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伐採・再造林の推進

印刷ページ表示 ページ番号:0839863 2024年3月15日更新治山課

現状と課題

 本県の人工林は80%が9齢級以上(41年生以上)であり、5齢級以下(25年生以下)の若齢林は5%と極端に少ない状況にあります。蓄積は約90%が9齢級以上(41年生以上)に偏っており、県産材の計画的かつ安定的な供給が課題となっています。
人工林の齢級別面積(民有林)
人工林の齢級別蓄積(民有林)

※1 策定時:21おかやま森林・林業ビジョンの策定時
※2 齢級:林齢を5年の幅で括った単位 (例)5齢級=21~25年生

 このように現在の民有林の人工林資源は、成長率の高い若齢から伐期齢(40~45年生)までの面積が少ないため、このままでは年成長率の減少傾向が続くことから、今後、主伐跡地での再造林を推進し、若齢林を造成していくことが必要です。
民有林人工林の齢級構成(現況と2050年推計対比)

 しかし、木材価格の低迷や造林費用の負担が大きいこと、森林所有者等が林業経営に関心を持てないことなどの要因により、伐採及び伐採後の再造林がなかなか進んでいない状況にあります。

→ 伐採・再造林の低コスト化が必要

低コスト再造林について

一貫作業の推進

 県では、伐採から植栽までを連続して実施する効率的な一貫作業を推進し、伐採・再造林のコスト低減を図ることにより、伐採とともに少花粉苗木の植替えを促進することとしています。

【従来の施業方法】伐採・搬出と地拵え、植栽は、別々の事業として異なる時期に行う。伐採・搬出から地拵えまで作業の休止期間が生じ、伐採後に植生が繁茂し、地拵えの負担が増加する。

【一貫作業】伐採・搬出と並行して地拵え、植栽を実施する作業の仕組み。伐採・搬出に使用した機械を地拵えに活用し、伐採後、あまり期間を空けることなく植栽をすることにより、地拵えや下刈りの省力化、低コスト化が期待できる。

伐採伐採

集材集材

造材造材

搬出搬出(地拵え)

植付け植栽

【参考】低コスト造林のポイントとなる「一貫作業システムの導入」、「コンテナ苗」、「下刈り回数削減」、「シカ被害軽減」及び「再造林コスト予測」について、ノウハウや留意事項等が整理された資料を参考に掲載しています。
低コスト造林技術の導入に向けて(平成30年5月 林野庁) [PDFファイル/6.85MB]

少花粉コンテナ苗の利用

 県では、再造林コストの低減を図るために、少花粉コンテナ苗の利用を促進しています。

 コンテナ苗の利点は、

 (1)裸苗に比べて植栽適期が長い

 (2)専用の植付器具を使用することで植栽時間を短縮でき、また、熟練者でなくても植栽が可能

 (3)植栽現場での保管等の取扱いが容易であることなどがあります。

 特に、(1)の植栽適期が長い特性により、植栽時期の平準化を図ることができるため、伐採から植栽までを連続して実施する効率的な一貫作業での使用に適しています。

コンテナ苗1 コンテナ苗2

低密度植栽の検討

 再造林コストの低減を図るための選択肢の一つとして、低密度植栽技術の導入があります。

 低密度植栽は、従来の植栽密度(3,000本/ヘクタール程度)よりも低い植栽密度(2,000本/ヘクタール以下)であるため、苗木購入費や植栽に要する労務費が削減され、再造林の低コスト化が期待されます。

 低密度植栽を計画する際は、現地の条件や木材の生産目標(良質な丸太生産、または、合板・集成材等の加工向けの丸太生産など)を検討するとともに、各市町村の森林整備計画との整合を図るようにしてください。なお、保安林にあっては、指定施業要件に従って植栽をしなければなりません。

 (参考)スギ・ヒノキ・カラマツにおける低密度植栽のための技術指針(令和3年度改定版 林野庁) [PDFファイル/1.54MB]

下刈り回数等の検討

 下刈りは、植栽木の成長を阻害する草本植物等を除去し、植栽木の健全な育成を図るために行われる施業です。下刈りの費用は育林経費全体の3割程度(※)を占めており、再造林費用の低コスト化を進める上で、下刈り回数の削減や下刈り方法などの検討が必要となってきます。(※下刈りを5回実施する場合)

 【回数の削減(例)】一貫作業による機械地拵えによって1年目の下刈りを省略、最終年等の下刈りの省略

 【方法の検討(例)】植栽木の状況に応じて筋刈りや坪刈りを検討

 なお、造林地によって草本植物等の繁茂状況が違うため、植栽木の生育状況と草本植物等の繁茂状況とを十分確認しながら、下刈り回数の削減等の検討を進める必要があります。

 (参考)「低コスト再造林に役立つ”下刈り省略手法”アラカルト」(2019年 国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林研究所)

