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第一種特定製品の管理者の役割(フロン排出抑制法)

印刷ページ表示 ページ番号:0640626 2020年4月1日更新環境企画課

 環境省及び経済産業省から「第一種特定製品の管理者等に関する運用の手引き」及び「フロン類算定漏えい量報告マニュアル」が公表されました。

1 設置場所及び使用環境の保全

  1. 第一種特定製品の設置場所
    1. 周囲に損傷等を与えるおそれのある著しい振動を発生する設備等がないこと。
    2. 周囲に点検及び修理の障害となるものがなく、点検及び修理を行うために必要な作業空間や通路等が適切に確保されていること。
  1. 第一種特定製品の使用環境
    1. 上記の設置場所の周囲の状況の維持保全を行うこと。
    2. 他の設備等を近接して設置する場合、損傷等その他の異常を生じないよう必要な措置を講ずること。
    3. 定期的に凝縮器や熱交換器等の汚れ等の付着物を除去し、また、排水受けに溜まった排水の除去その他の清掃を行うこと。

      2 点検の実施

      2-1 簡易点検

      1. すべての第一種特定製品を対象に実施すること。
      2. 3月に1回以上、第一種特定製品の種類に応じた項目を点検(下記の表を参照)すること。
      3. 設置場所の周囲の状況又は第一種特定製品の管理者の技術的能力により、検査を行うことが困難な項目については、可能な範囲内で検査を行うこと。
      4. 簡易点検の結果、漏えい又は故障等を確認した場合には、可能な限り速やかに、専門点検を行うこと。

      第一種特定製品の種類検査項目
      業務用エアコンディショナー異常音並びに外観の損傷、摩耗、腐食及びさびその他の劣化、油漏れ並びに熱交換器への霜の付着の有無
      業務用冷蔵機器及び業務用冷凍機器業務用エアコンディショナーの検査項目
      業務用冷蔵機器または業務用冷凍機器により冷蔵又は冷凍の用に供されている倉庫等における貯蔵又は陳列する場所の温度

       簡易点検の方法については、(一社)日本空調設備工業連合会発行の「業務用冷凍空調機器ユーザーによる簡易点検の手引き(業務用エアコン編冷凍冷蔵ショーケース・業務用冷凍冷蔵庫編 )」が公表されています。

      2-2 専門点検

      1. 簡易点検の結果、漏えい又は故障等を確認した場合に実施すること。
      2. 直接法、間接法又はこれらを組み合わせた方法によること。
      3. フロン類の性状及び取扱いの方法並びにエアコンディショナー、冷蔵機器及び冷凍機器の構造並びに運転方法について十分な知見を有する者が、検査を自ら行い又は検査に立ち会うこと。

       ・フロン類の性状及び取扱いの方法並びにエアコンディショナー、冷蔵機器及び冷凍機器の構造並びに運転方法について十分な知見を有する者

      2-3 定期点検

      1. 一定規模以上の第一種特定製品を対象に実施(対象規模及び頻度は下記の表を参照)すること。
      第一種特定製品の種類 規模※ 頻度
      業務用エアコンディショナー 7.5kW以上50W未満 3年に1回以上
      50kW以上 1年に1回以上
      業務用冷蔵機器及び業務用冷凍機器 7.5kW以上 1年に1回以上

       ※圧縮機を駆動する電動機の定格出力又は圧縮機を駆動する内燃機関の定格出力。二以上の電動機又は内燃機関により圧縮機を駆動する第一種特定製品にあっては、当該電動機又は当該内燃機関の定格出力の合計。

      1. 異常音並びに外観の損傷、摩耗、腐食及びさびその他の劣化、油漏れ並びに熱交換器への霜の付着の有無の検査並びに直接法、間接法又はこれらを組み合わせた方法によること。
      2. フロン類及び第一種特定製品の専門点検の方法について十分な知見を有する者が、検査を自ら行い又は検査に立ち会うこと。

       ・フロン類及び第一種特定製品の専門点検の方法について十分な知見を有する者

      3 漏えい時の措置

      1. 漏えいを確認した場合、漏えい箇所が特定された場合には、速やかに当該箇所を修理すること。
      2. 故障等を確認した場合、速やかに故障等に係る点検及び修理をすること。
      3. 漏えい又は故障等を確認した場合、漏えい箇所の特定又は修理の実施が著しく困難な場所に漏えいが生じている場合を除き、上記に掲げる点検や修理等を行うまでフロン類の充塡を委託してはならないなお、環境衛生上必要な空気環境の調整、被冷却物の衛生管理又は事業の継続のために修理を行わずに応急的にフロン類を充塡することが必要であり、かつ、漏えいを確認した日から60日以内に当該漏えい箇所の修理を行うことが確実なときは、上記に掲げる点検や修理等を行う前に、1回に限り充塡を委託することができる。

