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申し込みをしていない商品を一方的に送りつけ、消費者が「受け取った以上、支払わなければならない」と勘違いして、支払うことをねらった商法
突然、知らない会社から宅配便が届き、開封してみたところ、ビデオテープと請求書が入っていた。申し込んだ事実はまったくない。
代金引換郵便が届いたので、家族の誰かが注文したものと思って、代金を支払って荷物を受け取った。開封したところ、書籍が入っており、後で家族に確認したが、誰も注文していなかった。
消費者が注文していないのに、商品を一方的に送りつけて、消費者が「受け取った以上、支払わなければならない」と勘違いして、支払うことをねらった商法で、「送り付け商法」と言います。
こうした商法については、特定商取引法でその取扱いが定められています。この場合、事業者が消費者のところに商品を送り付けるということが、事業者から消費者に対する「契約の申込み」に当たり、消費者が購入するという承諾をすれば、契約は成立しますが、承諾しなければ契約は成立しません。単に受け取ったというだけでは承諾したことにはならず、相手の事業者に対して購入する旨を連絡するとか、購入するつもりで代金を支払うなどした場合に承諾したことになります。
「商品を返送しなければ契約は成立する」などという一方的な文書を同封してくるものもありますが、合意がないのに契約は成立するはずはありません。契約が成立していない以上、当然、代金を支払う義務もありません。
そして、商品の送付があった日から14日(事業者に商品の引き取りを請求したときは、請求の日から7日間)を経過するまでに、消費者が承諾せず、かつ、事業者がその商品を引き取りしない場合は、事業者は商品の返還を請求できなくなります。
書籍、ビデオテープ、福祉名目の商品、健康食品 など