけども、今の時点では岡山県とすれば、一般会計7,000億円を超える中で、観光予算というのは10億(円)とかそういうレベルですので、私は1回、1回、宿泊の度にお金をいただく、その痛税感を、せっかく岡山にお越しいただいた、せっかく泊まっていただいた方に、1回、1回感じていただくよりも、一般的に税金でいただいたもので、今回の美作三湯芸術温度なんていうのも、県北の温泉街を盛り上げようということで2,000万円弱の予算をとっていますけれども、これはそれが観光の予算として入れるとちょうど真ん中あたりではありますけども、私は今はその一般財源でまかなう方がいいと現時点で考えていますけれども、だからといって他の自治体が宿泊税を導入するのがおかしいということでもないですし、岡山県が将来、宿泊税を導入する可能性を否定しているわけではありません。

記者)
 万博で、来月、インドとの交流イベント(9月29日 インド・岡山DAY)も開催されると思うのですが、県として今後万博を通じてのPRなど、どういったふうに取り組んでいきたいか教えてください。

知事)
 万博が開幕する1週間前だったり数週間前だったり、ここ(記者会見)で、私自身の記憶では、2回、万博は大丈夫ですか、盛り上がるのでしょうかという質問をされて、もう絶対盛り上がるはずです。予言者ではないけれど、ワールドカップもオリンピックも大体そうだったではないですかと。始まる前から盛り上がるなんていうのは普通難しいわけであって、でも、始まってみると、これまで大抵日本人はそういう大規模イベントに、非常に反応が良かったわけであって、今回も絶対そうなるに違いありませんというふうに断言をしたのですが、その私の勘が当たったような形になっています。本当に盛り上がって、当然、全てがパーフェクトにいっているとは言いませんけれども、人が集まるところには当然チャンスがあります。岡山県としてのブースは、先ほど申し上げましたように8月中下旬に1回やりました。あと、今ゴールデンルートと言われる東京から富士山、京都、大阪に至る、要するに東海道ですね、そこに未だに観光客が集中をしていると。欧米豪の比較的単価が高い観光客にいたっては、さらにその集中の度合いが高いということがもう統計ではっきり出ているのですけれども、そのお客さんをいかに西に持っていくかということで、福岡市の高島市長が中心になって結成された西のゴールデンルートアライアンス、これは岡山県で言えば、岡山県庁、それから岡山市役所が参加をしていますけれども、そのブースが、一昨日(※「昨日」を修正)から5日間オープンをしたということでありまして、私自身はオーストラリアの関係の行事で2回訪れましたし、今度イタリア関係の行事に急遽招待をされましたので、これは行こうかなと思っています。イタリア館の館長が非常にこれからも日本で活躍をされる予定なのだということを聞いておりまして、極力関係を深めておきたいと。私は岡山県としてもそうですし、全国知事会の中の国際担当ということもありますので、極力いろいろな国と関係を深めて、窓口としてきちんと機能したいなと思っています。万博の期間中は、このイタリアの話のように、この前、別の用事で行ったときに、お会いして招待されてじゃあ、みたいなことで、どういうチャンスでも貪欲にとっていきたいと思っています。これだけ(世界各国から、日本全国から)いろいろな人が大阪に、要するに岡山から新幹線で1時間以内で行ける場所に集まる機会というのはそうありませんので、最大限活かしていきたいと思っています。インド・岡山DAYについてもしっかり活かしていきたいと思っています。

記者)
 サッカーのスタジアムの建設についてです。新スタジアムの整備を推進する会のホームページ、昨日時点で22万筆余りの署名があるということで、県として昨日の県議会の(防災・環境対策・スポーツ振興)特別委員会の中では、まだ県の関わり方を検討する段階には至っていないという話もあったと思うのですが、知事としてこの22万筆余りの署名もあるということですけども、今時点での考えを教えてください。

