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当センターでは、県の環境保全及び保健衛生施策に係る試験検査や監視測定業務と密接に連携したテーマについて調査研究を行い、行政施策の推進に必要な情報と技術を提供しています。
本県では、現在、関係市と連携して県内27地点で自動測定機を用いてPM2.5 質量濃度を常時監視しています。
本県のPM2.5 の環境基準達成率は改善傾向にあるものの、全地点では継続的に達成できていません。
PM2.5 の自動測定機に使用しているテープろ紙を活用した成分分析を行える体制を確立し、PM2.5 が高濃度となった要因を解析することで、さらなる改善に向けた施策検討の一助とします。

河川やため池等での魚のへい死や発泡などの水質汚濁事象が発生した場合、再発防止や安全安心のため、その原因究明が重要となっています。
一方、水質汚濁事象が発見された時点では原因物質がなくなっているなど、水質検査を実施しても発生原因が特定できない事例も少なくありません。
そこで、本調査研究ではこれまでの実験室での分析を主体としたものから、現地での調査等を含め、原因究明手法を幅広く検討し、関係機関による水質汚濁事象対応の一助とします。

児島湖の化学的酸素要求量(有機物による汚染に関する指標。以下「COD」という。)は、これまでの各種施策により改善傾向にありますが、未だ環境基準を達成していない上、近年は改善が低調になっています。
これまでの調査研究により大きな要因が、難分解性有機物にあることが示唆されています。
そこで本調査研究では、引き続き児島湖における難分解性有機物等の実態を調査し、場所や水深による違いなどについて知見を蓄積することで、今後の行政施策推進の一助とします。
なお、湖沼水質保全特別措置法に基づく「児島湖に係る湖沼水質保全計画(第8期)」においても、難分解性有機物の実態調査が掲げられています。
岡山県では、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センター(以下「人形峠センター」という。)周辺において環境放射線等の監視測定を昭和54年度から継続して行っています。
監視測定対象項目の杉葉に含まれる放射性核種(ウラン238,ラジウム226)濃度は、人形峠センター周辺では十分なデータ蓄積がありますが、これらを他地域のデータ等と比較して評価を行う場合、過去に報告されている文献が少ない状況です。
そこで、人形峠センター周辺における環境放射線等の測定結果を評価する上で参考となるデータの蓄積のため、県内で生育している杉葉を対象として放射性物質濃度等のレベルを把握します。

薬剤耐性菌は、抗菌薬が効かなくなることで感染症の治療を困難にし、重症化や死亡のリスクを高めるなど、世界的に深刻な問題となっています。
これらの耐性菌は、ヒト、動物、環境、食品など、さまざまな分野に広がっているため、分野を超えた包括的な対策が求められています。しかしながら、本県における薬剤耐性菌の侵淫状況は明らかになっていません。
そこで、最初の取り組みとして、河川水や下水などの環境試料を対象に薬剤耐性菌の実態調査を実施し、本県における薬剤耐性菌対策の基礎資料とします。

近年続発している新興感染症はもとより、様々な行政検査に適切に対応するためには、限られたリソースの効率的な運用が必要です。
そこで、感染症の原因ウイルスの特定効率の向上を目指し、多種多様なウイルスを一度に検出できる同時スクリーニング法等の開発に取り組みます。
また、感染症の発生予防やまん延防止のためには、患者検体からの病原体検索に加え、環境や媒介動物等を対象とした病原体分布の解明が望まれています。
そこで、下水サーベイランスと病原体保有マダニの分布状況調査により地域全体の病原体の分布を把握・解析し、感染症の流行拡大防止や発生防止の一助とします。

有毒植物や毒きのこなど植物性自然毒による食中毒は、致死率の高さから保健衛生上重要な問題となっています。食中毒発生時の原因物質の特定は、再発防止のための注意喚起はもとより、有効な治療法の選択にも非常に重要です。
しかしながら、植物やきのこの鑑別には高度な専門的知識が必要であり、調理等による外観の変化で鑑別が困難となることがあります。
そこで、LC-MS/MSを用いた植物性自然毒成分の分析技術および遺伝子解析による毒きのこの種の同定法の導入・開発に取り組み、食中毒発生時に迅速に原因物質を同定できる体制を整備します。

※これまでの調査研究の成果については、「環境保健センター年報」を御覧ください。