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植えた後、下刈り、間伐、枝打ち等の作業があります。
下刈りは、植えたスギ・ヒノキの周りに生えてくる雑草を刈り払うものです。
雑草に覆われてしまうとスギ・ヒノキの成長がよくなくなってしまいます。
このため、雑草がどんどん成長する夏頃に作業をすることが多いです。
スギ・ヒノキの高さが雑草に負けない高さ(1.5メートル程度)になるまで5年間ほど作業をします。
育てようとする樹木の生育を邪魔する他の樹木を刈り払う作業です。
一般に、下刈りを終了してから、植栽木の枝葉が茂り、互いに接し合う状態になるまでの間に数回行います。
植えてから20年たった頃に、1回目を行います。
植えたときは、木と木の間は十分離れていますが、この頃になると混み合ってきて枝と枝がふれあっています。
このため、育ちの悪い木や元気が良すぎる木を伐って間引きます。
そうすることで、残った木の成長がよくなります。
1回目の間伐から5~10年たった頃、2回目の間伐を行います。
以降、木の混み具合などにより、最後に全部の木を伐るまで5~10年ごとに行います。
枝を残したままにしておくと、木を伐って例えば柱などに使おうとしたときに節が見えます。
節は、利用する際に、抜け穴や曲がりの原因なるなど欠点となります。
そこで、木が育つ途中で枝を切って落とす作業を行っています。
ビール瓶の太さ(直径約8cm)のときに枝を落とすと、幅が12cmの柱を作ったときに節が見えないと言われています。
森林は、木材生産のほかにもいろいろな働き(機能)があります。
森林が降った雨を蓄え、ゆっくりと川に流すことで、洪水は渇水を緩和する働きがあります。
樹木の根と地面を覆う落ち葉や下草が、雨などによる表土の浸食、土砂の流出、崩壊による土石流を防ぎます。
森林が二酸化炭素を吸収することで地球温暖化防止に貢献しています。
森林があることによって遺伝子や生物種、生態系を保全する機能があります。
散策、レクリエーション活動、自然体験学習等の場として森林は活用されています。
など
これらの働きが十分発揮できるように、森林の整備が必要です。
また、伐採したあとには苗を植えて育てることを繰り返す「林業サイクル」を循環させることも重要です。
花粉を発生させる大きく育ったスギ・ヒノキ(特に植えてから50年以上たった木)を伐採・利用し、少花粉スギ・ヒノキへ植え替え花粉を少しでも少なくすることがとても大切です。