知事)
 22万筆というのはこれやっぱりすごい数でありまして、私並行して進んでいる(新)アリーナの署名の数が今いくつなのか存じ上げないのですけれども、ただごめんなさい、ちょっと調べて言っているのではではないのですけれども、10万筆を超えたという話を私は聞いていないので、多分もう(新)スタジアムの方が(署名の)数が多いはずなのですよね。ですから(新)スタジアムに対する県民、県外からの署名もあろうかと思いますけれども、皆さんの非常に強い思いが、今の時点でも可視化されているなということは、20万筆を超えたという報告を、報告というか報道を聞いたときに、思った次第であります。これについて、あの何万を超えれば、それがアクションのきっかけになるかというのは、これ私が言えることでもないと思いますけれども、ただその数字の上がるスピードからして、私個人とすれば勢いを感じているところであります。昨日の特別委員会の様子は、私報告を聞いたというよりも、報道でずいぶん勉強させていただいたわけであります。ずいぶん何か県の対応がそっけないように多分見えたと思います。ただ担当者とすれば、機関決定していない、我々(県は)関わるかどうか決めていないわけですから、その段階でそれ以上のことは言えないわけでありまして、非常に冷たい印象があったらもうごめんなさいねということなのですけれども、私とすれば、この(新)スタジアムの問題は非常にいろいろな問題があります。簡単ではありませんで、我々がこれまで調査したことわかったことだけでも、結構長い時間かけないと説明できないような内容がありますし、まだまだ誰がやるにしても、(新)スタジアムの場所をどうするのだ、どういう体制が適切なのか、どんな補助のメニューが考えられるのか。もう検討すればするほどたくさんあるわけでありまして、これは私きちんとした決定をしようと思ったら、熟議というものが必要だと思っています。ただ一つポンと聞いてそれならこうだという反射神経的なことじゃなくて、それぞれの可能性のある案について、一長一短どころか、五長六短だったり、七長三短だったりいろいろある中で、まずこれを考えてこういうやり方でという、なかなか大変なプロセスがいるわけでありまして、それは県議会での議論がまさにふさわしいと思っています。我々とすれば、その委員会から求められれば、我々が知っている情報はお出しをして、知らないことについては一緒に研究をする、調べるということで、ぜひ県議会において、特にその特別委員会において質の高い議論がなされることを期待しています。そこで県議の先生方がどういうふうに思われるのか、私自身もなかなか悩ましいことが多々あるわけですけれども、少なくとも知識のレベルで、同じところまで、今の私よりも、みんなさらに研究、勉強できることがありますので、そこでどうするのだということをぜひ話し合っていただきたいと思っています。

記者)
 (新)アリーナとの比較もされたと思うのですが、知事として(新)スタジアムと(新)アリーナ両方並行してというのはなかなか規模的にも難しいし、実施主体が違うというのもあるとは思うのですけども、どちらから進めるべきだというようなご意見があれば教えていただけますか。

知事)
 署名というものがあって、ずいぶん勢いの差を感じたわけでありますけれども。(新)アリーナについては、我々が関わっているわけではないので、それに言及するのはちょっと失礼に当たるのかなと思っています。

記者)
 サッカー競技場のことで、昨日、県議会の特別委員会で、県側から、県有の未利用地にはサッカーの専用スタジアムについての適した場所はなかったというご報告がなされましたけれども、それを踏まえて、現状の岡山県総合グラウンドの立地や空間といった面から、どのように評価されていますか。

知事)
 とにかく議論ということについて、まだまだ煮詰まっていない、もしくは確定しないことがあるわけですけど、少なくともわかっているところから始めるというのは大事なのだと思います。これが可能性あるのではないかというふうに、例えば一部の人はぼんやり思っている。でも実際にはその可能性はもうないということが、調べればわかるということについて、資料をお示しして、これの可能性は残念ながらないのですと。例えばもう極端な話、どんな小さく作っても、サッカースタジアムはこれぐらいの広さはどうやったっているのだけれども、その面積がここにはないと言ったらもうそれはもう無理ということですから、そういう可能性はないのだということをわかっているところから潰していくというのは、その我々の限られた時間とエネルギーを、可能性のあるところに向けていく意味で有意義な議論だと思っています。今まだいろいろな議論、検討が始まったばかりでありますので、これから少しずつ絞られて、可能性が見えてくる。できるとするならばこういう形なのだろうというものが、見えてくるのではないかなと思います。

記者)
 まさに今可能性を、そしてこれは難しいであろうというところも明らかにされている段階だということだと思うのですが、今岡山県総合グラウンドにスタジアムがあるということで、岡山県総合グラウンドという場所自体への評価をどのように見ていらっしゃいますか。

