食中毒
一般的に食中毒とは、飲食物を介して体内に入った病原体や有毒、有害な物質によって起こるもので、比較的急性の胃腸炎症状等を主な症状とする健康障害を呼んでいます。
(1)食中毒の発生状況
食中毒の発生状況(全国) 令和5年(2023年)・・・総数:1,021件 患者数:11,803人
食中毒の発生状況(岡山県) 令和5年(2023年)・・・総数:10件 患者数:149人
(2)食中毒の原因施設
食中毒は、飲食店や給食施設などでの食事だけでなく、毎日食べている家庭の食事でも発生しています。
令和5年(2023年)原因施設別の食中毒発生件数(全国)
(3)食中毒の原因
食中毒の原因は、次のように分類することができます。
近年は、寄生虫やカンピロバクター、ノロウイルスによる食中毒が病因物質の上位を占めています。
令和5年病因物質別の食中毒発生状況(全国)
令和5年(2023年)原因食品別の食中毒発生件数及び患者数(全国)
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(4)食中毒予防の3原則
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(5)家庭での食中毒予防
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(6)過去の事例
ケーキによるサルモネラ食中毒 | |
<あらまし> ○月×日、A病院から「腹痛・下痢を訴えて受診した患者の便からサルモネラを検出した。」との連絡がB保健所にあった。B保健所が調査したところ、患者はC洋菓子店が作ったケーキを食べており、他にもC洋菓子店が作ったケーキを食べて同様の症状を訴えている者がいることが分かった。 <調査結果> B保健所はC洋菓子店に残っていた卵及びケーキと患者宅に残っていたケーキから便と同じ血清型のサルモネラを検出した。また、患者の共通の食物がC洋菓子店のケーキのみであることから、この事例は、C洋菓子店のケーキを原因食品とするサルモネラ食中毒であると断定した。 卵に付いていたサルモネラが調理器具や手指を汚染し、それらを介して生クリームが二次汚染を受けた結果、その生クリームを使用した複数のケーキがサルモネラに汚染されたのではないかと考えられた。 <予防ポイント> (1)卵は、使用量にあわせて購入し、冷蔵庫で保存すること。 (2)卵を取り扱った手指・器具等はよく洗浄殺菌すること。 |
仕出し料理による腸炎ビブリオ食中毒 | |
<あらまし> ○月×日、A医院から「B家の法事に出席した人の中から食中毒のような症状を訴える者が出ている。」との連絡がC保健所にあった。C保健所が調査したところ、B家の法事に出席した30名中12名が症状を訴えていることが分かった。 その法事に出された仕出し料理はD飲食店が調理したものであり、D飲食店を利用した他のグループにも同様の症状を訴えている者がいることが分かった。 <調査結果> C保健所の行った検査の結果、患者の便と残っていた仕出し料理の中の「カニの酢の物」から腸炎ビブリオを検出した。 D飲食店では包丁とまな板の使い分けが行われていなかったこと、B家の法事があった日は通常の3倍の注文があり、盛り付け後長時間室温に置かれていたことにより腸炎ビブリオが増殖したことが原因となったと考えられた。 また、有症者の中には、自宅に持ち帰った仕出しを食べて発症した人もいた。 <予防ポイント> (1)生食用に使用する器具は他のものと区別し、専用のものにする。 (2)調理された食品を長時間室温に放置しない。 (3)仕出しの持ち帰りには注意しましょう。 |
ふぐ毒による食中毒 | |
<あらまし> ○月×日、A医院から「今朝、ふぐを自宅で調理して喫食し、口のしびれ、ふらつきを訴えて入院した者がいる。」との連絡がB保健所にあった。B保健所で調査したところ、患者は前日自分でふぐを釣って持ち帰り、皮と内臓等は捨て、肝臓のみ鍋に入れて食べていたことが分かった。 <調査結果> ふぐを喫食していること、症状からの医師の判断により、ふぐ毒による食中毒と断定された。 患者からの聞き取り調査の結果、「昔から食べていたがこれまで大丈夫だった。」という過信があったことが分かった。 <予防ポイント> (1)素人調理はやめること |