 

ドローンによる苗木等運搬

 植栽工程の省力化・効率化や苗木運搬に伴う労働強度の軽減を図るため、苗木や獣害防護柵などの造林資材をドローンで運搬する取組が全国各地で行われています。

 なお、ドローンの導入・活用に当たっては、ドローンによる資材の運搬が、従来の運搬方法と総合的に比較してメリットの有無を見極める必要があります。

 【ドローン活用に適した条件】(林野庁「ドローンを活用した苗木等運搬マニュアル」(2022年3月)より抜粋)

  ○一定の条件下であれば、苗木運搬の効率化、コスト低減が可能

   ・車両が入れない造林地(急傾斜地、架線系集材地)

   ・車両が入れる地点から植栽位置が離れている造林地(面積が広い)

   ・一貫作業システムが採用できず植栽時に車両が利用できない造林地

  ○コスト以外のメリットも考慮

   ・労力が軽減され、労災リスクの低減につながる

   ・体力を必要としないため、年齢や性別が問題となりにくい

   ・若者の関心も高く、林業への参入者が増えるきっかけにつながる

林野庁「ドローンを活用した苗木等運搬マニュアル」(2022年3月) [PDFファイル/4.49MB]

確実な再造林に向けた対策検討会議の開催

 戦後造成された人工林の多くが本格的な利用期を迎えており、この豊富な森林資源を循環利用し、再造林や間伐等の適切な森林整備を通じて、先人たちが守ってきた豊かな森林を次世代へ継承していくことが急務となっています。
 この循環を推進し、豊かな森林を次世代に継承するためには、人工林を伐採して、その跡地に再造林を行うことが重要です。しかし、現状は、伐採が進んだとしても、再造林コストが嵩むことや、その後の管理に対する不透明感などで再造林が進んでいない状況にあります。
 伐採・再造林が進めば、造林・保育に伴う雇用の場の創出や、苗木生産活動の拡大など、林業が中山間地域の重要な成長産業の一つになるとともに、適正な森林管理・利用を通じて、県民が森林の発揮する多面的機能の恩恵を享受し、2050 年カーボンニュートラルの実現にも寄与することが期待されます。
 そこで、確実な再造林に向けて、関係者が一堂に会して課題と対策を検討し、合意形成のもとで、関係者が一体となって対策を実行していくため、「確実な再造林に向けた対策検討会議」を設置しました。

伐採と造林との連携促進について

 伐採後の確実な再造林を進めていくためには、伐採事業者と造林事業者とが連携体制をつくり、森林所有者に対して伐採から造林までの計画を説明し、理解を得た上で、伐採を行う体制を構築していく必要があります。

 県では、「確実な再造林に向けた対策検討会議」の部会として「伐採・再造林連携推進検討会」を設置し、令和5年度から、伐採・再造林連携ガイドラインに基づく自主行動規範、伐採事業者と造林事業者との協定締結、再造林の低コスト化に向けた取組内容等の検討を行うこととしています。

確実な再造林につなげる森づくり講演会

伐採・再造林の連携ガイドラインや林業事業体の自主行動規範の策定が促進されるよう、「確実な再造林につなげる森づくり講演会」を開催しました。

藤掛一郎氏(宮崎大学農学部教授)には再造林の必要性と課題についての説明をはじめ、望ましいガイドラインの内容や地域にあった取組などについて御講演いただきました。また、神園公博氏(鹿児島県素材生産事業連絡協議会事業部長)には素材生産事業者の立場から、ガイドラインや第三者委員会が審査・認定する「責任ある素材生産事業体認証制度」の必要性について御講演いただきました。

参加者からは、宮崎県や鹿児島県の取組等に関する多くの質問が寄せられるとともに、岡山県が抱える課題に対するアドバイスを求める場面もあるなど、非常に有意義な講演になりました。

藤掛一郎氏宮崎大学農学部教授 藤掛一郎氏

鹿児島県素材生産事業連絡協議会事業部長 神園公博氏鹿児島県素材生産事業連絡協議会事業部長 神園公博氏

講演会場の様子講演会場の様子

1 日  時  令和5年6月6日(火曜日) 13時~15時

2 場  所  ペスタロッチ館 夢ホール(岡山県苫田郡鏡野町竹田663-7)

3 主  催  岡山県

4 講演内容

(1)「再造林問題に対するガイドラインを用いた仕組みづくり」

    宮崎大学農学部 教授 藤掛 一郎 氏

(2)「鹿児島県におけるガイドライン・認証制度の取組み」

    鹿児島県素材生産事業連絡協議会 事業部長 神園 公博 氏

5 参加者数 94名

過去の開催状況

設置根拠等