知事)
 これは私の評価というよりも、ファジアーノの幹部の皆さん、それからサッカーファンの皆さんの、もう一致した評価だと思いますけれども、今のJFE晴れの国スタジアムについても、立地は本当に文句ないわけなのですよね。当然ながらそれは駅から降りて、徒歩1分のところにあればそっちの方がいいのかもしれませんけど、のぞみが停まる新幹線の駅で降りて、ものの20分ぐらい歩けばスタジアムに着くというのは、これはもう全国的にも大変立地のいいスタジアムでありまして、これで座席がきちんと十分あれば、こんな話には多分なっていなかったのだと思うのですけれども、これが逆に難しいのが、例えば広島のピースウイング、本当に評判がいい、私も行って素晴らしいなというふうに思いましたけれども、(広島の場合は)元々がすごく遠いころにあって、不便だったと。それからすると、そこより近くなるのであれば、あの人数よりは多分来てくれるのだろうなということがわかるわけですけれども、(岡山の場合は)元々が大変いい場所にあって、そこからアクセスがもし悪くなるということになると、どれぐらいの人が来てくれるのか、はっきりしたことがなかなか読めないと。多分不利になるだろうということはわかるのですけれども、どれぐらい不利になるかというのがはっきりわからないというのが、なかなか難しいところだなと思っています。

記者)
 仮に新たに整備するとすれば、やはり現在のスタジアムほどの立地を探すのは難しいなと、そういうそういうご認識でしょうか。

知事)
 我々全てを調べ尽くしたというわけではありません。県有地については、県が持っている空き地については無理だということが、もうほぼ客観的に、主には広さですけれども、示されているのですということをお示しした段階ですので、例えば、県有地でなくても、買うとか、借りるとか、今あるものが壊せる、移転できるのであればということになると少しまた可能性は広がりますし、まずわかっているところから潰していくという作業が始まったばかりと考えています。

記者)
 先日、県教委の方で岡山県高等学校教育研究会が設置されまして、10年以上先を見据えて、県立高校のあり方の議論が始まりましたけれども、今の県立高校の再編基準について議論が上がってくるかと思いますが、知事が高教研に対して期待することなどありましたら教えていただけますか。

知事)
 私この高教研というのは一つの知恵だなというふうに思っています。私自身が日々仕事をする中で、自分自身の任期というのは、4年ですし、例えば報道をされる年に4回の県議会でチェックを受けるということで、やっぱりボコボコに悪く言われるよりは、褒めてもらいたいという気持ちは自然にあるわけです。ただ、それに極力抗うように、つまり今評判が悪いことでも、ちょっと引いて、5年、10年、15年で見れば、こっちの方が正しいと。もしくは岡山の未来にとってはこちらの方がメリットの方が大きいのではないかという決断、判断が極力できるようにというふうに思っているわけですけれども、努めてはいますけれども、できてるかどうかこれはもう皆さんがお決めになることでありまして、そういったプレッシャーは、それはもう誰にでもかかっておかしくないわけですけれども、そういうことじゃなくて、今フューチャーデザインとかいろいろなやり方が提唱されていますけれども、長い目で見て、その極力客観的に、その20年後の人があのときにこの判断をしてくれたおかげで、今この教育現場は助かっているのだ、教育水準はこの程度で保つことができているのだ、もしくはあのときにきちんと土台を作ってくれたので、今非常に成果が出ているのだという、そういう決断、判断をするために、あえて目先のことではなくて、先のことを、かつ、また多少抽象的なことも含めた骨太の議論を、いろいろな立場の人でしていくというのは非常に大事なことだと思っています。もうギリギリまで来たときに、さあどうしますかというと、その時その時の最適解なのかもしれませんけれども、長い目で見るととても最適ではないと。これはよく例え話で、スキーのスラローム、回転競技というときに、目の前の旗を見ている人というのは選手としては全然駄目なのですよね。もうそれ(目の前の旗)をキュッと回って、そこでもものすごい減速しちゃって、上手い人というのは一番近いところも見ているのだけれども、実際に見ているのは二つか三つ先を見ながら、極力なだらかなコースを取っていくということであります。行政もそれに近いのかなと。もう本当にこの1ヶ月とか1年ということで見ていると、あまりトータルでいいことにならないということですので、高教研、いろいろな議論が出ると思います。それがいいことなのだと思います。というのが、いろいろな立場の人が喋ったら、もう最初から同じ意見だったという方がほぼあり得ないことですので、いろいろな意見が出て、こんな心配がある、これぜひ可能性があるからこれをして欲しい、これは困るのだという、いろいろな意見が出て、それがどういう形に収斂していくのかということが非常に大事なのだと思っています。

