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出前講座
本事業は、工業技術センターの研究職員が企業に出向き、ものづくり基盤技術の解説、材料の評価方法、先端技術の動向などをわかりやすく紹介するものです。
対象企業
岡山県内に事業所がある企業、岡山県内に拠点のある研究会、組合
受講費用
無料(開催会場及び必要機材は、受講される企業にて御用意願います。)
開催日、講座数
開催日は県庁の閉庁日以外の日とし、講座数は1日3講座までとします。原則として年間1社2回までとします。(年間予定開講数20回)
申込み方法
「題目リスト」から希望題目を選び、下記の「出前講座依頼書」に必要事項を記入のうえ、下記のアドレスまでメールにて申し込んでください。(締め切り:開催希望日の2週間前)
kougi-info(at)pref.okayama.lg.jp 左記の(at)は@に変えてください
(セキュリティの関係から表記を変更しています。そのままコピー&ペーストでは使用できませんのでご注意ください。)
メールの表題は「出前講座の依頼」でお願いいたします。
題目リスト(令和6年度版)
機械・金属
- 金属の組織形成と強化法
金属の組織と材料特性の間には密接な関係があり、製品開発ならびに品質保証において、これらの制御は必要不可欠となっています。本講義では、金属材料の化学組成と温度変化に伴う組織変化について説明するとともに、金属の強化機構ならびにその方法について解説します。
- レーザ加工について
レーザ加工は高効率・高品質な加工法として注目されており、自動車産業を中心に適用が拡大しています。本講義では、レーザ加工の基礎、産業での適用例およびセンターでの研究内容(接合、表面処理等)について解説します。
- 表面粗さの評価について
機械加工を行う目的の一つに、仕上げ面粗さの向上があります。熟練者であれば目で見たり指で触ったりしてもわかるそうですが、表面粗さを第三者に数値として報告するには測定機による粗さの測定が必要になります。この講座では、岡山県工業技術センターの所有する測定機の紹介を交えて、測定方法について解説します。
- 加工の見える化について
近年、加工中の工具摩耗状態をリアルタイムで監視し、寿命判定や予測への要求が高まっています。一方で、工具摩耗そのものを加工中に観察するのは困難なため、工業技術センターでは摩耗に伴う加工力信号の時間変化を周波数解析や統計値を用いて見える化を行ってきました。本講座ではその研究内容について解説します。
- 精密測定技術について
加工技術の向上のためには、形状測定技術の高精度化が不可欠です。しかし、測定の仕方や解析方法が正しくなければ正しい結果を得ることは難しいです。本講座では、工業技術センターが所有する精密形状測定機の紹介を交えて、測定の方法について解説します。
- 金属の耐食性評価と腐食対策
金属材料の耐食性評価方法(電気化学測定法や塩水噴霧試験など)と基本的な腐食対策について解説します。
- 金属の機械的特性評価について
金属の機械的特性評価において、万能材料試験を用いた強度試験やビッカース、ロックウェルを用いた硬度試験は、製品開発において欠かせない試験方法です。本講演では、強度や硬さの測定方法および注意点などもふまえながら解説します。
計測制御・電子
- EMC試験の基礎
現在、電気機器を市場に出荷する際には、電磁ノイズの漏れの少ないこと、外来の電磁ノイズに対する耐性等が要求されます。本講義では、これら試験の体系と試験方法の概要について解説します。
- 低騒音化のための音響計測
機器の騒音対策を行おうとすると、音の基本的な性質や人間の音に対する感覚、それらの評価方法に関する知識が必要になります。本講義では、騒音対策に必要な基礎事項について、デモンストレーションを交え、解説します。
- 低騒音化技術の基礎
機器の騒音対策では、一つやり方を間違えるとかえって音が大きくなる場合もあります。本講義では、音源対策や伝搬音対策の基本的な対策法について解説します。
- 遮音・吸音の基礎
伝搬音対策の中心である遮音・吸音対策について説明します。遮音・吸音の基本的なメカニズムから、音響材料の特性測定、予測技術について説明します。
- 振動試験の基礎
耐振動性の優れた製品を開発するには、製品の輸送時、稼働時に周囲の振動源から振動を受け続けても、設定した製品寿命の間、正常に動作することを試験により確かめる必要があります。本講義では、振動試験方法の概要について解説します。
- 機器の熱設計技術
機器の熱設計は製品の性能や寿命に大きく左右します。電子機器などでは熱に関するトラブルが多くなり、ますます熱設計技術が求められています。ここでは、機器の熱設計に不可欠な温度測定から熱の伝わり方、熱対策・設計手法について解説します。
- 有限要素法解析の基礎と設計への応用
近年、3DCADソフトウェアが一般的になったことで、その3Dモデルから有限要素モデルの製作が容易となり、有限要素法解析を用いた製品設計が広く行われています。本講義では有限要素法の基礎を、強度解析や振動解析等を用いた具体例を交えながら解説します。
- シミュレーションを用いた磁気応用部品の設計開発
予測技術であるシミュレーションは、モノづくりの設計開発において必要不可欠になりつつあります。本講座では、電気機器のシミュレーションである磁界解析を活用した、モータをはじめとする磁気応用部品の設計開発について解説します。
無機・高分子
- フィラーによってプラスチック材料の機械特性はどう変わるか?