      4 点検及び整備に係る記録

      1. 第一種特定製品の点検及び整備に係る次の内容を記録した記録簿を備え、第一種特定製品の廃棄後も3年間保存すること。
        1. 管理者の氏名又は名称(実際に従事する者の氏名を含む。)
        2. 第一種特定製品の所在及び第一種特定製品を特定するための情報
        3. 冷媒として充填されているフロン類の種類及び量
        4. 点検・修理の実施年月日、実施者の氏名(法人名を含む。)並びに点検・修理の内容及びその結果
        5. 漏えい等が確認された場合における速やかな修理が困難である理由及び修理予定時期
        6. 整備が行われる場合において、冷媒としてフロン類を充填・回収した年月日、第一種フロン類充填回収業者の指名(法人名及び実施者の氏名を含む。)並びに充填・回収したフロン類の種類及び量
        7. 廃棄等が行われる場合において、フロン類の引取り等を行った年月日、第一種フロン類充填回収業者の氏名(法人名及び実施者の氏名を含む。)
      2. 整備又は廃棄等を行う際、第一種特定製品に製造業者等が表示したフロン類以外の冷媒が現に充塡されている場合は、第一種特定製品整備者又は第一種フロン類充填回収業者等に対し、点検・整備記録簿を提示すること等により、現に充填されている冷媒の種類を説明すること。ただし、現に充填されている冷媒の種類を見やすく、かつ、容易に消滅しない方法で表示している場合は、この限りでない。
      3. 売却する場合、点検・整備記録簿又は写しを売却相手に引き渡すこと。

      5 フロン類算定漏えい量等の報告

      1. 1年間(4月1日から3月31日)のフロン類算定漏えい量が1,000 CO2-t以上の第一種特定製品の管理者は、毎年度、フロン類算定漏えい量等を国(事業所管大臣)に報告する必要がある。
      2. フロン類算定漏えい量は、第一種特定製品の整備が行われた場合に充填したフロン類の量の合計量から回収したフロン類の量の合計量を控除した量に充填されているフロン類の地球温暖化係数を乗じて算定する。フロン類算定漏えい量=(整備時の充填量-整備時の回収量)×地球温暖化係数(GWP)
      3. 報告書の作成については、支援ツールによる作成ができます。また、報告書の報告方法については電子報告も可能となっています。 これらについては、次のページをご確認ください。

      6 整備時に講ずべき措置

      6-1 費用の負担

       第一種特定製品整備者の請求に応じ、フロン類の回収等の費用(回収、運搬、破壊又は再生に必要となる費用)を負担する必要がある。

      6-2 充填証明書・回収証明書

      1. フロン類の充填又は回収が行われた場合、充填証明書又は回収証明書が第一種フロン類充填回収業者から整備発注者である第一種特定製品の管理者に交付される。
      2. 充填証明書及び回収証明書は保存の義務はありませんが、点検・整備記録簿の記載(「4 点検及び整備に係る記録」を参照)やフロン類算定漏えい量の計算(「5 フロン類算定漏えい量等の報告」を参照)の計算のために必要であるため、適切に管理する必要がある。

       なお、充填証明書及び回収証明書は、情報処理センターを利用することにより、電子的に交付を受けることが可能です。

      6-3 点検・整備記録簿の提示及び記載

       「4 点検及び整備に係る記録」を参照してください。

      7 廃棄時に講ずべき措置

      7-1 費用の負担

       第一種フロン類充填回収業者の請求に応じ、フロン類の回収等の費用(回収、運搬、破壊又は再生に必要となる費用)を負担する必要がある。

      7-2 特定解体工事元請業者への協力

       建築物等の解体に伴い第一種特定製品を廃棄等する場合、特定解体工事元請業者は、第一種特定製品の設置の有無を確認し、確認結果を特定解体工事発注者(第一種特定製品廃棄等実施者)に事前確認書を交付して説明する必要があるため、この確認に協力する必要がある。

       ・解体工事時の事前確認・説明制度

      7-3 行程管理制度

       第一種特定製品廃棄等実施者は、フロン類を第一種フロン類充填回収業者に直接引き渡すか、フロン類の引き渡しを設備業者等(第一種フロン類引渡受託者)に委託して第一種フロン類充填回収業者に引き渡す必要がある。 

      1. 回収依頼書、委託確認書の交付
      • フロン類を第一種フロン類充填回収業者に直接引き渡す場合、第一種フロン類充填回収業者へ回収依頼書を交付し、写しを3年間保存する必要があります。
      • 第一種フロン類引渡受託者に第一種フロン類充填回収業者への引渡しを委託する場合、第一種フロン類引渡受託者へ委託確認書を交付し、写しを3年間保存する必要があります。  
      • 第一種フロン類引渡受託者が他の者にフロン類の第一種フロン類充填回収業者への引渡を再委託する場合は、第一種フロン類引渡受託者へ再委託承諾書を交付し、写しを3年間保存する必要があります。
      1. 引取証明書による引渡し終了の確認
      • 第一種フロン類充填回収業者から交付される引取証明書又は引取証明書の写しにより、フロン類の引渡し終了を確認し、3年間保存する必要がある。
      • 第一種フロン類充填回収業者へ回収依頼書を、又は第一種フロン類引渡受託者へ委託確認書を交付した日から30日(建築物等の解体の場合は90日)以内に第一種フロン類充填回収業者から引取証明書が交付又は引取証明書の写しが送付されない場合、虚偽の引取証明書が交付又は引取証明書の写しが送付された場合は都道府県知事へ報告する必要がある。

       ・行程管理制度

      7-4 機器の廃棄

       第一種特定製品廃棄等実施者は、廃棄等を目的として第一種特定製品を引渡すときは、引渡し先に引取証明書の写しを交付する必要がある。

       廃棄等を行った第一種特定製品の記録簿は、廃棄後も3年間保存する必要がある。

       法改正 管理者向けチラシ [PDFファイル/1.48MB]

       

      8 関係資料