記者)
 高校の統廃合は、まさに今知事が力を入れていらっしゃる若者の流出対策とかと、すごくリンクをすることだと思うのですけれども、あらためて知事が県立高校の統廃合をどのように位置付けていらっしゃるか、お聞かせください。

知事)
 高教研というと、今はもう何か高校の統廃合となんかこうね結びつける方が多いと。実際これだけ足元で少子化が進んでいると、それはあながち、間違っていることではないのですけれども、高校をどうしていくのか、教育をどういうふうにしていくのかということの中で言えば、統廃合というのはその一部でありまして、我々どういうスタンスで、どういうふうに高校教育と向き合っていくのかという、大きな議論をした上で、では実際に、去年、一昨年生まれた子どもの数というのは、これはもう変わりようがないわけでありまして、引っ越し等の多少のプラスマイナスはあるかもしれませんけれども、今の例えば高校の1学年1万5,000人ぐらいのレベルと比べると、足元で出生数が1万1,000人を切っているということを考えれば、これから高校は増やすというよりは減らす。これ公立、私立合わせた高校の数、もしくは定員ということで減らすことを考えるのは、私自然なことだと思いますけれども、ただ定員がとか、再編がということよりも、大きな議論の中で出てくる話だと思っています。高教研はその(高校の統廃合)ことだけを、もしくはそのことをメインに決める会議体だと、非常に矮小化した議論になる、実際そんな矮小化した議論はなされないはずだと思いますけれども、ぜひとにかく20年、30年後の、しっかりした人がこういうふうにしておいてくれてよかったというふうに思える体制をいかに作るか、そのための計画議論をするかと、それに尽きると思います。

記者)
 自民党の総裁選の前倒しの議論が本格化してきていまして、一方、世論的には退陣しなくてもいいのではないかという声も上がっているところなのですけれども、政局が長引けば地方への予算的なところとか影響が少なからずあるかなとは思うのですけれども、今のこの総裁選前倒しの議論の現状をどのようにご覧になっているか所感を伺えますか。

知事)
 自民党のガバナンスの話ですので。しっかりしていただければと。それぞれの政党の中の話に、その政党に属していない人が何を喋ってもということなのですが、ただ自民党はもう長らく日本の国政を担っている与党ですので、ぜひ責任政党としてしっかり国民の声を吸い上げた上で、議論をして、政策に落とし込んでいただきたいと。もうこれ当たり前の話です。その上で総裁選のこれ前倒しをするかしないか、その形をどうするのかというのは、もう極めて、党内の話ですので、私が何か論評するようなことではないと思っています。一言付け加えるとするならば、大変いつもお世話になっている(総裁選挙管理委員長の)逢沢一郎先生がたくさんテレビに出て、個人的に嬉しく思っています。大変かっこ良く映っているなと思っています。