プラスチック材料では、フィラーと呼ばれる粉体を添加することがよく行われます。このフィラーによってプラスチックの機械特性がどう変化するかについて解説します。
- パルス法NMRによる構造評価法(1)
パルス法NMRは水素原子核のスピン-スピン緩和を観測する手法であり、分子の運動性とその不均一性に関する情報を与えます。本講座ではパルス法NMRによるゴムの網目鎖濃度の評価手法と状態評価手法について解説します。
- パルス法NMRによる構造評価法(2)
パルス法NMR測定によって得られるスピン-スピン緩和を緩和スペクトルに変換することで、分子運動性の分布を可視化することが可能になります。本講座では緩和スペクトルの算出方法とその応用について解説します。
- 次亜塩素酸による材料劣化の基礎
塩素系薬剤は食品・医療分野の洗浄・殺菌操作で広く用いられていますが、その酸化作用は設備や装置に使用されている高分子材料の劣化事故にもつながります。本講座では次亜塩素酸による高分子材料の劣化の基礎について解説します。
- 機能性ナノ粒子の創成とその評価技術
マイクロリアクター(微小空間で化学反応を行う装置)を用いることでナノ粒子を創ることができます。本講では、機能性ナノ粒子として、金属ナノ粒子、金属酸化物ナノ粒子、アパタイトナノ粒子の研究開発事例について紹介します。
繊維・産業資材
- 繊維物性の試験方法
繊維製品は試験の方法によってその結果は大きく異なる場合があります。今回は、日本産業規格(JIS)にある引張、引裂、摩耗などの試験方法について、具体的に紹介します。
- インジゴ染料の科学
インジゴは単一の染料としては全染料中で最も使用量が多く、主にジーンズ、藍染め、絣、紬等に愛用されています。本講ではそのインジゴ染料の発色、染色メカニズムについて解説するとともに、最新の研究動向について紹介します。
- 染色加工入門
染色は色をつけるだけの簡単な作業と思っていませんか?しかしながら、染色には奥深い科学が潜んでいるのです。本講座で染色の基礎について触れるとともに、最新の染色加工に関する話題についても紹介します。
- 基礎色彩学
色の発現メカニズム、色を定量化する手法、それに関連した機器の原理について解説します。さらに物理特性だけでは説明できない色の諸問題について紹介します。
- 繊維の不思議
私たちが身につけている衣服には綿や絹、ポリエステルなど様々な繊維素材がありますが、冬物も夏物もほとんどが同じ素材を使っているのです。同じ繊維素材でも暖かく感じたり涼しく感じたりするのはなぜか?本講座ではそんな繊維のふしぎな性質やその応用事例を紹介します。
食品
- 食品製造工場における衛生管理~塩素系薬剤の上手な使い方~
洗浄・殺菌技術の基本事項について概説するとともに、食品製造環境で古くから洗浄・殺菌・脱臭漂白剤として使用されてきた次亜塩素酸ナトリウムおよび近年殺菌料として注目が高まっている亜塩素酸ナトリウムを有効に活用するための基礎知識を当センターで取得したデータを元に紹介します。
- 微生物の基礎
普段目にすることのない微生物は、身のまわりに沢山存在し、良くも悪くも古くから我々の生活に密接に関係しています。その特徴や扱い方から代謝や生体反応の概要などについて解説し、食品関連業界における微生物の利用技術について紹介します。
- 食品成分の基礎
食品にはタンパク質や糖質、脂質、ビタミンなど多様な成分が含まれており、栄養機能(一次機能)、感覚応答機能(二次機能)、生体調節機能(三次機能)を有しています。これら各成分が、我々の生命の維持・活動のために重要な役割を果たしていることは言うまでもありません。このような生体分子の特徴や分析法、研究事例について紹介します。
その他
- ライフサイクルアセスメント(LCA)の概要
近年の環境意識の高まりから、各種材料および製品における環境負荷の低減が求められています。これら製品の環境影響を評価する手法としてライフサイクルアセスメントが注目されており、本講ではその概要について述べます。
- 工業技術センターの紹介と活用方法
工業技術センターを利用される企業・団体の皆様に、組織や業務等を紹介します。また、工業技術センターを利用される時のメニューや手続きの方法を解説します。