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『 つつが虫病 』に注意しましょう
『 つつが虫病 』に注意しましょう。
岡山県では、2021年に4名、2022年に4名、2023年に4名(2006年の集計開始以降最多)の患者の発生報告がありました。 全国では、2023年に444名(暫定値)の患者の発生報告がありました。ここ数年は毎年400~500名ほどの報告数で推移しています。 「つつが虫病」は、小型のダニの一種であるツツガムシの幼虫によって媒介され、春と秋に発生が多くみられます。 これらの場所に立ち入るときは、ツツガムシに刺咬されないよう注意してください。症状としては「発熱」と「発しん」が特徴です。 野山や草むらに入った後、数日後に高熱がでて、赤い発しんがある時は速やかに医療機関を受診してください。 |
岡山県の発生状況
全国の発生状況
つつが虫病 とは
つつが虫病リケッチア( Orientia tsutsugamushi )による感染症です。
つつが虫病は、オリエンチア・ツツガムシ( 日本名 : つつが虫病リケッチア )という細菌によって発症する病気です。この病原体を保有している野外の小型のダニの一種であるツツガムシの幼虫に刺咬されることにより起こります。ツツガムシは林、草むら、河川敷などの土の中に生息していますが、全てのツツガムシが病原体を持っているわけではありません。作業、レジャーなどの活動の際、人間が病原体を保有するツツガムシ(有毒ダニ)の生息場所に立ち入り、刺咬されることで感染します。自然が豊かな地域では、自宅周辺で刺咬されて感染することもあります。人から人への感染はありません。刺咬されてから5~14日後に高熱と発しんで発症します。重症の場合は死に至ることもあります。
つつが虫病は、全国ではここ数年は毎年400~500名ほどの患者が報告されており、毎年数名の死亡例も報告されています。春と秋の二つのピークがありますが、関東~九州では秋から初冬に主に発生があります。かつては山形県、秋田県、新潟県などで夏季に河川敷で感染する風土病でしたが、戦後は北海道など一部の地域を除いて全国で発生が見られるようになりました。岡山県でも毎年1~4名の報告が継続しています。
つつが虫病 症状と診断、治療
作業 ・ レジャーで野山や草むらに入った後、しばらくして高熱がでて、赤い発しんがある時は速やかに医療機関を受診しましょう。
早期診断 早期治療がとても大切ですので、もしも と思ったときにはすぐに受診しましょう。
症 状 | 発熱 ・ 刺し口 ・ 発しん(胸、腹部、背部から全身に広がる) が3大特徴です。 |
診 断 | 血清診断 治療前の末梢血あるいは痂皮からの病原体遺伝子の検出 |
治 療 | テトラサイクリン系抗菌薬が有効です。 |
| ツツガムシ刺し口(須藤恒久著「新ツツガムシ病物語」より) 黒色のかさぶたができる | |
発しん(須藤恒久著「新ツツガムシ病物語」より) |
つつが虫病 予防のポイント
作業やレジャーなどで野山や草むらに入るときは、ツツガムシに刺咬されないよう次のことに注意してください。
- ツツガムシは、主に草むらや藪・森林にいます。このような場所で長時間地面に直接寝転んだり、座ったり、服を置いたりしないようにしましょう。
- 草むらなどに入るときは、長袖、長ズボン、手袋、長靴等を着用しましょう(色の薄い服はくっついたツツガムシを見つけやすくなります)。
- ツツガムシをよせつけないためには、肌の露出部分や服に虫除け剤(ツツガムシの忌避を効能としているもの)の使用も有効です。虫除け剤は皮膚の露出部分や、衣服の上から使います(ただし、目、口、耳、傷がある部位、皮膚が過敏な部位には使用しないようにしましょう。乳幼児、小児に使用する場合は注意が必要です。添付されている使用上の注意をよく読んでください。)。
- 帰宅後は、上着や作業着を家の中に持ち込まないようにしましょう。
- 帰宅後はすぐに入浴し、体をよく洗い、新しい服に着替えましょう。入浴やシャワーの時には、ツツガムシが肌についていないかチェックしてください。
- 着ていた服はすぐに洗濯するか、ナイロン袋に入れて口を縛っておきましょう。