記者)
 全国知事会の会長について、新たに長野県の阿部知事が選任されましたが、受け止めと期待することをお聞かせください。

知事)
 私、平井(鳥取県)知事が2年で(全国知事会長を)退任されたときも、もう本当に辛い気持ちになりまして、こんな立派な方はずっとやっていただきたかった。ただいろいろなお考えで、当然選挙をすれば平井さんが勝たれていたと思うのですけれども、引かれたと。ただその後、村井(宮城県)知事が継いでいただいて本当に楽しい、もうみんなから好かれるお兄さんのような方でしたので、村井(全国知事)会長の下でもう本当に自由に意見を言うことができて、例えば我々も何となく気にはなっていて、これはなんとかしないといけないだろうけれども、どこで言えばいいのかわからないというふうに思っていた国体、国スポの問題についても、こういうのを取り上げるのが大事だということで、ずいぶん改革が今進みつつあると考えています。また、それぞれの県が外国にプロモーションに行っていますけど、それぞれ頑張っているけれども、そうしたらその行った先で、大きなニュースになっているかというと残念ながらそうでないことの方が多いし、その国の大統領とか総理大臣に会えているかというと、実際そういうことはほぼないと。全国知事会として、ある塊で行った方がいいのではないかという村井会長のアイデアで、そうしたらその線でやってみましょうということで、第1弾フランスの展示会にみんなで行ったと。私ちょっとそのときに(県知事)選挙があって、自分で(全国知事会の)国際担当なのに、取りまとめ役もできずに参加もできなかったのですけれども、今度第2回目は私自身が取りまとめをさせていただいて、私自身も韓国にみんなで行こうということで、そのときには大統領とも会えるのではないかということで今アポのお願いをしているところなのですけれども、まだ確定はしていませんけれども、そういういろいろな、これまでなかったような成果を村井会長の下で出すことができて本当に嬉しく思っています。その村井会長も、もう1回(会長選挙に)出るよというふうに言われたら絶対通る方なのですけれども、いやいや平井前会長が2年で辞めて、要するに1人の人が長くやるよりも、こうやっていろいろな人がいろいろな考えで会長をやるというのが大事だと思うのだよというふうにおっしゃられて、次の会長選に出ないということを表明をされた。私自身、村井会長体制の下でみんながすごく仕事やりやすく、私も含めてされていたのを見ていたので、本当にそれ自体残念に思ったわけなのですけど、そのお考えは非常にそうなのかという平井知事のお考えを、そういうことで受け止めて、ご自身で実行されていると。あともう一つ、阿部(長野県)知事というのも本当に包容力のある方で、皆さんの意見をニコニコ聞いてくださる、これまた別のタイプのお兄さんでありまして、人望の大変ある方ですので、またこれまでの平井会長、村井会長と違うタイプのリーダーシップを取っていただけるのではないかなと思っています。阿部新会長の下で、みんなでそれぞれ良い仕事ができることを楽しみにしています。

記者)
 米国関税措置の情報共有会議の3回目が9月(2日)に開かれると思うのですけれども、前回5月(30日)だったということでちょっと間は空いたのですが、これまで会議をやってみて知事が感じていらっしゃる県内への影響ですとか、会議自体の手応えがあれば教えてください。

知事)
 4月7日、5月30日の2回情報共有会議を開催をいたしまして、とにかく、あるグループは知っているのだけども別のグループがその情報を知らなかったということになると、非常にもったいない動きが出ますので、皆さん方がこの大事な情報を報道をしていただくおかげで、そんな無茶苦茶大事なことが知らないというほどのことはないのですよ。ただ2回情報共有会議をして、そうだったのかと、経産省は早速動いて、緊急融資の要件をこういう形で緩和してくれていたのか、これまでだったら5%以上の売り上げの低下が3ヶ月続いたらというのを、(例えば)最初の1ヶ月でも認めますよ、みたいな変更を非常にスピード感を持ってやってくださっていたというのを、私あの情報共有会議で初めて知ったですとか、そういう話はいろいろなグループにとってあったのだろうと思います。我々の対応についても、非常にこのスピーディーにお伝えすることができた。当然その2回でしか、我々情報を共有していないのではなくて、あれがある種の、こういうメンバーがいるということの確認でありまして、その後も定期的にいろいろな情報共有連絡はしているわけですけれど、そういうことでそれぞれの中小企業の皆さん方、自分たちだけで全て何とかしないといけないのだとかということではないと。役所ですとか、ジェトロさんですとか、役所というのも国レベルだったり、都道府県レベルだったり、それから金融機関であったり、あとそれぞれが情報を共有しながら、とにかく世界で闘っている地場の中小企業の皆さんの経営をサポートするのだという体制でいるということは伝わったと思いますし、それぞれの中小企業の皆さんも自分のことは当然わかっていますし、個人的に社長さんが仲の良い会社とは、いやうちはこんな感じでという情報共有ができるのだと思うのですけど、広く、大体地場の会社は今こういうことになっている、これぐらいの危機感を持っている、少し大丈夫になった、それが時系列でどんな動きになっているかということがわかるだけでも、その中の自分たちがどこにいるかということで、より客観的で的確な、何が的確かと今はわからないにしても、この1年、2年、後から振り返ったときに、そこそこ的確な手を打てたのではないかと思えるような判断がしやすくなるような環境を整えていると、自負しています。必要であればもっと開きますし、この問題がほぼほぼ解消されたというと、この会議の必然性も薄れるわけでありますし、必要に応じて開いていきたいと思っています。

司会)
 それでは以上をもちまして、知事定例記者会見を終了します。

知事)
 ありがとうございました。

2012年の記者会見